羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

フライ・バイ・ワイヤ

フライ・バイ・ワイヤ (創元推理文庫)

 

青春、ミステリー、SF、それぞれの要素が絶妙に混ざり合っていて、かつ事件の不明瞭さが物語を引っ張っていて、読み応えがありました。

なぜ被害者は死んだのか、犯人の動機なども理由がハッキリ明らかになるので満足度が高いです。明かされてみたら納得のいく、事件でした。ロボットの登場、事件の発生の繋がりがあまりピンときませんでしたが、舞台が進学校の優等生クラスだからこそ生まれたという感じで練られた作品だなと。

 

犯人、被害者のやったことが無意味というのはあっけなくも現実的でした。高校生の未熟な精神や心の揺らぎを描くのが上手いですね。

 

最終的には爽やかな終わりになったのは見事でした。

 

隆也のクラスの転入生は、二足歩行のロボットだった!これは病気の少女をロボットを通じて通学させる実験だという。奇妙な転入生にも慣れてきたある放課後、校内で級友が撲殺され、彼女の背中が被害者の血で染まっているのが発見される。殺害の動機は?ロボットと事件の関わりは?!友人の死に直面した隆也たちを新たな事件が襲う…。近未来を舞台にした青春本格ミステリ