デビュー作品から好きで、1巻も楽しんでただけに1巻から5年経つとは思いもしなかった。待ってたよ。
その刊行の裏には色々あったようで、今作を読んであとがきをチェックしてください。
物語としてより磨きがかかっていた。勉強しなければならない状況に追い込まれた狭山だが、そんなすぐに改心出来るわけない。
補習仲間の仲里と共に狭山は勉強漬けになり、少し勉強出来るようになるが、そのまますんなりとはいかない。
今まで染み込まれた敗者としての自分が拭いきれず、感情に振り回されてしまう。
そういう、出来ない人の弱さに寄り添うのが魅力的でした。
出来る人には分からないだろうが、出来ない人も思うことがあるのだ。
勉強や努力を怠る敗者が敗者なりの矜持を持って、足掻く姿は青春でした。勉強しろという強者の裏には敗者が存在するのだ。
見方を変えれば出来ない事を抱えつつ生きるのも大変なんだよな。
小野寺も弱みがあり、狭山が良い感じに中和したエピソードは印象に残るものでした。言い合いながらも2人はお似合いなんだけどなぁ。このエピソードが後々に繋がりがあって良かった。
仲里姉妹の出来の差はあるが、落ちこぼれ扱いだった妹の杏奈が前向きになれて良かった。
姉の芹奈は優秀の裏に潜んだ顔が見え始めて、今後どう絡んでくるのか楽しみ。
次巻は2年以内にお願いします。笑
新たなダメ人間は――ビリギャル?
「マジで留年あるよ、コレ」「は? ……え、ガチすか?」「いやガチで」
成績が悪すぎて職員室に呼びだされた狭山は、はやくも人生が詰みかけていることを知る。
そんなとき、特別生徒相談室に現れたのは、学歴コンプ持ちのビリギャル――仲里杏奈。
狭山とは、補習クラスの腐れ縁である。案の定、藤崎に目を付けられ、ふたりして留年回避プロジェクトに挑むのだが――?
勉強ができないやつは、落ちこぼれのダメ人間ですか?
クズ、無気力、電波、ビリギャル……はぐれ者たちが織りなす“痛”青春ラブコメ、まさかの第2弾!