羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

夏、君と運命の恋をするはずだった

夏、君と運命の恋をするはずだった (角川文庫)


夏にタイムリープはよく合うなぁ。

高校の時に運命的な恋をした夫婦、が出産間近に交通事故に巻き込まれて死ぬことに。

目を覚ましたら高校の時に戻っていて、離れ離れになった夫婦が運命的な再会を遂げるために四苦八苦する物語。


好きな相手の名前や存在を忘れたり、以前経験した日々とはがらりと変わっていることの数々で作者は鬼かと。しかも運命の相手ではなく別の人に妥協しそうになったときはヤキモキしました。絶望的な状況から、どうやって再会するのか気になるような展開でした。


疑問に思っていた出来事の謎が優しく糸を解いていくような伏線回収には暖かさや美しさを感じました。

そして、様々な壁を乗り越えて再会を果たす最後にはグッと拳を握りたくなりました。

素晴らしい愛でした。



(あらすじ)

高2の初夏、運命の出会いをした。教室の窓から飛ばした紙飛行機を、彼女がキャッチ。月日は流れ、俺たちは結ばれて、もうすぐ子供にも会える。幸せだった…不慮の事故で、高校時代に「タイムリープ」するまでは。戻ったのは、彼女と出会う10日前。同じくタイムリープしたらしい彼女を抱きしめた瞬間、世界は突如ひび割れる。繰り返されるタイムリープ、その度に薄れる彼女の記憶。苦しいほど切ない、やり直し青春ミステリ!