羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

タスキメシ 箱根

タスキメシ 箱根 (小学館文庫 ぬ 1-5)

 

胸を熱くさせる駅伝小説でした。

選手を支える栄養士と現役の部員の視点を交互に織り交ぜて、箱根駅伝に出場して、目標を目指すのかを描いていて、どちらの立場を知っているからこそ、故障や襷などの事態には胸が苦しくなりました。

駅伝に出たことがない、大学はまずは目指す意味というものを見つけ出さないとモチベーションを高めるのが難しいのは納得しました。

そして、今作では食事を大切にすることを説いていて、アスリートならば口にするものが何の意味があるのか知っておく必要がある。

意識が変われば自ずと行動も変わる。

しっかりと成長していく選手の様子が見事でした。

 

終盤の箱根駅伝本番は感情がぐちゃぐちゃになりました。悔しさ爽快さ、無念、様々な想いが入り乱れていて、泣きそうになりました。

今作を通して、箱根駅伝を目指す意味を教えられました。

 

 

あの眞家早馬が「駅伝」の世界に戻ってきた!
大学卒業後、管理栄養士として病院で働いていた早馬は、紫峰大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理として、部員たちと箱根駅伝初出場を目指すことになる。高校時代、大学時代も陸上の名門校で長距離走選手として期待されたものの、怪我から思うような成績を残せなかった早馬。その背景にあった、嫉妬、諦め、苦い思い――。数々の挫折を経験した者として部員たちに寄り添い、食の大切さ、目標達成の楽しさを伝えようと奮闘する早馬。そんな彼のことをキャプテンの4年生、仙波千早は最初は受け入れられずにいたが……。
一度も箱根駅伝に出場できない弱小チーム。でも、だからこそ、「箱根駅伝に出たい」「箱根を走らせてやりたい」。徐々にひとつになっていく千早たち部員の熱い願い、そして早馬が見つけた新たな夢は、果たして叶うのか――。
臨場感溢れる箱根駅伝本戦の描写とともに、丁寧に描かれるそれぞれの心情。エリートではない若者たちの夢、苦悩、様々な思いが、箱根路を駆け抜ける!
「エピローグ」は、今回の文庫化に合わせ、丸ごと新たに書き下ろしました。