羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

新宿なぞとき不動産

新宿なぞとき不動産 (創元推理文庫)

不動産とミステリー、頭に浮かばない組み合わせだったので気になって読みましたが、主人公澤村と後輩神崎の関係や不動産を利用する様々な事情を謎に捉えて踏み込んでいくのが面白かったです。

 

お人好しで損ばかりする澤村の誠実さは好きだなぁ。神崎もそれは理解していてそれを美点だと思っていて、互いに補いあっているような関係で良いです。話が進むにつれて成長したり心を許していく2人から目が離せません。

 

ミステリーとしては仕掛けもいいですが、犯人の事情や登場人物の心理描写に長けていて、話を膨らませるのが上手くて話の先が気になるという気持ちを作らされました。

結構好きなタイプでした。

 

賑やかな雰囲気、シリアスな展開、上手く構成されていた作品でした。

 

四ツ谷、早稲田、市ヶ谷、落合―
新しくて古い街“新宿"に暮らす人々の謎を解く!
“住まい"と“人"をつなぐ、心あたたまる不動産ミステリ

新宿の不動産会社に勤める賃貸営業マン・澤村聡志。知識は豊富だが駆け引きが苦手で成績が振るわない。ある日、営業パートナーとして成績優秀な誇る後輩・神崎くららがやってくるも、彼女は先輩使いが荒く振り回される毎日で……しかも担当するお客様や大家にはおかしな謎がつきまとい!? 新宿で暮らす人々の謎を澤村のひらめきで解決する、心あたたまる新宿不動産ミステリ。『ツノハズ・ホーム賃貸二課におまかせを』改題文庫化。