羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

卒業生には向かない真実

卒業生には向かない真実 自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)

のめり込むように読んでました。

自由研究には向かない殺人から始まる三部作の締めくくりである今作はかなりダークなミステリに発展していて、最後の最後までハラハラドキドキしました。凄いものを読んだと感じました。

前作から不穏な気配はありましたが、こんな結末を迎えるとは自由研究には〜を読んだ時からは想像出来るものではなかった。まさか、ピップが…と驚きました。

ただ、張り巡らされた伏線が表面化してきて、正義に対する捉え方が変わったピップを思うと分からなくはないかな。

ミステリとして素晴らしいが、ピップの心理描写が巧みで、どんな結末になろうとも受け入れるしかないところまでいっていました。

 

ホリー・ジャクソン先生のピップに託した覚悟は重たいものでしたが、現実でもあるものだと知るとなんとも言えない。

 

大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道にはチョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップのストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ているのはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない殺人』三部作の完結編!