素晴らしい謎解きと先が気になって仕方がないように巻かれた伏線でした。
読み終えるまで、没頭して読めました。
探偵と助手のデコボココンビに青春を感じつつ、本格ミステリらしく容疑者を絞っていく推理過程が丁寧で良かった。読んでいる読者も2人と同じように犯人を考えていられました。作品に寄り添いやすかったです。
様々な伏線を辿って、たどり着いた真実には胸が痛みました。被害者には同情しないが、犯人には同情してしまう。
なんとも言えない感じがするが、探偵と助手の明るさに中和させられました。
シリーズ化して欲しいです。
全寮制男子高で起こった、不可解な殺人事件。
同室の迷コンビが挑む、青春ミステリー!全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。
昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。
あすなろ館の住人の一人・兎川雛太(とがわ・ひなた)が2年に進級した始業式前日、新たな入居者がやってきた。今年度から学院に編入してきた鷹宮絵愛(たかみや・エチカ)。彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。奇しくも同室になった二人は、最初は反発するも次第にお互いを知っていく――。
しかし、ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。現場の状況から、犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけである。
転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるが――!?
予想外の結末に驚愕する!
注目の若手作家がおくる、学園ミステリ。