羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

結婚が前提のラブコメ2

結婚が前提のラブコメ 2 (ガガガ文庫)


2巻から婚約所の説明が減り、ラブコメが始まってきました。

玉の輿を狙うカレンが主役。

1巻から貪欲に求めていたように見えたが、どうやら違うようにも見える。

そんな迷えるカレンを主人公の縁太郎は秘めている想いを見抜く努力をしているのが素敵過ぎる。これは惚れる… 

それに比べて縁太郎を敵視する黒峰の浅さよ。


カレンが迷いを払い、囚われていた気持ちから抜け出すことが出来て良かったです。

縁太郎がカレンに必要な言葉を投げるところは熱い。

次巻からカレンがどんどん動いていきそうで楽しみです。


結衣は縁太郎の助言や新しく出来た友人?笑のおかげで大分気持ちの変化が生まれてきて、これからという時にカレンが先に行ってしまうというのが不憫。

そして、まひるさんや牡丹のマズいところが見えてきていて、彼女達を縁太郎がどう導くのか気になります。


主人公が仲介というのが関係の変化にどう響いてくるのか楽しみです。


妹の蒼梨ちゃんの身勝手なところはイライラしました…


1巻のレビュー

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/22/203000


(あらすじ)

早乙女カレン。その恋、春雷のごとく。 
“結婚できない人を結婚させる仲人”、白城縁太郎は今日も婚活女子のサポートに奔走している。 
とあるイベント婚活で、結衣とカレンの気になる相手がバッティングしてしまう。 
ひとつ間違うと、恋の修羅場になりかねない。 
縁太郎は仲人として平等に接そうとするのだが――。 
「縁太郎、あなたは全力で結衣をサポートなさい。それでようやく、私と対等になるというものですわ」 
カレンの申し出は、明らかに自分に不利となるものだった。 
縁太郎は改めて思う。 
上流階級の世界に戻るべく、金持ちとの結婚にこだわるカレン。 
しかし裏腹に、彼女はいつも誰かを優先し、損な役回りを引き受けている。 
彼女にとって婚活とは――“本当に幸せな結婚”とは、なんなのだろう。 
ぜったい結婚したい系婚活ラブコメ、心が疼き出す第2幕。 


シュレディンガーの猫探し

シュレディンガーの猫探し (ガガガ文庫 こ 4-1)


(あらすじ)

探偵嫌いの僕と迷宮落としの魔女 
妹にまつわる不思議な現象、「やよいトリップ」。未来視とも思えるその力が原因で巻き込まれたとある事件をきっかけに、訪れた洋館。 
洋館の表札には『探偵事務所 ラビリンス』。 
そして、古めいた書架に囲まれるように彼女はいたーー。 
魔女のような帽子に黒い服。書架に囲まれた空間そのものが一つの芸術作品のように美しい佇まい。 
「解かれない謎は神秘と呼ばれる。謎は謎のままーーシュレディンガーの密室さ」 
彼女ーー焔螺は、世界を神秘で埋め尽くしたいのだと言った。 
「私は決して『探偵』なんかじゃない。神秘を解き明かすなんて無粋な真似はしないよ」 
探偵じゃないなら、いったい何なんだ。 
問えばふたたび、用意していたように即答だった。
「魔女さ」 
まったく、時代錯誤も甚だしいと嘆かずにはいられない。 
神秘的で、ミステリアスな一人の魔女に、この日ーー僕は出会った。 
第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞。 
ゲスト審査員・若木民喜氏絶賛の新感覚「迷宮落とし」謎解き(?)開幕! 


タイトルからして好きだなと。

シュレディンガーの猫の理論をうまく利用していて、非常にトリッキーな作品でした。

読んでいて、楽しい作品でした。

左さんのイラストも素敵です。


探偵嫌いの主人公令和と神秘を求める魔女のバディが互いに仲良くならずに、だけど不思議と息があう。

それは謎は謎のままが良いということを大事にしているから。

探偵はいつだって謎の解明という大義名分によって土足で人の心に踏み込んでくる。

確かに、その通りだなと。

令和は過去に被害にあっているからそう考えるのが自然だなと。

魔女の特殊な力と機転の効いた考えで、謎の真相に辿り着けないようにひっくり返すスタイルは面白いです。

謎は謎のままにしておくという形で進んでいくのは珍しかったし、説得力があったので面白いかったです。

事件を未解決に導くというのを主軸にするという発想が生まれるのが凄いです。


どうやら上下巻構成みたいなので、次巻を読みたいです。

君の嘘と、やさしい死神

君の嘘と、やさしい死神 (ポプラ文庫ピュアフル)


表紙から泣かせる内容だと思ってましたが、じわじわと来ました。

(あらすじ)

通り雨が過ぎて虹が出た昼休み、高校二年の百瀬太郎は同学年の美園玲と運命的に出会う。美少女なのにクラスメイトとどこか距離を置いているクールな玲に、なぜか百瀬はなつかれる。幼少期のトラウマで「嫌だ」と言えない性格も手伝って、百瀬は強引に文化祭の準備を手伝わされる羽目になり、「ある作戦」を実行するため奔走するうち、二人の気持ちは近づいていく。そんな時、逃れられない過酷な出来事が二人を襲う。感動、切なさ、悲哀、そして愛しさ…温かな涙が溢れる、究極の恋愛小説。


嫌だと人の頼みを断れない主人公の百瀬が堂々と生きている美園と出会うことで、変わっていく日々。

最初は百瀬と美園の明るい青春と見せておいて、様々なところにあった美園の行動と台詞の真の意味が分かったらガラッと見えていた景色が変わるのは巧みでした。

分かりやすいとはいえ、日々の会話や関係の積み重ねを描き、美園の必死な想いを読んでいくとじわじわと胸に苦しくも暖かくなる感情が湧いてきました。

腕に書いた電話番号については悶絶必死の鍵になっていました。


人はいつ死ぬかわからないから毎日を必死に生きる。大事なことだけど、自分がいざそういう立場にならないと気づけない。

美園はもっともっとやりたいことがあっただろうが、やさしい死神と出会い、自らが幸せだと思う生き方で過ごせたので幸せだったんじゃないか。


百瀬は美園と過ごした日々に残っている考え方や言葉が頭にいつまでも残ってるだろうから、これからの彼が周りの世界に踏み出せる未来が見えるような終わりには感動しました。


素晴らしい青春小説でした。




ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?6 〜とびっきりの王子様〜

ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?6 ~とびっきりの王子様~ (GA文庫)


ウラ、カナの過去を。

(あらすじ)

織原さんとの秘密の交際が家族にバレた桃田だったが、思いがけない形で家族が増えたことをきっかけに、 
彼女との関係も一層深まっていた。 
ところが―― 
「ウラが……部屋から出てこない!?」 
文化祭のクラス代表になった浦野が、咲と口論の末に心を閉ざし、文化祭直前に引きこもってしまう。その様子に「中学時代の秘密の話」を想起した桃田は、金尾と共に動き出す。本気の恋を知った今だから、本気の友情も守りたい――! そして、かつての「友人」も姿を現し―― 
「久しぶりだね、ウラ」 
ふつうの恋も、禁断の恋も。甘くて尊い年の差純愛ラブコメ第6弾!! 


浦野と指宿の喧嘩しっぱなしの関係に変化が起きました。

浦野が過去の過ちを繰り返してしまったが、桃が正面からぶつかってくるというありがたい友情が浦野の背中を押していて、良かったです。指宿に関しても桃が対応していてスマート過ぎるよ…

浦野と指宿が互いに自分の気持ちに正直になれてホッとしました。

金尾も恋に苦しんでいたが、ようやく前に進めそうですね。彼女の唄の大きな存在感はなんなんだ笑 不思議な娘だな。一見似合ってない2人ですけど、お似合いに見えてきました。


桃と織原さんに関しては安定過ぎて、大人同士に思える。微笑ましいすれ違いはありますけど、心配ないですね。


様々な人物が絡み合っていながら桃と織原さんという主役2人も疎かにならずになっているのは流石です。


もうやることがないような気がしますが、どう展開していくんでしょう。


桃と織原さんの結婚式で締めるのかな。


俺の女友達が最高に可愛い。2

俺の女友達が最高に可愛い。2 (GA文庫)


2巻は後輩の女友達こと、琴吹。

(あらすじ)

「お前、俺のこと好きだったの!?」 
中村カイ、16歳。人生で初めて女の子から告白され、しかも相手は美少女――仲良くしていたバイトの後輩、アニメ大好き布袋琴吹さん! 
青天の霹靂とも言えるこの事態にカイの頭は大混乱。琴吹は嫌いではないが「友達として好き」と「異性として好き」の境目はどこにある!? 
一方、琴吹は果敢な猛アタックで「でしたら、まずはお試しデートで」と、絶妙な提案を持ちかける。
豆腐メンタルなはずの後輩の、懸命かつ健気なアピールをカイも無下にはできず、お試し交際してみることに。 
そして始まる、人生初ガチデート。 
でもその場をジュンに見つかり――!? 
ピュアフレンドラブコメ第2弾!! 


カイとジュンの関係に踏み込もうと琴吹が奮闘するが、鉄壁のような2人の関係の間に入ることは出来なかった。

ただ、琴吹という第三者から見たカイとジュンの異常な程の仲の良さはいつまで続くのかな。

カイは琴吹にぐいぐい攻められたことで、恋人と友人の境界線について考えることになるが、意思は揺るがなかった。

カイはこれからも恋人という関係のしがらみを無視して友達という関係の気軽さを大事にし続けられるのか注目です。

ジュンは正直、心境などの語りがないのでどう考えていたのか読めなかったです。ジュンは心が変わるときが来るのだろうか。

琴吹はこれからもまだチャンスはありそうな最後でしたので、まだ諦めないでほしいですね。


カイとジュンの関係を確認するとともに琴吹の恋が見れて、良い話でした。

次巻はどうなるのか楽しみです。

モモンガの件はおまかせを

モモンガの件はおまかせを (文春文庫)


(あらすじ)

フクロモモンガが逃げたと思しき古いアパートの部屋には、ミイラ化した死体が。いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話を?謎の大型生物が山の集落に出現。「怪物」を閉じ込めたという廃屋はもぬけのからだった。キリン飼育員・僕(桃本)にツンデレ獣医・鴇先生、アイドル飼育員・七森さん、そしてカルト的人気の変態・服部君、オールキャストで大活躍!文庫オリジナル、“楓ヶ丘動物園"ミステリー第4弾!


最初のお散歩している犬の微かな反応から事件を見つけるのは凄すぎる笑

モモやその他の職員の連携もバッチリでした。

もう、動物園ではなく警察になれば良いのでは…

軽い日常みたいに書かれてましたが、結構凄いライフワークになってますね…


さて、今回は動物を売る側や買う側の汚れた部分を突いていました。

検査をしない、無理な生殖、説明を行わず売り出すなど嫌な販売方法が事件になってましたが、現実でも起きてるのかと思うと嫌な気持ちになりますね。

買う側もきちんと調べずに流行りにのって買ったわ良いが最後まで面倒を見ないなど、動物だって生きてるんだぞ。

まったく。


ミステリーとしてもしっかりしてるし、動物についても知識を持たないといけないと思う内容でした。


キャラクターとしては変態服部さんと頼りになる鴇さんの家庭についてや事情が見えてきました。

モモと鴇さんのドキドキシーンも?あったりして愉快でした。


天才王子の赤字国家再生術7 〜そうだ、売国をしよう〜

天才王子の赤字国家再生術7 ~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)


フラーニャが意識を高めていく。

(あらすじ)

ディメトリオ皇子とその家臣達は、会議の場で困惑していた。 
(どうしてこいつがいるのだろう) 
会議に参加しているナトラ王国王太子ウェインも思っていた。 
(どうして俺がここにいるんだろう) 
三皇子のいがみ合いで長らく膠着状態が続いてきた帝国の後継者争い。だが、長兄ディメトリオが戴冠式を強行するため兵を挙げたことで、状況は大きく動き始める。 
ロウェルミナ皇女から協力要請を受けたウェインは帝国に向かうが、なぜか一番勝ち目が無さそうなディメトリオ派閥に参加する羽目に!? 
「だが、最後に笑うのはこの俺だ」 
謀略と戦乱が渦巻く第七巻! 


ウェインが嵌められてからがかっこいい不思議。

ウェインがロウェルミナに嵌められて負け戦に参加させられることになるが、ただでは転ばない。

フラーニャを使い、状況を逆手にするのは素晴らしい。フラーニャが成長してきて、任せられることが増えきたが本人はもっと上を目指していくのが楽しみです。もしかしたらウェインと戦うってことになったらそれはそれで。


ウェインが負け戦をひっくり返す策が悪魔の手みたいな感じで悪役っぽかったですね笑

負けすら利用しているのがかっこいいし、苦境をものともせずにいるのが普通になってきました。

ただ、完全に負けるイメージが浮かばないのは良いことなんだが、悪いことなんだか…

本気で焦るウェインが見たいかな。


ウェインの学友の2人も絡んできて、愉快な状況ですが、彼らとどう戦っていくのか楽しみです。


相変わらず、クオリティが高いシリーズなのでさらなる波乱を待ってます。