イヤミスの印象が強い作者だが、前向きに終わる作品もあるのかと、新しい発見でした。多少イヤミス要素はありましたが、全体的に見れば希望がある感じでした。
女性同士の関係を描く短編集。
どれも粒揃いで惹き込まれます。短編でありながら、物語としての強い引きとミステリーとしての反転がギュッと詰まっていました。伏線も確かにあるのが素晴らしい。
サクサク読めるし、登場人物が抱えている悩みがどうなっていくのか気になるので、どの短編も最後まで気になるものでした。
最後まで読むと、見えるものが変わるようで、晴れやかに。
また、短編の中で仄かな繋がりもあったのは良いなと。
嫉妬や思い込み、様々な人の感情を撫でていくような描写が巧みでした。
その友情、いつまで?
物語は予想を裏切り、鮮やかに反転する!
「女の友情」に隠された5つの秘密新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、
どうして私だけ結婚式に招かれないの……(「届かない招待状」)。
環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」
心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。
「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、
傑作ミステリ短篇集全五篇。