様々な失恋話を収めた短編集。
それぞれのお話で出てきた人物が間接的に関わっていたり直接出会ったりもしていて、なんでもありなカオスな展開ですがしっかり物語としてまとまっているから不思議だ。
しかもそれぞれの意思に反したところへ向かっていきながらっていうのが凄いですね。
どの話も笑いがありつつもちょっとしたミステリーやSFやラブコメだったり、様々な要素が絡み合っていて作者の遊び心を感じました。
1話1話の読み終えた後の余韻がそれぞれ違っていて、しかし前向きな落ちが共通しているのは良いです。
また、各話の登場人物達が妙に癖になる個性の数々で、話を読み終える時にはみんな好きになっていました。終盤に再登場してなんでもありな展開でも目が離せませんでした。
素晴らしい群像劇です。
個人的に4.5話のエピソードが好きでした。
肩の力を抜いて読めるのでぜひ気になる人は読んでほしいですね。
「あなたとはお付き合いできません―わたし、魔法使いだから」告白を断るため適当な嘘をついてしまった女子高生。しかし彼は、君のためなら魔法界を敵に回しても構わないと、永遠の愛を誓う。フリたい私とめげない彼。異常にモテて人間関係が破綻しそうな男子高生。盗癖のある女子に惹かれる男の子。恋と嘘は絡みあい、やがて町をのみ込む渦になる。ぐるぐる回る伏線だらけの恋物語!