羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)


タイトルと表紙だけで面白そうだと思ったら、その通りだった。

劣悪な家庭環境で育った少年,江都は身体が金塊に変わる女性・弥子と出会う。

この物語は始めから決まっていたのかなと読み終えたら思いました。

どんどん、身体の一部が無くなっていく弥子に凹み江都。江都は弥子のために何が出来るのか、悩んで、苦しんで、そして、決断する。それは周りの人は信じられないかもしれないが、江都と弥子の微かな希望なんだ。この導き出した正解は正解だ。


人間のエゴや江都、弥子の苦しさを考えると深い深い海の底から引っ張られるような展開だったように思います。



この結末は解釈が別れるだろうが、この結末じゃないと嫌だと思った。

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?5時間目

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 5時間目 (MF文庫J)


天神とヤヤが新企画のために取材で箱根温泉に行く。ただ、いつも通り、星花と冬燕がついてきて、ロリロリする天神。

しかし、中盤から一転する。

担当編集としての信念。売れる才能と売れないで腐る才能。嫉妬。などなど。

言葉が胸を切り裂いてくる。

天神の初代の担当編集の言葉は一理あるかもしれないが、考え方や手段に納得いかないところがありすぎて、糞。しかも、天神の作品はデビュー作しかまともに読んでないのに、寄ってくるとか闇深い。


現担当の志辺里が叩きつぶされ、絶望するが、考えに考えて至った信念は確かに夢物語だ。だけど、一笑で済ませられない重さがあった。天神を引っ張ってくれそうで期待したい。


ヤヤは星花の教えと天神の情けに奮起し、輝いてくれそう。


才能というのはこんなにも残酷なものだと突きつけてくる、このシリーズ。

劣等感に落ちてた天神とヤヤのこれからが楽しみです!

神童勇者とメイドおねえさん2

神童勇者とメイドおねえさん2 (MF文庫J)


穏やかな日々を過ごすシオンと4人のメイド達。今回は大半が日常の話で、こんな風に過ごしているんだとわかって良かった。

1巻がとにかく、詰め込まれていたので、2巻はゆったりと読めた。

シオンはメイド達と過ごす日々を大切にしていて、メイド達もシオンといることを大事にしているとか尊い… この関係が壊れないことを願う。


日常だけでなく、シオンの身体の成長や右手の呪いなどのことも進展していて、物語としても進んでいる。物語の緩急が巧みに感じられるのは作者の良いところ。


最後に現れた魔王はこれからどう動いてくるのか気になる。



これからが楽しみなシリーズです。

ワールドエンドの探索指南

ワールドエンドの探索指南 (電撃文庫)


夏海先生の作品は初めて読みましたが、面白かったです。

主人公達は記憶を失っているが、何かわからないまま、状況に流されてしまっていた。だが、ヒロイン?重要な女子がこの世界への違和感を口にし、謎を探っていくうちに真実の一部を目にする。

1巻はまるまるプロローグみたいなもので、世界観や設定の説明に終わったが、次巻以降が楽しみな作品で良かったです。


表紙とは裏腹に結構ハードなところがあり、驚かされた。そして、じっくり世界の秘密に迫っていきそうで面白そうだなと。


続かないと厳しいなぁ。

物理的に孤立している俺の高校生活6

物理的に孤立している俺の高校生活 (6) (ガガガ文庫)


様々なキャラクターが色々な理由を持って、生徒会選挙に挑む。

アリアスが順当にいけば生徒会長になれる。ただ、それだけではいけない。元生徒会長の明星さんが場を乱す。

波久礼は能力のコントロールについて教わるためにアリアスの当て馬として出馬する。


終わってみれば、順当なところだったけど、波久礼、アリアス、大福の心情がよく書かれていたから、最後の結果に納得出来た。

大福は悔いの残るところがあったが、前に進めたみたいで良かった。


今回はアリアスの可愛さが目立ちましたが、これもうアリアスルートでは?波久礼に心許しまくりじゃん!



次巻はクリスマス回ということで、物語が大きく動きそうなので楽しみです!

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ?1

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 1 (オーバーラップ文庫)


GA文庫から出てきた、友達の妹が主人公にだけウザいというジャンルが流行り始めるかと思ってたらオーバーラップからも。なろう発だから、以前からあったんだろうけど、良いタイミングで出版しましたね。


今作はただ、ラブコメを追求していきそうなので、例の作品とは違った形になりそうなので楽しみです。

怖い顔をした主人公・友木、主人公の友人・池春馬、その妹・池冬華、春馬の幼馴染・葉咲、美人教師・真桐。こんな面子の関係の紹介で終わりましたが、まぁ甘いラブコメですね。

最初はツンツンしてた冬華が友木と接していくうちに助けられ、本音も引っ張られる。それは恋に落ちますよ。友木は気づいてないのがより一層冬華の心を乱すんですけど、これから友木の冬華への意識が変わるのか楽しみです。

そして、取り乱れるだけで終わった葉咲はここからどう挽回するか。


そして、春馬、真桐さんも何か抱えてるみたいで、怖い見た目だけど根は優しい友木を中心にして回っていきそうです。



読みやすくてキャラも立っているし、みんな何か悩んでいる。そんな作品。とても面白い作品ですので、是非読んで貰いたいです。

ようこそ実力至上主義の教室へ2

ようこそ実力至上主義の教室へ (2) (MF文庫J)


まだまだ試運転な感じがある第2巻。表紙の美少女は誰だ?二重の意味で

櫛田は清隆との距離を探っていて、読み返してみると意味深な台詞も言っていたが回収されてないな。

佐倉ちゃんに関しては今回の須藤の暴力事件の解決の鍵を握っていたし、人見知りな彼女が協力するまでの間の清隆のフォローが良かったから、勇気を出せたね。ストーカーに関しては清隆のファインプレーで阻止。そりゃ佐倉ちゃんは清隆に惚れるわな。


堀北は大人しめな様子だったが、清隆に誘われずジト目になるのが何度読んでも可愛い。

最後に堀北も清隆の正体に薄々感づいたか。

流石に見過ごせないよな。


須藤に関してはDクラスを追い詰めるのに都合のいい存在だからかなと思うと、うん。


あと、一ノ瀬とのパイプを持つことが出来たのは大きい。このときは一ノ瀬に裏があると思ってたが…