羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

光のとこにいてね

光のとこにいてね

 

ずっしりと心に響く物語でした。

少女と少女、家庭に振り回される少女2人が心を寄せ合い、離れて、また出会い、離れる。ままならない人生を描いていて、最後に掴んだ光には切なさと暖かさがありました。

恵まれない境遇のなか、巡り会えた奇跡。

互いに互いを思っているからこそ、距離が生まれてしまったり、気持ちが揺れてしまう。綱渡りな関係性がどうなるのか気になって仕方がなかったです。

周りの人達も悩みを抱えていて、少女2人の影響を受けて変わっていく様子は安心しました。

生きづらさを感じていても、いつかは立ち上がれる希望と悪い人はいつまでも悪いというシビアな現実が同居していました。

 

 

また、タイトルが良い。いてねで終わっていることで言った人は光のあるところにいないというのを示していて、それでも願う優しさが感じられます。

 

 

『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作


たった1人の、運命に出会った


古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。


運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語

ひぐらしのなく頃に 巡 (2)

ひぐらしのなく頃に 巡 (2) (角川コミックス・エース)

 

沙都子がエウアとルールの確認をしていくあたりはアニメで見られなかったので、順序立てて進行しているのが非常に分かりやすい。

沙都子と梨花、互いの考えを吹き出しで明かしていくことで、沙都子がこうやって出し抜いていたのかと知ることが出来て良かったです。

 

レナとリサの問題でも時系列が整理されているので、悲劇に至ってしまったのが非常に悔やまれる。

沙都子がH173を手に入れる方法が中々ダイナミックで、そして、レナに躊躇なく打ち込めるのは悲しかったなぁ…

鷹野と富竹が失踪した理由に関してはなるほどなと。

 

1巻の時から思っていたが、アニメとは違う細かな補足があるのが嬉しい。

これは結末まで読むしかない。

 

 

「郷壊し編」完結。そして竜宮レナの絶望と頑張りの物語が幕を開ける――。

再び、昭和58年の夏が繰り返されることとなった――。決定づけられた惨劇は、演出された凶刃は、“この”ようにして作られた。漫画家・赤瀬とまとが再構築し、完全新規の最終編へと続く別解、第2巻。

アオのハコ 7

アオのハコ 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

雛の猛アタックが止まらん!

大喜が徐々に意識しているのを見ると、効いてるな〜と思いつつも、いつまで大喜は受け身でいるのか気になるところ。

本命の千夏は揺るがないだけに、雛をどう動かすかというところだが、ここ数巻パターン化してきてしまったのが気になる。

崩すなら、千夏が動かないと駄目なのかな。

雛は大喜へ突っ走っているが、千夏は俯瞰しながらゆっくり近づいていて、スタンスが違う。

今回の終わりを見ると、やはり千夏しか勝たんのかなぁ。

 

恋愛要素がありつつも大喜は因縁の遊佐と再戦することに。負けた悔しさ、焦りで空回りしながらも、見事にやり返すのはスカッとした。

遊佐も大喜を意識し始めていて、2人のライバル関係が生まれていて、良いですね。

 

大喜と遊佐の試合から目を逸らしそうになる雛としっかり受け止める千夏の違いが明確なのは、残酷だ。

 

佐知川高校との練習試合が決まり、自らを見つめ直す大喜。脳裏には惜敗した県予選の記憶と、IHに行けなかった不甲斐なさ…。過去の自分を超えるため、因縁である遊佐との再戦に挑む!! 立ちはだかる壁。歩みは止めず、その先へ。

2022年15本目映画窓辺にて

今泉監督ということで観に行きましたが、素晴らしい映画でした。

妻に浮気されたがショックを受けないことにショックを受けた夫が様々な人に好きとは何か、自分の気持ちがどうなっているのか探しに行く。まるで旅のようでした。

様々な浮気の形を見せられましたが、弱い人程浮気するのだなと。不安や迷いがあるからこそ、浮気してしまう。

素直に嘘をつかずに生きる主人公が関わっていくからこそ、変化していて、良いなと。

 

最終的には丸く収まったようで何より。

 

印象的な台詞が多々あり、考えさせられる作品でした。

考える、悩む時間、贅沢、無駄なもの、人生で大切なものが詰まっていました。

主演の稲垣さんや他の俳優さんのお芝居も素晴らしかったです。

 

 

タスキメシ 箱根

タスキメシ 箱根 (小学館文庫 ぬ 1-5)

 

胸を熱くさせる駅伝小説でした。

選手を支える栄養士と現役の部員の視点を交互に織り交ぜて、箱根駅伝に出場して、目標を目指すのかを描いていて、どちらの立場を知っているからこそ、故障や襷などの事態には胸が苦しくなりました。

駅伝に出たことがない、大学はまずは目指す意味というものを見つけ出さないとモチベーションを高めるのが難しいのは納得しました。

そして、今作では食事を大切にすることを説いていて、アスリートならば口にするものが何の意味があるのか知っておく必要がある。

意識が変われば自ずと行動も変わる。

しっかりと成長していく選手の様子が見事でした。

 

終盤の箱根駅伝本番は感情がぐちゃぐちゃになりました。悔しさ爽快さ、無念、様々な想いが入り乱れていて、泣きそうになりました。

今作を通して、箱根駅伝を目指す意味を教えられました。

 

 

あの眞家早馬が「駅伝」の世界に戻ってきた!
大学卒業後、管理栄養士として病院で働いていた早馬は、紫峰大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理として、部員たちと箱根駅伝初出場を目指すことになる。高校時代、大学時代も陸上の名門校で長距離走選手として期待されたものの、怪我から思うような成績を残せなかった早馬。その背景にあった、嫉妬、諦め、苦い思い――。数々の挫折を経験した者として部員たちに寄り添い、食の大切さ、目標達成の楽しさを伝えようと奮闘する早馬。そんな彼のことをキャプテンの4年生、仙波千早は最初は受け入れられずにいたが……。
一度も箱根駅伝に出場できない弱小チーム。でも、だからこそ、「箱根駅伝に出たい」「箱根を走らせてやりたい」。徐々にひとつになっていく千早たち部員の熱い願い、そして早馬が見つけた新たな夢は、果たして叶うのか――。
臨場感溢れる箱根駅伝本戦の描写とともに、丁寧に描かれるそれぞれの心情。エリートではない若者たちの夢、苦悩、様々な思いが、箱根路を駆け抜ける!
「エピローグ」は、今回の文庫化に合わせ、丸ごと新たに書き下ろしました。

栞と嘘の季節

栞と嘘の季節 (集英社文芸単行本)

 

待ってました!続編が出てくれて嬉しいです。

また、堀川と松倉に出会えて嬉しい限りです。前作の本と鍵の季節が絶妙にまとまっていたし、2人の関係もひと段落していたので、シリーズ化は難しいのかなと思っていたので、シリーズ化していきそうで良かった

前巻で深い部分まで知ってしまい、遠慮がある関係になったら嫌だなと思っていましたが、より砕けた関係になっていて安定しました。2人の会話の流れがシュールだが、推理は冴えている。

油断している時に放つ核心をつく台詞にはハッとさせられます。

 

今作は長編で、本の栞として毒が挟まれていることから発展していき、結末までたどり着くのが油断出来ない状況で、最後まで惹かれました。

ただ、真犯人の扱いや栞の後始末に関しては、もう少し踏み込んで欲しかったが、そこら辺は次巻で見えるのかな。

最初は探りを入れただけだったのに、想像以上に事態が重たくなっていく流れが上手い。

瀬野という人物や、東谷、植田など、チョイ役かと思っていたら… なるほどなと。

物語に入っていたのは驚きました。

前巻でちょろっと出た評判の悪い先生が痛い目に合うのはまさかでした。

 

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!
直木賞受賞第一作

猛毒の栞をめぐる、幾重もの噓。

高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と噓をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

雑記 3年振りの東山奈央さんのライブ

久しぶりに東山奈央さんのツアーライブが開催されて、パシフィコ横浜で行われるということで参加してきました。

 

東山さんの持ち曲が増えて、レパートリーが増えたなと感じました。

可愛いらしい曲から、暗い雰囲気、そしてかっこいい曲と、曲が切り替わるたびに変わるのが分かりやすいです。

さらにダンスも抜群に上手くて見応えがあります。

ステージの仕掛けも使い、様々な工夫を凝らした演出があり、考えてるステージだなと思いました。

 

MCも非常に良く、ますます応援したくなります。

 

元気になるライブでした。

今後の東山奈央さんの活躍を楽しみにしてます。