羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

誰が勇者を殺したか

誰が勇者を殺したか【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

タイトル、表紙に惹かれて読んだが、読んで良かった!

ファンタジーの王道である、勇者が魔王を倒す。これは美談ではなく、勇者に担われるというのはただの押し付けであると見たら、見方変わる。

 

タイトル見たらミステリだけど、誰が殺したかではなく、なぜ死んだ。という感じで勇者一行のパーティメンバーに勇者の話を聞いていくのは上手い構成だなと。勇者本人パートに入り、女王、そして裏側に迫るにつれてそうだったのかという驚きと関心が生まれました。

インタビュー形式で説明を受けて、過去回想に入ることで物語に入りやすくなっていて、勇者とパーティメンバーのことを掘り下げているのでキャラに感情移入しやすかったです。

 

魔王、勇者、預言者、女王、パーティ、お約束の形をシビアに見たらこうなるのかなと面白かったです。

 

最後の締め方も微笑ましくて良かった。

 

 

勇者は魔王を倒した。同時に――帰らぬ人となった。

魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか19

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 19 (GA文庫)

ベルが強くなるために、前のめりになるのが続いていたのでダンジョンジャンキーを落ち着けるために学区で学ぶ少年少女達に紛れるのは良い気分転換になるんじゃないかな。学ぶ、考えることを知り、成長に繋げるあたり抜け目ない。力を隠すというのも、今だからこそというのもあり、成長してるなぁと。

学区で出会ったエイナの妹・ニイナと行動していき、彼女の悩みに寄り添ったベルは女たらしだなーと笑 姉妹揃って攻略とは恐れ入ります。

 

悩めるニイナを押した、夢に出会った瞬間を逃さないというのは勇気を貰えるシーンで好きでした。

ニイナがどうなっていくのか楽しみ。

 

息抜き回でありながら、リューさんがヘスティアファミリアに加わったりと変化もある。いつも頼りにしていたエイナさんの家庭にも触れていて、情報量はありました。

学区編があと1冊で終わってしまうのが惜しまれる。

「学区が帰ってきたぞぉぉぉ!!」
美神の派閥との戦争遊戯が終結し、慌ただしく後始末に追われる迷宮都市に、その『船』は帰港した。
『学区』。ギルドが支援する、移動型の超巨大教育機関
ひょんなことから学区に潜入することとなったベルだったが、ある人物と似たハーフ・エルフの少女と出会う。
「私、ニイナ・チュールっていうの。よろしくね、ラピ君!」
様々な出会い、『騎士』との邂逅、そして学園生活。新章とともに新たな冒険が幕を開ける迷宮譚十九弾!
これは、少年が歩み、女神が記す、
――【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 下

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 下 (角川スニーカー文庫)

待ちすぎて内容覚えてないが、後藤さんのめんどくささは覚えていた。ただ、吉田も情けない。互いにお似合いのような2人だな。初めから想い合ってるのに勇気が出せない人間臭さを上手く描いていました。

とはいえ、2人が付き合うまでに沙優や三島が背中を押さないといけないのは情けない…

あと、後藤さんよりも沙優や三島の方が魅力的な故に納得いかない登場人物の流れでした。

正直微妙な結末でした。

 

良かったのは橋本夫妻の恋愛に対するスタンスやあさみの成長かな。

 

とはいえ、完結までいったのはお疲れ様でした。

 

あなたを好きになって、良かった――。ひげひろ外伝、完結!

両想いを確認し合った後藤と吉田。2人の前に大学生になった沙優が現れた。
ようやく結ばれる寸前の後藤への想いが日増しに強くなるのと同時に、吉田は以前より大人びた沙優にどこか欠けたピースが埋まるような安心感もおぼえてしまって……。
そんなタイミングで後藤が仙台支部へと転勤することに。
「私はすべての選択肢の中から、私を選んでほしいだけ」
「吉田君は……誰と一緒に、変わっていきたい?」
何年も片想いし続けた憧れの上司と、家族のように慈しんだ大切な女の子。
2人の想いと自分の気持ちに向き合った吉田が選ぶ運命の行先は――。

彼とカノジョの事業戦略: ~詐欺師は、“嘘”をつかない。~ (2)

彼とカノジョの事業戦略 2 ~詐欺師は、“嘘”をつかない。~ (ガガガ文庫)

ビジネスはシビア。夢を見すぎるのは嫌われそうな世界だが、成と伊那の2人が夢を見せてくれそうなワクワクがあります。

1巻は個人戦、2巻はグループで競う感じでスタンスが違って興味深い。成がわかりやすく空回りしているが、伊那が目を覚まさせてくれるのはまさにパートナーで良き。

ここまでがプロローグだったのかなと。

ビジネスはそんな上手くいかないと見せられて、それでも前を向いていく2人を応援したくなります。

次巻以降の成と伊那の逆襲に期待。

 

今回登場した新キャラ達が次巻以降どう本性見せてくれるか楽しみです。

悪魔キャラが登場しましたが、一概には切って捨てられない面があって、彼女の行末が気になります。

 

経営の王たちの戦いが、ついに始まるーー。

育英生選抜試験を無事突破した、成と伊那。ここからは、日本トップクラスの強者達との戦いだ。特に警戒すべきはと呼ばれる上位7名の時代の寵児たち。緊張をあらわにする二人だが、目の前に突如奇抜な格好の少女が現れる。「いつでもハッピー<アクマちゃん>でーす!」試験を最下位から6位まで押し上げ突破した、ダークホース・唯村阿久麻。さらに立ちはだかるは、自己株『1兆円』の1位通過者、現経済界の<帝王>九十九弥彦。成と九十九には、なにやら因縁があるようで……。<世界権競争>本戦が今、幕を開ける。ビジネス頭脳バトル第二弾!

バスタブで暮らす

バスタブで暮らす (ガガガ文庫)

タイトルからして、惹かれましたが読んで良かった。そう思える物語でした。

はちゃめちゃ砕けたテンションで送られる家族物語だった。

個性的な家族のおかしくて愛おしい生活は、バスタブでしか眠れなくなっためだかにとって救いだっただろう。

だけど、そんな家族に変化が訪れることになる。

そこで見える大黒柱の母とバスタブという殻に籠った主人公の母娘の繋がりにはジーンとくるものがあった。偉大なる親の姿を見せられました。

めたがの中で巻き起こる葛藤や成長に胸が熱くなりました。

 

人生に対して冷めてしまったり、苦手な人を見なかったり、人の敏感な部分を考えて、どう生きていくのか。活力が貰える作品でした。

是非多くの人に読んでもらいたい!

 

個人的に友人の壊れ方好きでした笑

 

22歳女子、実家のバスタブで暮らし始める

「人間は、テンションが高すぎる」ーー

磯原めだかは、人とはちょっと違う感性を持つ女の子。
ちいさく生まれてちいさく育ち、欲望らしい欲望もほとんどない。物欲がない、食欲がない、恋愛に興味がない、将来は何者にもなりたくない。できれば二十歳で死にたい……。

オナラばかりする父、二度のがんを克服した母、いたずら好きでクリエイティブな兄、ゆかいな家族に支えられて、それなりに楽しく暮らしてきたけれど、就職のために実家を離れると、事件は起こった。上司のパワハラに耐えかね、心を病み、たった一ヶ月で実家にとんぼ返りしてしまったのだ。

逃げ込むように、こころ落ち着くバスタブのなかで暮らし始めることに。マットレスを敷き、ぬいぐるみを梱包材みたいに詰め、パソコンや小型冷蔵庫、電気ケトルを持ち込み……。さらには防音設備や冷暖房が完備され、バスルームが快適空間へと変貌を遂げていく。

けれど、磯原家もずっとそのままというわけにはいかなくて……。

クリムヒルトとブリュンヒルド

クリムヒルトとブリュンヒルド 竜殺しのブリュンヒルド (電撃文庫)

ブリュンヒルドシリーズ。設定がうますぎて毎巻感情が掻き乱されるの最高です。逆境の描き方や決断の重みがあって、読み終えた後に放心してしまうくらいです。

今回、ページ数少ないなと読む前に思っていたが、グイグイ引き込まれていきました。帯にあるように王国史に残らなかった、消えてしまう物語かもしれないが、読者の心に残る善人の女王の物語でした。あと、優しき竜と普通を夢見る男も忘れられません。

 

悲しみがあるが、それだけで終わらず。

繋げていく、誰かのために動ける慈愛な心を持つ女王が嫌われるのは皮肉だけど、現実的だった。

だけど、知っている人は忘れられない。

そんなお話。

 

クリムヒルト――王国史から名を消した、暗愚の女王。

王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年――歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。
五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。
「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜が――紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で

不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で【電子イラスト特典付き】 (GA文庫)

良さそうな作品だなと発売を楽しみにしてました。楽しく読めつつ、シリアスも良い塩梅で混ぜられていて、満足です!

ラノベとしても、ミステリとしても、バランスが良く読めました。

主人公・天内が冷堂と出会い、事件に遭遇していく形で進んでいきます。

2人の絡みは小気味良く青春が感じられつつも、事件に巻き込まれていくことで緊迫感も生まれていました。

2人以外の登場人物の味付けも独特で、好きだなと思いました。

天内と冷堂の能力の種類や背景が上手く物語に組み込まれているし、ミステリとして惹かれるシチュエーションばかりで、最後まで引っ張られました。

 

青春、ミステリ、異能が混ぜ合わせることで、様々な角度から楽しめられます。

 

ミステリとして、軽さは感じるがそれは良い方向にいってるかな。

 

次巻以降の展開が楽しみな作品ですね!

 

 

GA文庫大賞《銀賞》受賞!

私を殺した犯人を見つけて下さいね――探偵さん。

七月■日。謎の美少女・冷堂紅葉が転校してきた夏の日、クラスメイトが殺された。密室殺人だった。

「私達で事件を解決しましょう、天内くん」
「まるでミステリ小説の名探偵みたいだな」

廃部寸前の文学研究会に所属する俺・天内晴麻は、なぜか転校生に事件の調査を依頼される。
そして冷堂も殺された――はずだった。誰にも解かれることのない究極の密室で。
「私を殺した犯人を見つけて下さいね――探偵さん」

不死探偵と“普通”の相棒。再現不可能な殺人事件に挑む学園ミステリー、堂々開幕!
事件の真相に迫る時、君と最後の××をする。