羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

その白さえ嘘だとしても

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)


階段島シリーズ第2巻。


階段島シリーズの中で一番印象深いといっても良いお話。クリスマスが近づく中、階段島に問題が発生し、主要人物たちが様々な想いが交差しあう流れが好きです。最終的に一本の線になっていて、ただただ驚きます。1回目読んだ時から時間が経って、再読したら佐々岡や水谷の語りが素直に頭に入ってきました。

佐々岡のヒーローへの想いや水谷の心情がよく伝わってきて、胸を打たれました。思春期を過ぎたら捨ててしまう感情を大切にもってたらなと思う。難しいかな。


そして、真辺のちょっとした成長が微笑ましいし、可愛いと迂闊にも思いました。


七草は罪な男だなと思いました。


さて、魔女の正体が明らかになって、これからどうなるかな〜

君と漕ぐ ながとろ高校カヌー部

君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)


武田綾乃作品。


女子高校生がカヌーという競技に様々な角度から、色々な考え方を持って挑んでいて、なんの部活をやっていても現れる天才や実力を発揮する難しさにぶつかる。そして人間関係も葛藤が渦巻いていて、素人でも明るい舞奈が癒しになってます。

今巻だけでもまとまっていますが、これからが楽しみですので、続きも読みたい。舞奈の公式戦も見たいし。

心理描写が良くて、カヌーという知らない競技でも飽きることなく、物語に没頭出来ました。ただ、カヌーという競技を頭で想像し切れないことか残念だった。




ユーフォで作者を知りましたが、こういう人間関係の隙間や感情の表し方などに長けていて、凄い濃密な作品でした。自分は好きですね。こういうの。

作者の他作品にも興味が湧きました。

ヘタレな僕はノーと言えない

ヘタレな僕はノーと言えない (幻冬舎文庫)


筏田かつら先生の甘い、そしてちょっと辛い恋の物語でした。


社会人の県庁職員・浩己と凄腕の職人・彬が仕事の関係から休日お手伝いに行き、関係を育み、次第に恋に落ちる。


1巻完結だから駆け足気味な展開で、もっと話を広げられるんじゃないかと惜しい気待ちが強いです。この作者なら上下巻で出して欲しかった。ただ、気になるところはあるけども、充分に楽しめる1冊になってると思います。

冒頭の昔2人が合っていたシーンが見事に回収されたり、浩己が段々と想いが膨れ上がっていき、溢れる終盤は一気に読めます。


恋に飢えている人、是非手にとって読んでいただきたい。


一筋縄にはいかない恋をどうぞ。

言鯨【イサナ】16号

言鯨【イサナ】16号 (ハヤカワ文庫JA)


言葉、ファンタジー、SF要素、全てが自分のフックに引っかかりました。

興味が深まり、手にとって読んでみたら、超超超面白かったです!


カジキが旅の道中で出会う"友達"達との縁はとても良くて、物語の終盤でぶつけ合う想いに胸が震えました。

そして、物語全体の謎が明らかになった時には涙が込み上げそうで、終盤にかけての怒涛の展開は美しかったです。


最後まで読んで、この作品のタイトルの意味に触れたら、感動します。



少しでも興味があるならば読んでほしい力作です!

涼宮ハルヒの憂鬱 角川文庫

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川文庫)

(内容)

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」高校入学早々ぶっ飛んだ挨拶をかましたえらい美人、涼宮ハルヒ。誰もが冗談だと思うこの言葉が大マジだったことを、俺はのちに身をもって知ることになる。ハルヒと出会ってしまったことから、気づけば俺の日常は非日常になっていて!?ライトノベルの金字塔が、豪華解説つきで襲来!

(感想)

超超超有名作。深夜アニメの象徴みたいな感じもあって、知名度は計り知れない。

自分もアニメ見てて、原作が気になってたが、当時はそんな予算はなく… 

しかし、角川文庫から出るとのことで、これは読むしかないと思いました。


読んでみたら、面白い面白い。アニメだけでも強烈なインパクトを与えられていて内容を覚えていたが、それでもぐいぐい引っ張られる。涼宮ハルヒという少女を生み出しただけでも凄いと思います。

そして、キョンはアニメと小説じゃ受け取る印象が違いますね。自分は小説の方が好きかと。キョンの語りが面白いし、やれやれ主人公の走り手ですかね。


1巻だけでも完結してるので、構想だと単巻を考えてたのかなと思うと予想以上に反響があったんだと思います。

十二人の死にたい子どもたち

(内容)

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは。

(感想)

映画観てから原作を読みました。


映画の方が登場人物の把握やトリックなどが分かりやすい。小説だと流石に12人全員を動かすのが難儀だ。逆に小説だと登場人物の心情を密に分かるという良いところがある。


原作、映画と互いに補い合っていて、良いメディアミックスだったと思う。

映画、原作どちらからでも入って大丈夫かと。


色々考えさせられる作品で、気になる人は読んでみてください。

掟上今日子の推薦文 文庫版

掟上今日子の推薦文 (講談社文庫)


毎巻語り手が変わる形式なのか、残念と思ったら今回の守を読み終えたら愛着が湧きましたので次巻以降も慣れていくんだろう。


謎は凄い難しいわけではない(登場人物の少なさと場面が限られていた為)が楽しく読めました。やっぱり今日子さんのキャラクターとしての魅力が良いからか。


次巻以降も楽しみにしたい。


今日子さんの毎日を大事に生きる姿勢には学ぶものがありました。