羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

バスタブで暮らす

バスタブで暮らす (ガガガ文庫)

タイトルからして、惹かれましたが読んで良かった。そう思える物語でした。

はちゃめちゃ砕けたテンションで送られる家族物語だった。

個性的な家族のおかしくて愛おしい生活は、バスタブでしか眠れなくなっためだかにとって救いだっただろう。

だけど、そんな家族に変化が訪れることになる。

そこで見える大黒柱の母とバスタブという殻に籠った主人公の母娘の繋がりにはジーンとくるものがあった。偉大なる親の姿を見せられました。

めたがの中で巻き起こる葛藤や成長に胸が熱くなりました。

 

人生に対して冷めてしまったり、苦手な人を見なかったり、人の敏感な部分を考えて、どう生きていくのか。活力が貰える作品でした。

是非多くの人に読んでもらいたい!

 

個人的に友人の壊れ方好きでした笑

 

22歳女子、実家のバスタブで暮らし始める

「人間は、テンションが高すぎる」ーー

磯原めだかは、人とはちょっと違う感性を持つ女の子。
ちいさく生まれてちいさく育ち、欲望らしい欲望もほとんどない。物欲がない、食欲がない、恋愛に興味がない、将来は何者にもなりたくない。できれば二十歳で死にたい……。

オナラばかりする父、二度のがんを克服した母、いたずら好きでクリエイティブな兄、ゆかいな家族に支えられて、それなりに楽しく暮らしてきたけれど、就職のために実家を離れると、事件は起こった。上司のパワハラに耐えかね、心を病み、たった一ヶ月で実家にとんぼ返りしてしまったのだ。

逃げ込むように、こころ落ち着くバスタブのなかで暮らし始めることに。マットレスを敷き、ぬいぐるみを梱包材みたいに詰め、パソコンや小型冷蔵庫、電気ケトルを持ち込み……。さらには防音設備や冷暖房が完備され、バスルームが快適空間へと変貌を遂げていく。

けれど、磯原家もずっとそのままというわけにはいかなくて……。