羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ストライクフォール

ストライクフォール (ガガガ文庫)

現在シリーズ3巻まで刊行されていて、来月に数年ぶりの新刊である4巻が発売されると発表があったので1巻から読み返していこうと思いました。

 

宇宙で戦うというストライクフォールの設定だけでもだいぶ熱いと思いますが、主人公・雄星と弟の英俊の間にある距離がどうしようもなく読み手の心をざわつかせる。

優秀な弟・英俊を持つ兄・雄星の葛藤や自分の好きな人が兄・雄星を見ているという弟・英俊の胸中をよく描いていて、物語が熱くなるツボをよく押さえてある作品です。

2人を見守る幼なじみな環も心が揺れていて、この3人の複雑な関係性も追いかけたくなる魅力がありました。

 

そして、不器用な兄弟を見守る人の支えもあり、不幸だけに終わらせない覚悟の試される展開には惹きつけられます。

 

 

 

その時代、戦争は競技に成り代わった―。人型のシェルを身にまとい、広大な宇宙を駆けるチーム競技、ストライクフォール。鷹森雄星も、その熱狂に魅せられたひとりだ。弟は、トップリーグでのプロデビューが決まった若き天才、鷹森英俊。幼なじみの環に見守られながら、雄星は宇宙を目指すが―。「知ってるか、兄貴。宇宙では、あらゆるものが落ち続けてるんだ」だから、兄弟は空に手を伸ばした。欲しいものを、宇宙をその手に掴むために。SF界の俊英が放つ疾走スペースグラフィティ、待望の離陸!