羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

そして誰も死ななかった 文庫 

そして誰も死ななかった (角川文庫)

 

単行本時から気になっていたが、読んでいなかった。

文庫化で手に取りました。

自分はそして誰もいなくなったが好きで、モチーフにしている作品も気になって読むようにしてますが、今作はとびきりのサプライズがありました!

 

エログロ、不思議な伝聞、最初から嫌なことが起きるのが予感出来ます。予感が的中して、島に招待された推理作家達に悲劇が襲いかかる。

わりと酷いことが起きているのに、登場人物があっけらかんと受け入れているのがシュールで思わず笑ってしまいます。

軽快に惨劇を消化していき、その人物の裏側も見せるのでジェットコースターみたいです。

作者の特徴みたいですが、結構癖のある人物造形と物語になっているなと。

 

名作をモチーフにした作品の中でかなりトリッキーで大胆な仕掛けがあり、驚かされました。

タイトルの意味もなるほどなと唸ってしまうくらい揺さぶられるものがありました。

 

犯人の動機や結末は予想外過ぎましたが良いミステリーでした。

 

登場人物はこれからどう生きていくのか非常に気になります…

 

 

五人全員が死んだとき――本当の「事件」が始まる。

覆面作家・天城菖蒲から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。やがて作家たちは次々と奇怪を死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。特殊設定ミステリの真骨頂!