羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

二重らせんのスイッチ

二重らせんのスイッチ

 

冤罪ミステリーであり、家族小説でもある。計算された計画通りに進行していく不穏な雰囲気の中で育っていく、互いの信頼。どこに着地するのか分からず、最後まで気が抜けないスリルがありました。

冤罪をかけられても信じる人はいる。

ただ、報道を鵜呑みにする人達の声は暴力が孕んでいるのはなんとかならんかな。

 

冤罪を晴らした後に更なる試練が待っていて、ストレスがかかる展開だが、主人公と犯人の関係の行く末に気になるので耐えられる。

ミステリーとして、細かい伏線がミスリードに繋がっていて、種明かしの際は驚いた。

 

生まれや環境は選ぶなくても、大人になってからは生き方を選べる。そんなふうに感じました。

 

 

俺は犯人なのか――。
強盗殺人容疑で逮捕された、桐谷雅樹。
証拠は全て雅樹の犯行を示す!
最注目の著者が描く、"冤罪"ミステリー。

「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」
2015年2月、桐谷雅樹の“日常"は脆くも崩れた。渋谷区松濤の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言……。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのか――自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。