タイトルに惹かれて読みました。
まさか、交換殺人を企てる2人の交流に心温まるという不思議な読後感を得られるとは。交換殺人を成長に使う方法があるなんて、思いもしませんでした。
追い詰められ青年と女性が手紙の交換から始まり、互いの殺して欲しい相手について追っていくうちに、パワハラに苦しんだ青年と自分の感情を見失った女性が、影響を与え合う姿は良かったです。
ミステリーとしても、両者の騙し合いにはおっとなるものがありました。
掛け合いの中でわざと違和感を残していましたが、回収されてみたら納得です。
追い詰められていながらも他者を思える優しさを持った2人だからこそ、暖かい締めくくりになったんだろう。
これからの2人に光がありますようにと祈りたくなります。
どうせ死ぬなら殺してみませんか?
希望を喪った男の心を動かしたのは
殺人の依頼状だった──二転三転する“完全犯罪"計画の結末は!?
胸を打つサスペンスミステリー!パワハラのトラウマに苛まれる秀文は、
退職から半年が過ぎても社会復帰できずにいることに絶望を感じていた。
首を吊るために朽ち果てた神社の桜の木にのぼると、
白い封筒が大きな洞に差し込まれているのを見つける。
〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と書かれた手紙は交換殺人の依頼状だった。
手紙を置いたのは白いセーラー服と紺色のスカートを纏った少女だと判明するが……。
奇妙な往復書簡の先に待つ殺人計画の顚末は! ?