羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

定価のない本

定価のない本 (創元推理文庫)

 

タイトルから気になって読みましたが、ミステリとしても、戦後の日本が見えたり、本に関わる人達の苦境があったりと様々な要素が詰まっているので、最初から最後まで気が抜けない。しかし、読み終わった後は非常に胸が熱くなりました。

タイトルの定価がないというのが効いてくる展開でした。

 

導入が衝撃的。

本に埋もれて死んだ男の謎を追っていくうちに様々な困難に直面して、生活の危機に落ち入りながらもなんとか立て直していくのは良かったです。

本の価値や文化を踏みにじられれのは胸が痛くなりますが、しっかり文化でお返ししていたのは痛快でした!

ミステリとしての、謎の死を遂げた人の真相はなんとも悲しい気持ちになりました。

この時代ならではの背景があるから、仕方ないかもしれないが、なんとも言えません。

 

最後は古典、様々な書籍の文化の強さというものを実感する締めくくりだったのは力強いメッセージだったので、良かったです。

 

神田神保町――江戸時代に旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年を経て復興を遂げつつあった。その街の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰され、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが――直木賞作家である著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。

2022年10月読んだ本とおすすめ作品 

新作、新刊共に豊作でした。

新作で特におすすめ作品は

あなたへの挑戦状

君といた日の続き

六畳間ミステリーアパート

金環日蝕

です。

新刊では

凜として弓を引く 青雲篇

死にがいを求めて生きているの

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8

さよならの言い方なんて知らない。7

です。

 

 

・おすすめの新作

あなたへの挑戦状https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/01/210000

サスペンス作家が人をうまく殺すにはhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/03/210000

99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/07/210000

Jミステリー2022 FALLhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/18/210000

君といた日の続きhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/20/210000

六畳間ミステリーアパートhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/30/210000

金環日蝕https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/31/210000

 

・おすすめの新刊

凜として弓を引く 青雲篇https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/15/210000

悲鳴伝https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/21/210000

負けヒロインが多すぎる! (4)https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/19/210000

オールドタイムズhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/28/210000

死にがいを求めて生きているのhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/25/210000

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/26/210000_1

さよならの言い方なんて知らない。7https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/29/210000

 

・おすすめの既刊

沈黙のパレードhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/16/120000

 

 

 

 

10月の読書メーター
読んだ本の数:36
読んだページ数:12766
ナイス数:859

金環日蝕金環日蝕感想
傑作でした。犯罪は様々起きているが、犯罪と犯罪者にどう向き合っていけば良いのか悩む2組のペアを描いている。調査する正義の方と落ちていきながらも犯罪に染まっていきそうな方、どちらの視点があるからこそ、至る結論に説得力が生まれていました。1冊読んだら、ずっしりと胸にのしかかる、重さがありました。それは悪いことではなく、良い読後感でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/31/210000
読了日:10月31日 著者:阿部 暁子
六畳間ミステリーアパート (新潮文庫nex)六畳間ミステリーアパート (新潮文庫nex)感想
癖のある管理人と真面目に悩む田中さんがアパートに住む人、それぞれの悩みに向き合っていく。どの話も変化していく住民の様子が晴れやかで、読んでいて胸に訴えてくるものがありました。ミステリ要素が少しあるくらいなのがまた良い。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/30/210000
読了日:10月30日 著者:河端 ジュン一
さよならの言い方なんて知らない。7さよならの言い方なんて知らない。7感想
最近はバトルが続いていたので、心理戦が多めで嬉しかったです。香屋とトーマが探り合いながら、遠距離であの手この手で出し抜こうとしているのが非常に良い。秋穂の掘り下げも少しあり、彼女のスタンスはなるほどなと。架見崎の街が繰り返す原因となった出来事が明かされて、終わりに向かってるなと実感します。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/29/210000
読了日:10月29日 著者:河野 裕
新装版 タイム・リープ〈下〉 あしたはきのう (メディアワークス文庫)新装版 タイム・リープ〈下〉 あしたはきのう (メディアワークス文庫)感想
下巻。こう繋がるのか!とパズルのように仕組まれたタイムリープの進行に驚いた。構成に唸りました。ただ、犯人の動機等は勿体ないと思いました。
読了日:10月28日 著者:高畑 京一郎
新装版 タイム・リープ〈上〉 あしたはきのう (メディアワークス文庫)新装版 タイム・リープ〈上〉 あしたはきのう (メディアワークス文庫)感想
上巻。一体、どんな結末を迎えるのか気になるタイムリープモノ。
読了日:10月28日 著者:高畑 京一郎
ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子 (MF文庫J)ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子 (MF文庫J)感想
途中でギブアップ。
読了日:10月27日 著者:鬼影スパナ
優莉凛香 高校事変 劃篇 (角川文庫)優莉凛香 高校事変 劃篇 (角川文庫)感想
本編が好きだから読んだが、結衣と比べてしまって、あまり好みではなかったです。
読了日:10月27日 著者:松岡 圭祐
紙魚の手帖Vol.07紙魚の手帖Vol.07感想
ミステリーズ新人賞作品はトリックや動機よりも伝えたいメッセージが詰まっているのに好感が持てました。加納朋子先生の犬と少年の物語は魅力的でした。櫻田先生のシリーズは安定感抜群でした。
読了日:10月27日 著者:芦辺 拓,加納 朋子,櫻田 智也ほか
ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8 (MF文庫J)ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8 (MF文庫J)感想
.5みたいな息抜き感がある修学旅行回でした。結構閉鎖的な環境なはずだけど、修学旅行行くんだな。また、特別な試験はなく、クラスが違う人と行動を共にするだけだから、気軽に読めました。しかし、龍園の坂柳への策や坂柳の龍園への対処、一之瀬クラスの諦め、など続きが気になる要素があります。1番は櫛田の変化かな。意外とちょろい笑 ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/26/210000_1
読了日:10月26日 著者:衣笠彰梧
恋と呪いとセカイを滅ぼす怪獣の話 (MF文庫J)恋と呪いとセカイを滅ぼす怪獣の話 (MF文庫J)感想
さがら総先生の群像劇は素晴らしい。様々な悩みも、見る角度を変えたら違う見聞になる。コメディタッチだが、読み進めていくうちに変わっていく作風が良い。
読了日:10月26日 著者:さがら総
シーソーモンスター (中公文庫, い117-2)シーソーモンスター (中公文庫, い117-2)感想
昭和の時代での対立を描かれており、妻と姑のギスギスした関係がたまらなくリアル笑 しかし、その裏に潜んでいた事実に驚きつつも、ほっこりする終わりで良かったです。
読了日:10月25日 著者:伊坂 幸太郎
死にがいを求めて生きているの (中公文庫, あ92-2)死にがいを求めて生きているの (中公文庫, あ92-2)感想
胸が苦しい。息が詰まるくらい切実に。周りのように上手く生きられない、何かと対立しないと自我が保てない、平成の時代が生み出した見えない対立構造が描かれている。ゆとり教育、時代の流れによって変わらざるを得ない世の流れについていけない男と、その周りの人が悩み、生きてる姿に感じ入るものがありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/25/210000
読了日:10月24日 著者:朝井 リョウ
オールドタイムズ (講談社文庫)オールドタイムズ (講談社文庫)感想
新しく立ち上げたウェブニュースサイトのオールドタイムズを舞台に、数々のニュースの裏側を暴いていく。様々なニュースを追っていくうちに見えてくる真相は報じられていない、人の裏側を覗くことになっていて、惹き込まれました。現実でもそうなのではと思わされる小説でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/28/210000
読了日:10月22日 著者:本城 雅人
小麦の法廷 (講談社文庫)小麦の法廷 (講談社文庫)感想
明らかに有罪になりそうな事件を無罪にしないといけないという無理難題な壁がありつつも、主人公がめげそうになりながらも我武者羅に調査をして、苦境をひっくり返る返す姿は素晴らしかったです。
読了日:10月20日 著者:木内 一裕
君といた日の続き君といた日の続き感想
心が洗われて、下を向いたままではいられなくなります。最愛の娘が亡くなり、妻とは離婚。絶望していた主人公がある日、過去から飛んできた小さな少女と出会う。少女の秘密、目的はミステリで隠されていました。彼女と過ごす日々は大切な感情を呼び起こすもので、非常に魅力的でした。主人公が喪失から再起していく物語としても完成されていました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/20/210000
読了日:10月20日 著者:辻堂 ゆめ
負けヒロインが多すぎる! (4) (ガガガ文庫 ガあ 16-4)負けヒロインが多すぎる! (4) (ガガガ文庫 ガあ 16-4)感想
BL雑誌が生徒会に取り上げられるという馬鹿げたきっかけから、仲が拗れた2人の先輩の仲を取り持つことになった温水。なんだかんだで、解決するが、温水の女たらしが加速しているような…? ゆったり、進んでいながらもコミカルな青春模様が見られて、良い。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/19/210000
読了日:10月19日 著者:雨森 たきび
悲鳴伝 (講談社文庫)悲鳴伝 (講談社文庫)感想
様々なジャンルがごった混ぜになっていて、読むのが怖いようで先が気になる癖がありました。主人公が感情があまり揺らがない性格だけど、流れに乗っていくうちに、様々な人と出会い、微かだけど変わっているのかなと思います。厚い作品ですけど、最後まで楽しめました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/21/210000
読了日:10月18日 著者:西尾 維新
アストレア・レコード1 邪悪胎動 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚 (GA文庫)アストレア・レコード1 邪悪胎動 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚 (GA文庫)感想
ダンまち前日譚。ゲームをやってないので、書籍化されて嬉しいです。前半はアストレア・ファミリアの正義を描き、後半で絶対悪がオラリオを蹂躙していく。文字通り、桁違いの登場人物が登場してきて、パワーバランスがおかしくなる。次巻でオラリオはどう立て直すのか、正義失墜という悲しいタイトルとどう結びつくのか気になります。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/17/210000
読了日:10月17日 著者:大森藤ノ
潮首岬に郭公の鳴く (光文社文庫 ひ 21-2)潮首岬に郭公の鳴く (光文社文庫 ひ 21-2)感想
美人3姉妹が次々と見立て殺人の様に殺されていく。1人、また1人と増えていく犠牲に、なぜこんなことが起こるのか想像していくのが醍醐味か。犯人の動機には少しガッカリしましたが、最後まで気になる事件でした。
読了日:10月16日 著者:平石貴樹
この季節が嘘だとしても (講談社文庫)この季節が嘘だとしても (講談社文庫)感想
復讐を果たす為に近づいていくが、本当に復讐相手なのか気持ちが揺らぐ心中が作品の肝になっている。ただ、復讐心を募らせる過程の詰めが甘いように思えるし、締めくくりも緩いなと思いました。
読了日:10月15日 著者:富良野 馨
凜として弓を引く 青雲篇 (講談社文庫)凜として弓を引く 青雲篇 (講談社文庫)感想
1巻読んで、シリーズ化を願っていたので、そうなりそうで嬉しいです。青春、成長、部活、大人組の悔恨、様々な要素がギュッと詰まっていて、魅力的でした。主人公の楓が部長となり部員同士の関係性や自分の弓に自信が持てず、モヤモヤしていたものが晴れる終盤は見事でした。続巻も楽しみにしてます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/15/210000
読了日:10月14日 著者:碧野 圭
Jミステリー2022 FALL (光文社文庫 こ 1-26)Jミステリー2022 FALL (光文社文庫 こ 1-26)感想
好きな作家ばかりが参加したアンソロジーなので、楽しみにしてました。個人的に好きだったのは、東野先生、新川先生、似鳥先生、太田先生の作品で。読み終えた後の満足度が高かったです。全体的にミステリ風味でありながら、青春、人情、感情を優先していて、良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/18/210000
読了日:10月13日 著者:東野圭吾,新川帆立,大山誠一郎,似鳥鶏,斜線堂有紀,太田愛
沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)感想
映画観てから読んだので、結末を知っていたが、悪質な犯罪者に苦しめられた人達の必死な願いは簡単には切り捨てられるものではないなと。映画と比べると場面転換が急でまとまりが悪いかなと思いましたが、様々な登場人物の掘り下げがされているので読めて良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/16/120000
読了日:10月13日 著者:東野 圭吾
還りの会で言ってやる (メディアワークス文庫)還りの会で言ってやる (メディアワークス文庫)感想
いじめを行う相手にどう対処するのか気になって読み進めたが、そっちに向かうかぁ〜と残念。
読了日:10月11日 著者:八重野 統摩
アオハルデビル (電撃文庫)アオハルデビル (電撃文庫)感想
青春と異能の組み合わせは良いものだ。しかし、主人公の掘り下げが足りなくて、ヒロインの悩みで1冊使うのはちょっと物足りないかな。
読了日:10月10日 著者:池田 明季哉
余命半年と宣告されたので、死ぬ気で『光魔法』を覚えて呪いを解こうと思います。 ~呪われ王子のやり治し~ (DRE NOVELS)余命半年と宣告されたので、死ぬ気で『光魔法』を覚えて呪いを解こうと思います。 ~呪われ王子のやり治し~ (DRE NOVELS)感想
表紙とあらすじで気になり、読みました。全体的に優しさに満ちた作品となっていて、晴れやかな気持ちになります。主人公が生まれた時から呪いにかかっていて、余命宣告を受けていて、弱気にもなるが運命に抗おうと魔術の特訓をして、見事にこれからの人生を切り開くことになって安心しました。これからが本番なので、続きが楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/12/210000
読了日:10月09日 著者:熊乃げん骨
下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵 (実業之日本社文庫)下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵 (実業之日本社文庫)感想
謎のシチュエーションが良いが、あっさり解けて、犯人の動機がいまいち納得いかない。バンドモノで強烈なミステリを読んだ後なので、仕方ないかな。
読了日:10月08日 著者:岡崎 琢磨
サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿 (カドカワBOOKS)サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿 (カドカワBOOKS)感想
モニカ達のドタバタした様々な日常を描いた短編集。本編がシリアスが続いていたので、今作でゆったりと気分転換出来るのが嬉しいです。何より、初期の雰囲気が感じられて、懐かしさがありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/13/210000
読了日:10月08日 著者:依空 まつり
99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~ (DRE NOVELS)99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~ (DRE NOVELS)感想
安心の裕時悠示先生。令嬢モノで死に戻り設定を上手く扱って、ユーモアがありつつも締めるところは締めている。主人公のアルフィーナが無鉄砲な部分はありつつも自分を貫く生き方をしていたからこそ、周りの男達を惹きつけるのも納得。悪役である、聖女を上手く扱っていて、盛り上がって円満に終われていた。続きが出るならば読みたいな。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/07/210000
読了日:10月07日 著者:裕時悠示
節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本感想
お金の勉強のために読みました。
読了日:10月06日 著者: 
陰キャだった俺の青春リベンジ3 天使すぎるあの娘と歩むReライフ (角川スニーカー文庫)陰キャだった俺の青春リベンジ3 天使すぎるあの娘と歩むReライフ (角川スニーカー文庫)感想
今回は全体的に和やかな様子でした。ピンチと言えば、新浜が運動が苦手で球技大会で足を引っ張らないように、春華にみっともない姿を見せないように特訓したことかな。苦手意識を振り払い、思い込みを解いてみたら、認識していた部分が変わることを実感していたのは良かったですね。春華が新浜家と対面し、いよいよ外堀りが埋まってきたので、続きが読みたいですね。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/24/120000
読了日:10月05日 著者:慶野 由志
親友歴五年、今さら君に惚れたなんて言えない。 (角川スニーカー文庫)親友歴五年、今さら君に惚れたなんて言えない。 (角川スニーカー文庫)感想
両想いの男女が親友でいる時間が長いため、中々踏み込めない2人の葛藤が良かったです。軽快な会話劇やフランクな関係性が良くて、一気読みしやすい。また、2人の間にある後悔が尾を引いてくる展開でしたが、互いにぶつかり合えた結末は安心しました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/22/210000
読了日:10月05日 著者:三上 こた
滑らかな虹 下 (創元文芸文庫)滑らかな虹 下 (創元文芸文庫)感想
下巻。あんまり響くものがなかった。なんのためにニンテイを行ったのか、学校側の態度が弱い。悪意が蔓延るのは目に見えてるはずなのに、そのままはちょっと。
読了日:10月04日 著者:十市 社
滑らかな虹 上 (創元文芸文庫)滑らかな虹 上 (創元文芸文庫)感想
上巻だが、掴みが弱い。学校で行うニンテイが上手くいかないだろうことが見え見え。
読了日:10月04日 著者:十市 社
サスペンス作家が人をうまく殺すには (創元推理文庫)サスペンス作家が人をうまく殺すには (創元推理文庫)感想
主人公・フィンレイが物騒な殺人事件に巻き込まれていくのが非常に軽快で、思わず笑ってしまいます。自分の意思とは反対に、あれよあれよと事件の裏側まで自ら首を突っ込んでいく様子は惹きつけられました。先が読めないサスペンスミステリとしても読み応えがありました。続きの翻訳を待ちます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/03/210000
読了日:10月03日 著者:エル・コシマノ
あなたへの挑戦状あなたへの挑戦状感想
競作とはどういう意味かも知らずに、阿津川先生と斜線堂先生が書いているというだけで条件反射で読みましたが、問題なかった。むしろ知らないからこそ、256Pまで読み、袋綴じの挑戦状を読むことで、見事に衝撃を喰らうことが出来ました。作者が好きな人は必読です。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/10/01/210000
読了日:10月01日 著者:阿津川 辰海,斜線堂 有紀

読書メーター

ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- (3)

ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶-(3) (少年サンデーコミックス)

 

今回はしんみりする話、ほっこりする話、登場人物の掘り下げ、獣医師の信念。

各エピソードがそれぞれ雰囲気が違うから、読んでいて、作品の幅が広がっているようで良かったです。

最初のエピソードの、シカの死体から浮かび上がってくる人間の業には胸が痛みました。実際に起こっていると思うとさらに残念な気持ちに。動物に寄り添う当麻の優しさが光りました。

当麻の家に住むキュウちゃんのほっこりエピソードは気持ちが切り替えられました。

 

他にも、動物の親子関係、動物の病気に関しても追求していて、動物に対しての理解が得られるうえに心揺さぶられます。

 

次巻以降も楽しみです。

 

 

動物たちの感情を紡ぐ法獣医学ミステリー!

 

法獣医学を知り、獣医師になることを

決意した高校生 当麻健匠は、

動物と人の関わる事件に遭遇し、

真実を究明すべく奮闘していく。

今巻で描かれるのは――

エゾシカシマリスアニサキス

キタキツネ、イヌ。


未だ成長途中の少年が、考え、足掻き、

動物たちの魂をすくう法獣医学ミステリー!

2022年11月23日〜11月31日に読んだ作品とおすすめ作品

結構冊数読めた上に、面白い作品が多くて満腹です。

朝井リョウ先生の死にがいを求めて生きているの、東京創元社から出た金環日蝕は心削られながらも、読み応えがありました。

よう実、ワンダンス、ラストカルテ、さよならの言い方なんて知らない。のシリーズは安定しているうえにおっと!させられる場面があり、満足です。

六畳間ミステリーアパートは心温まりつつ、変化していく登場人物が魅力的でした。

 

・おすすめ作品

死にがいを求めて生きているの

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8

ワンダンス9

ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- (3

さよならの言い方なんて知らない。7

六畳間ミステリーアパート

金環日蝕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・読んだ作品 小説、漫画、雑誌

死にがいを求めて生きているの

シーソーモンスター

恋と呪いとセカイを滅ぼす怪獣の話

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8

ワンダンス9

負けヒロインが多すぎる!@comic(1)

推しが武道館いってくれたら死ぬ(9)

ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- (3)

黒猫ろんと暮らしたら

紙魚の手帖Vol.07

優莉凛香 高校事変 劃篇

ハリボテ魔導士と強くて可愛すぎる弟子

新装版 タイム・リープ〈上〉 あしたはきのう

新装版 タイム・リープ〈下〉 あしたはきのう

さよならの言い方なんて知らない。7

六畳間ミステリーアパート

金環日蝕

 

 

 

金環日蝕

金環日蝕

 

傑作でした。

犯罪は様々起きているが、犯罪と犯罪者にどう向き合っていけば良いのか悩む2組のペアを描いている。調査する正義の方と落ちていきながらも犯罪に染まっていきそうな方、どちらの視点があるからこそ、至る結論に説得力が生まれていました。

人の生活には犯罪が隣にある。

それを強く思う、メッセージ性がある作品でした。

生まれ育ちやトラウマから、犯罪に巻き込まれて、そこから抜け出すことが難しい人もいる。

それを知る必要がある。

登場人物が悩み苦しみながらも生きる姿に惹かれました。

 

1冊読んだら、ずっしりと胸にのしかかる、重さがありました。それは悪いことではなく、良い読後感でした。

読んでいて、考えさせられる作品で、最後の最後まで考えさせられる作品でした。

ミステリ的にも、伏線の回収が上手くて、ミスリードも冴えていました。

 

 

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが――。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が贈る、〈犯罪と私たち〉を描いた壮大なミステリ。

六畳間ミステリーアパート

六畳間ミステリーアパート(新潮文庫nex)

 

癖のある管理人と真面目に悩む田中さんがアパートに住む人、それぞれの悩みに向き合っていく。悩みが切実なものばかりで、読んでいて感情移入してしまう場面が多々ありました。

 

どの話も変化していく住民の様子が晴れやかで、読んでいて胸に訴えてくるものがありました。悩んで、停滞していた時間を動かしていくのは大変なことだが、しっかり過程を描いていたので各話が終わるごとにジーンと胸が暖かい気持ちになれました。

登場人物の掘り下げが良いので、愛着が湧いてしまいます。

 

ミステリ要素が少しあるくらいなのがまた良い。

 

田中さん自身が迷いや悩みを抱えながらも他人に寄り添う優しさがあって、それは押し付けがましくないのが長所でした。

 

管理人にも事情があり、積み重ねがあるのが分かるが消化不良みたいな感じがしました。

ただ、他人に想いを押し付けるのはな…

 

単巻完結だと思いますが、続きも読みたい気持ちがあります。

 

ことだま荘の秘密、あなたには解けますか? 家賃わずか一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここに暮らして奇妙な管理人が提示する謎をとけば、どんな悩みも解決するという――。家族をめぐる問題を抱えてやってきた田中は、ネットで炎上した歌姫、幽霊と同居する男、元・詐欺師の夫婦など、曲者ばかりの住人たちと交流しながら謎の答えを探し、自らに向き合っていく。少し不思議でハートウォーミングな新感覚ミステリー。

さよならの言い方なんて知らない。7

さよならの言い方なんて知らない。7(新潮文庫nex)

 

最近はバトルが続いていたので、今巻は心理戦が多めで嬉しかったです。香屋とトーマが探り合いながら、遠距離であの手この手で出し抜こうとしているのが非常に良い。トーマが圧倒的に優位にいて、指す手は間違わないが、香屋の方が想像を超えるアプローチをして、まくっていこうとするのは流石でした。

お互いに葛藤があり、2人がぶつかり合えたら良いのだが果たして。

秋穂の掘り下げも少しあり、彼女のスタンスはなるほどなと。

 

架見崎の街が繰り返す原因となった出来事が明かされて、終わりに向かってるなと実感します。月生さんの過去はどう表現したらいいのか分からないが、香屋と出会えてことで彼の救いに繋がれば良いなと。

 

今作の鍵にもなっている、ウォーター&ビスケットのテーマがここに来て、こんな使い方をするのかと不意を突かれました。

 

早く次巻が読みたいと思ったら、来年の8月とは… 

 

最強が愛したただ一人の、女性。ウラル。彼女の存在は特別だった。あるいは一般的に、彼女の外見は地味に見えるかもしれない。悲しみも、怒りも、他の感情も、彼女が外に見せることは少ない。だが、それでも。架見崎の最強、月生亘輝にとって彼女だけが、美しかった――。冬間美咲に追い詰められた香屋歩は、起死回生の構想を実行に移す。それは、月生と「七月の架見崎」に関わる秘策だった。償いの青春劇、第7弾。