羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

レプリカだって、恋をする。2

レプリカだって、恋をする。2 (電撃文庫)

1巻でまとまっていただけに、単巻完結でも良かったかなと思いながらも、どう続くのか興味がありました。

序盤から中盤にかけてはレプリカという設定関係ないからアレ?と思っていましたが、見事にやられました。

種を蒔かれていたことに終盤に気づきました。

 

1巻では、レプリカの存在で救われていた面を描かれていて、今巻では悲劇的な面を見せていて、一筋縄にはいかないなと。

ただ、レプリカという存在ゆえの悲劇を悲劇で終わらせずに、ハッピーに導いていて安心しました。

 

最後に爆弾が落とされて、終わりました。

次巻はどうなるんでしょう。

 

「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」
不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。
文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そして――。
「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」
秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。

本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした 1

本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした【電子版特典付】1 (PASH!文庫)

スマホで情報を手軽に集めて、楽に生きている。まさに現代っ子な主人公が小説、本を好きな少女と出会うことで変わっていく。

主人公と少女、対極だけど確かな繋がりを求めていたのは同じだったかな。

周りに合わせて、自分を殺していた主人公と心閉ざしていた少女が交流していくうちに芽生えていく気持ちは尊いものがありました。2人とも本に救われて、自分を見つめ直せて良かった。波あり谷ありとアクシデントがありつつも、殻を破っていった終盤はグッときました。

 

是非、2巻を!と願いたくなりました。

 

真っ直ぐな青春でした。

 

正反対の二人が
「本」を通じて
心の距離を縮めていく

高校デビューを果たし、自他共に認める陽キャとなった清水奏太。
友人との会話のネタになるのはほとんどがスマホから。
開けば面白くて刺激的で、ラクに楽しめるコンテンツが盛りだくさんだ。

逆にいえば、情報過多な昨今で、疲れるし時間もかかる、
エンタメ摂取のコスパが圧倒的に悪い読書を好む人たちの気持ちが、
奏太には一ミリも理解出来なかった。

高校一年の秋、彼女と出会うまでは──。

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 『青春ブタ野郎』シリーズ (電撃文庫)

咲太は思春期症候群に愛されてるなぁ。

麻衣さんに訪れるピンチ、霧島透子の正体、じわじわと迫っていく危機にハラハラしました。やっぱり咲太は麻衣さんのために動いてこそだよね。最後まで、中々問題解決の切り口が切り出せずに焦るが、思いもよらぬキャラが関わってきて、そこから行くのかと。想像外でした。だが、それが良かった。

霧島透子の正体に関してはあと一歩まで来た。最終章に入るということで、どう締めくくるのか楽しみ。

 

大学生編に入って、思春期症候群の匙加減が難しいかなと思うが絶妙なところを突いてくるのが素晴らしい。

キャラも理央や朋絵のサポートは高校生編を思い出して、グッとくるものがありました。

 

「麻衣さんは僕が守るから」
「じゃあ、咲太は私が守ってあげる」
咲太にしか見えないミニスカサンタは一体何者? 真相に迫るシリーズ第13弾。

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9.5

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9.5 (MF文庫J)

冬休みの出来事。色々仕込んでいて、様々な人達の思惑が交差していくのが見えて期待が膨らみます。しかし、誰か重要なキャラが退学しそうな雰囲気があり怖さもある。

表紙にもなった坂柳の本心には驚いた、彼女がそこまで入れ込んでるとは思わなかった。ただ、龍園との対決次第で坂柳も安泰ではなくなる。坂柳はなんだかんだで残って欲しい。

一ノ瀬が随分と変わってきていて、どうなるか。随分と強かになっているが、クラス単位で変わらないとな。

 

清隆のクラス内での扱いも変わりそうで、今更だけど実力がバレていくのは仕方ないと割り切ってるから大丈夫かな。恵との関係も取り繕っているが、内心は冷めているから、これは3学期で別れるかな。

 

個人的に気になったのはひよりで、平田があんまり良く思ってなさそうなのが引っかかる。彼女についても掘り下げて欲しいな。

 

「メリークリスマス。サンタの登場ですよ」

高度育成高校での二度目の冬休みがやってきた。軽井沢とクリスマスのプレゼントを買いに行くという約束は、軽井沢のインフルエンザにより崩れ、綾小路はイブからの数日を1人で過ごすことになった。
そんな中『えっと、今日、綾小路くんの昼間の予定ってどうなってるかな』『それは会ってからのお楽しみにいたしましょう。お部屋にお伺いしても?』『この後ちょっと顔を貸せ。30分後にケヤキモールの北口だ』、各クラスリーダーからの電話が絶えない状況となっていた。
一方「綾小路くんってただ暗めなクラスメイト……じゃないでしょ。隠し事があるっていうか」クラスメイトの間で綾小路に関する議論が行われ始め――!?

シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する

シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する【電子特典付き】 (MF文庫J)

ラノベでミステリー、学園、挑戦してるなと。

推理バトルが軸で学園モノ。興味があり読みました。ヒントを多めで親切でありながらも意をつく謎にしているのは流石でした。

太字で事件に関係していると表すのは斬新ですね。

また、学園の特性を活かした展開で二転三転して引っ掻き回されても説得力があったのは良かったです。

主人公とヒロインがベタだけど、それが良い。

犯罪者の血を継ぐ主人公と探偵教育されたヒロインがドタバタも騒ぎをしていく様子は微笑ましい。

 

これからが楽しみな作品です。

 

真実を、競い合え──!

増加する凶悪犯罪に対抗し、探偵という職業の必要性が飛躍的に高まった現代。
日本で唯一「国家探偵資格」を取得できる超難関校・真理峰探偵学園に今年、とある少年と少女が入学する。
一人はかつて〈犯罪王〉と称された男の孫・不実崎未咲。
もう一人は〈探偵王〉の養女・詩亜・E・ヘーゼルダイン。
宿敵同士の末裔二人が、ここに邂逅したのだ!
そして始まる学園の日々。早速入学式から模擬事件が発生!?
しかも、一番先に正解したはずの詩亜よりなぜか不実崎の方が点数が高くて──
「私は──あなたに挑戦します!」
「後悔すんなよ、お姫様」
これは、真実を競い合う新たな学園黙示録。最高峰の知的興奮がここにある!

彼とカノジョの事業戦略: ~“友達”の売り方、教えます。~

彼とカノジョの事業戦略: ~“友達”の売り方、教えます。~ (ガガガ文庫 ガは 8-7)

面白い!株式、投資、などビジネスを軸に展開してくるラノベは珍しい。あとがきにもあるが、野心的で挑戦的な作品でした。

ラノベらしく、最初は軽い雰囲気で入り、中盤から終盤へ盛り上がりを作っていて満足度高いです。主人公・真琴と相棒・環の互いの良さを見せつつ、ビジネスを交えていて流石でした。

真琴のビジネスとしての矜持に対して、環の純粋で人を見る優れた目が合わさって、応援したくなるバディでした。

環に振り回されながら、真琴も影響を受けてどうなるか。

環は危うさが見えたが、気のせいかどうか。

 

ビジネスで敗者を作らず、皆幸せにするのは難しいだろうが、どう突き進んでいくのか楽しみです。

次巻からが本番なので、期待したいシリーズです。

 

『”ビジネス”は世界を描き替えるツールだ』
ワールドビジネス育英財団ーー通称WBFには、己が理想の”世界”を作り上げるべく、若き天才経営者が集まる。
「ねっ、”友達”いりませんか?」
環 伊那ーー金髪、巨乳、明るい笑顔が特徴の経営初心者。WBFに参加するため高校を中退した元JKがパートナーに選んだのは、<成功請負人>の名を持つ天才コンサルタント真琴 成。
「アンタに、本当の”ビジネス”ってヤツを教えてやるよ」
天才たちの集う戦いで、経営初心者の彼女を勝たせる唯一の方法は、”友達”を売ること!?
このライトノベルがすごい!』(宝島社刊)3年連続ランクイン! 人気作『現実でラブコメできないとだれが決めた?』著者・初鹿野創が描く、世界を変える「ビジネス頭脳バトル」ここに開幕!

公務員、中田忍の悪徳 (6)

公務員、中田忍の悪徳 6 (ガガガ文庫)

アリエルが徐々に出来ることが増えて、微笑ましい。人間社会で生きるのか、元の世界に戻るのかどう落とし込むのか気になる。

今回、とことんアリエルにアリエルに現実を突きつける忍の対応は酷のようだが、親切心からくるものだから仕方ない。

ギャグみたいな日常からの落差が激しい。

 

人とアリエルの寿命の違い、戦争の歴史、規模が広がってきて、いよいよ物語が佳境に入ってきた。

社会とは何か、人の世の不条理を突きつけたうえで、アリエルに生きる術を身につけて欲しいのだろう。

 

忍も職場で変化が生まれていて、そこも大事。

 

アリエル、忍達はどうなるのか気になる。

別々の道を行くのか、共に歩むのか。

終わりは近い。

 

迷宮で異世界エルフは世界の真実を知るーー

「オークの島ですか?」「いや、大久野島だ」

中田忍の意志に自ら背き、晴れて中田忍との同居を勝ち取った異世界エルフ、河合アリエル。
自動車の運転を体得し、パートタイマーとして職に就き、少しずつ確実に現代社会との融和を進めつつあるアリエルの姿を見る忍の眼差しは、決して優しいばかりではなかった。

そして明らかになる、新たな耳神様伝説の残痕。
忍たちの暮らす地に点在する、両耳が欠けたいくつもの古いお地蔵様。
耳神様あるところに現れる、謎の老人と大きめのコーギー犬
アリエルの切なる願いに応えた忍は、夏の陽炎を捉えるべく、両手にヘラを構えて焼きそばを炒める。

鍵を握るのは、旧日本軍の負の歴史が佇む”東京第二陸軍造兵廠、忠海製造所”。
あるいは”毒ガスとうさぎの島”と呼ばれる国民休暇村広島県竹原市忠海町、大久野島
迷宮の先で異世界エルフが目にする、世界の真実とはーー

「ここは、天国ではーーありませんでした」

幸福な結末を踏み越えて、傷付け傷付き合う社会派現代ファンタジー、第六幕。