羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

物理的に孤立している俺の高校生活4

物理的に孤立している俺の高校生活4 (ガガガ文庫)


前巻で文化祭で友人は出来た。しかし、他クラス。来たるべく修学旅行で孤立しかねんとクラスの中で男友達を作ろうと波久礼は奮闘?する。それと新キャラの後輩が現れる。


毎巻テーマを持って、活動している人件は何気に偉いのでは?それはともかく、新キャラの朝熊が女子校育ちということで男に関心を向けられると緊張してしまう。緊張すると透明になるという異能を持っている。

緊張は誰しもが大小感じると思う。自分もかなりの緊張しいだから今回の話は響いたぜ…

朝熊こと、アーサーは人件に相談し、様々な特訓を得て、最後にはナイス笑顔になったのでホッとしました。

波久礼の友達作りはさりげに解決出来て、無事に修学旅行を迎えられそう。


最後に愛河がラブコメ波を放って終わったので、ますます楽しみなシリーズになってきました。

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)


以前から気になっていたが、長らく手を出さずいたが、遂に読みました。

黒髪ショートの女性のヒロインということで、落ち着いてるのかと思いきや、意外にも饒舌で、謎を解決するために動くので、ギャップがあり良いヒロインではないか。

バリスタヒロイン・切間美星と珈琲店を通うのが好きな主人公・アオヤマが出会うところから始まる。日常の生活で起きる謎を解決していくもので、良い具合に意表をつく解決の仕方だったり、人間の暗い部分が描かれていて、飽きることなく読めました。


会話や事件の引きの苦さが癖になる面白さで、これはシリーズ全部集めたいと思いました。


気になる方は是非読んでみて下さい。

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話 (宝島社文庫)


短編集。アニメに合わせるために書き下ろしたのかなーと邪推してみたり。

本編とは違い、軽く読めるが、その分物足りなさが残りました。ただ、普段の日常の生活を書いていてくれて、よりキャラクターが頭に入ってきたように思います。時期はバラバラですが、良かったです。


印象に残ったのは、秀一が滝先生と自動販売機の前で交わした会話と麗奈の小さい頃にズルイと言われ気にしてたとこですかね。心情がよく伝わってくる場面で頭に残りました。


全体的に良い短編だったと思います。

ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド

ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド (電撃文庫)


今回は凪が炎の魔女と言われる所以である、出来事が起きる。

1巻から思っていた、凪がどうして魅力的なキャラなのか。凪は強い。身体的にも、精神的にも。何度壁にぶつかろうがめげない心と情熱があるから、凪には惹きつけられるんだ。失敗から逃げずに不変な強さをもつ凪には憧れますね。


そして、新キャラの朱巳は嘘をつく。自分の心さえ騙しきる彼女のあり方はなんか良いなと思いました。言葉巧みに統和機構も騙してるのは凄いです。これからも出てきてほしいです。


ブギーポップはまたしても美味しいところを持っていきましたのさ。

マージナル⑥

マージナル6 (ガガガ文庫)


シリーズ最終巻。

前巻、殺人を犯してしまった音羽と小夜歌に京也の魔の手が迫る。

正直、京也に殺人を咎められても…と思うのは内緒。ただ、御笠の心を苦しめるものを排除するというのは、京也の心変わりを示していた。

せっかく復讐を果たしても音羽と小夜歌は苦しめられれんだから、人を殺すというのはどれだけ心に負担がかかるっていうのが分かりました。目が曇ってるうちは殺人を目標に動けるけど、いざ殺したら、その先のことは考えられないよ。


音羽と小夜歌が疑心暗鬼になり、落ちていくのは悲しかった。殺人しても救われなかったね…


そして、音羽が想いを詰めたタイムカプセルの中身には心を撃ち抜かれました。


音羽と小夜歌には幸せになって欲しかった。


まだまだ続きが読みたいと思うシリーズ最終巻でした。


雨の降る日は学校に行かない

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)


自分が相沢沙呼先生の作品にハマったきっかけの作品です。久しぶりに読み返しましたが、改めて名作だと思いました。


女子中学生達の悩みや苦しみが詰まった短編集で、1話1話の密度が凄いです。どの話も鬱になりそうな状況ながら、最後は救いに近づくのが素敵です。全話圧倒的に苦しみが多いです。だからこそ、彼女達の足掻き、行動に胸を打たれます。

学校に行けない。ではなく、学校に行かない。これが大事。別に全員が同じではなくて良いんだから、自分の個性だと思って、世の中の理不尽と戦えばいいんだと思う。大切なことを教えてくれる作品です。



中高生や学生時代に悩みを抱えてた人に読んでもらいたい作品です。

千歳くんはラムネ瓶のなか

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)


ガガガ文庫に新たな風を巻き起こすか。

青春ラブコメの新しい道を切り開く今作。


リア充グループのリーダー、そして主人公・千歳朔が担任の任務で引きこもりの健太を引き上げて、輝かせる。

リア充側ラブコメという珍しい作品で、どちらかと言えば陰寄りの自分には中盤までの朔には嫌気をさしていたが、朔の人となりが分かる中盤から一転して、物語が熱く感じるようになりました。朔のリア充観は好き嫌い分かれそうですが、ハマれば癖になりそうです。

リア充も大変なんだなぁ、陰キャラとは別の悩みが出てきてて話が偏らなかったのは素晴らしかったです。


1巻なので、まだまだエンジンがかかる前だと思うので、次巻以降が楽しみです。


朔の過去やヒロイン勢の掘り下げが浅かったので、シリーズ化すれば、ガガガ文庫の青春ラブコメの名作群の中に入るのではないだろうか。


青春ラブコメ好きは買って読んでもらいたい作品です!