羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

敵を騙すなら スパイ教室《花園》のリリィ

スパイ教室01 《花園》のリリィ (富士見ファンタジア文庫)


ファンタジア大賞にふさわしい、力作でした。発売前から推されていたし、タイトルやあらすじ、表紙も良かったので読むのは必然だったが、それでも言いたい。面白かった!


凄腕スパイが様々な個性を持ちながら、未熟な少女達を集めて、難関なミッションに挑むという作品で、主人公・クラウスが開くスパイ教室はコメディで楽しめました。明るいだけでなく、集められた少女達にも秘められた過去があり、それぞれのスパイ少女に惹かれます。スパイとしての活躍もワクワクしました。

最初はぎこちない出だしでしたが、物語が進むにつれて、話とキャラが好きになりました。

クラウスに挑んでは失敗していき、成長していき仲も深めていくのも読んでて楽しいポイントです。



そして、なぜ、このミッションに挑むのかというのにも理由があって良かったです。


1巻だけでも完成度が高いですが、これからスパイ少女達の掘り下げがされそうですし、どんどん面白くなっていきそうなので楽しみです!


スパイ少女達のコードネームや口絵を使った仕掛けには驚きました。


雑記 2020年2本目 映画 ラストレター

昨日、mellowだけでなく、ラストレターも観ました。

手紙が作品の鍵だとは思ってはいたが、こういうことか。自分の中でも飲み込みきれない不快感があり、手放しに褒めきれないというのが正直なところです。

青春は確かに大事。だけど、それを大人になるまで引きずるのは珍しいと思いました。


初めから大事な人は亡くなっていて、そこからどうなるかと思いましたが、悪くない終わりでした。ところどころに嫌なところがありましたが、人生は良いことだけで出来てないんだなと。


役者さんでは女優陣の演技に魅かれました。



手紙という文化がいつまでまなくならないでほしいと思いました。


原作も読みましたが、映画とは違って鏡史郎視点が多目でこれはこれで良いかも。

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虚構推理

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以前に講談社文庫版を読んでいましたが、アニメが始まったので、講談社タイガから出ているのを読みました。

話を知っていても中盤から最後までの銅人七瀬との対決は盛り上がりました。


様々な噂が流れていて、まさに虚構的な存在である銅人七瀬が生まれた理由。そして触れられない、掴めない、そんな銅人七瀬を崩していく方法がハッとさせられるもので、夢中になります。生まれた理由なんか、何もかも確かな理由があるわけでもないし、こんな正体でも良いよなと。崩していく方法は目には目を見たいな感じで斬新だけど、確かに理にかなっているように思う。


主人公は九郎ではなく、琴子なのかな?二人の関係や、九郎の元カノの紗季さんのこれからが気になるし続きを読みます。

謎の六花さんもどうなのか。


アニメ、漫画も追っていきたいと思います。

雑記 2020年1本目 映画 mellow

今日から公開された、今泉監督の映画「mellow」を観てきました。

田中圭さんが花屋をやっていて、そこだけでなく様々な場所で人が内に秘めているものを伝えるか、伝えないか葛藤していて、釘付けにされました。好きというのも様々な形であるんだなと。伝えてない気持ちはどこに行くんだと、気持ちは伝えてこそだと思いました。


特にドラマが起きるわけではないが、日常の延長線上を取り扱っているのが非常に良いです。

台詞が映画調ではなくて、普段の会話で回しているのがしっくりきます。


アイネクラナハトムジークで今泉監督の興味を持っていましたが、mellowを観たことで好きになりました。これからも追っていきたい監督です。


役者さん達も皆が輝いて見えました。

特に田中圭さんと岡崎紗絵さんの主役二人が光ってました。


子供から大人まで、幅広い年層でも楽しめます。


言いたくても言えない気持ちを抱えている人には特に刺さります。


主題歌の「花になる」も作品にピッタリで心地よい時間だったと思えました。

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掟上今日子の遺言書 文庫版

掟上今日子の遺言書(文庫版) 忘却探偵(文庫版) (講談社文庫)


タイトルに遺言書が入ってるのと、表紙が暗くてアンニョイな感じがして、重い話なのかと思ったが、その通りにしないのが、作者らしいです。


シリーズ1巻に登場していた厄介が再び登場して、空から降ってきた女子中学生にあたり、怪我をすることから始まらなくても良いのでは笑

普通は悲壮な雰囲気が出ると思うが、厄介だとそうにならないのが良い。

今日子さんとの絡みはやはり厄介が落ち着く。


今回の話は犯人の動機を徹底的に追求されていたり、フィクションでも計画通りにはいかないというのが描かれていて、想像の角を擦るようになっていて、楽しく読めました。


今日子さんは自由で良いですね。


揺れる思春期の心の内側 マツリカ・マハリタ

マツリカ・マハリタ (角川文庫)


柴山とマツリカさんの距離がグッと近づく2巻となっていて、良いです。

自然と話せる関係になったからなのか分からないですが、マツリカさんの上からの物言いに嫌味が感じなくなっていました。

反対に毒を吐かないマツリカさんに驚くという。


柴山は小西さんを中心に知り合いが増え、学生生活も変わってきている中、マツリカさんの謎が少し明かされたり、マツリカさんの心境も変わってきていて、良い関係性で羨ましいです。


話に関してはどれも一巻に比べて、研ぎ澄まされていつ、読み終えた後の感触が良くなっています。新キャラ達の内面描かれていて、より、楽しめました。



マツリカさんと柴山の学生生活をもっと見たいと思います。


ヒロイン達の心の内 弱キャラ友崎くんLV.6.5

弱キャラ友崎くん Lv.6.5 (ガガガ文庫)


シリーズが盛り上がっていきそうなところで挟まれた短編集はヒロイン達の気持ちを乗せた日常で、これを読ませるということは本格的に恋愛モードに突き進んでいくんだなと。


・日南の中学生時代

・菊池さんが友崎と出会うまで

・みみみの自身と向き合う

他にも色々ありますが、こちらの3本が重要かなと。


日南も中学生時代はまだ未熟で、理不尽に屈したりした。しかし、自分を磨く為の糧にしていて流石だなと。日南の心情を考えると、友崎と出会えて良かったと思います。


菊池さんは友人も少なく、物語が好きな1人の少女。自分の殻にこもっていたが、恩師とも言える先生と話しあい、物語の傍観者としてではなく、菊池さん自身の物語を生きるようになるのが心温まります。これ読むと友崎との出会いは必然だったんだと分かります。


みみみはなんといっても、日南や周りへの劣等感、友崎への気持ち、自身の心と悩みに悩む少女でありました。彼女の気持ちを思うと、報われて欲しいとしか。最初からは想像出来ないくらい、印象が変わり、応援したくなる人物になりました。これからどうなる。



軽く読めますが、シリーズを読み進めていくうえで、見逃せないエピソードがありました。是非読んでほしいです。