羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

型破り傭兵の天空遺跡攻略

型破り傭兵の天空遺跡攻略 (角川スニーカー文庫)


主人公は傭兵のハルトではなく、副団長アリアだったか。

てっきり、ハルトがもっとめちゃくちゃな問題児かと構えていたら、良いやつ過ぎて泣けてしまう。


最初はハルトを信頼していいのかと悩むアリアだけど、接していくうちに徐々に彼の隠していた本音や過去を知っていくうちに立場を振り切って、助けたくなるのは熱いです。

ハルトも最初は飄々とした雰囲気でしたが、読んでいくうちに彼の心から漏れ出る悲鳴に胸が辛くなりました。


想像以上に過酷な過去や傷を抱えていたハルトをアリアは救うことを諦めなかった。

そして、最後に見事にハルトを地獄から引っ張りあげることが出来ていて素晴らしかったです!


読みと終わった後の余韻はとても爽やかでした。


ハルトとアリアのこれからの活躍を楽しみにしてます。


ハルトとアリア以外にも団長やゴードン、エフィも人間味があるキャラクターで愉快な仲間でした。団長はドライだが…


続いてほしいです。


(あらすじ)

人智を超えた技術の獲得のため、天空に浮かぶ太古の遺跡を攻略する空挺騎士団。その一つ“叡智の雫”に、副団長アリアの部下として雇われた“歴戦の傭兵”アインハルト。その名に恥じぬ活躍で、遺跡を守護する偽神をねじ伏せ、罠を解き明かしていくアインハルトだったが、超技術の大国すら滅ぼした驚異的な強さの偽神に遭遇し全滅の危機に瀕し…!「ここは任せな。俺は俺の仕事をこなすだけだ」どんな窮地であろうと仲間の命は護り抜く型破りの傭兵が、百戦錬磨の経験と知識を武器に、謎に満ちた空を翔け巡る!第25回スニーカー大賞特別賞受賞のヒロイックファンタジー、ここに開幕!


灰と幻想のグリムガル level.4 導かれし者たち

灰と幻想のグリムガル level.4 導き導かれし者たち (オーバーラップ文庫)


前巻の大規模戦闘の末にモグゾーが死んでしまったことで、再びパーティー全体に影を落とすことに。

マナトを失って、気づいたはずなのに。

また繰り返してしまった。

モグゾーの献身的な姿勢に頼りすぎてしまったパーティー全体の体質の問題。


一度時間を置いて、それぞれが葛藤を抱えながらも再びハルヒロの元に集まるのはとても良い流れだと思います。別のチームに行くという選択肢も与えて、迷わせてから、決断を各自に下させるのは。

ハルヒロにとっては肝を冷やしたでしょうが笑

ランタの弔い方はかなりグッときました。

ランタも少しずつ魅力が見えてくる巻でもありました。


新キャラクザクとメリィが妙な関わりを持ったおかげでハルヒロが大分モヤモヤしてましたが、これからも付き纏いそうで、頑張れハルヒロ。



クザクを加えたハルヒロパーティー達はさらに前に進むことを決めて、険しき旅に挑むハルヒロ達を応援します。終盤のような紙一重の戦闘をものにしていくのがどれだけ大変か。

生きるというのも大変だ。


ソウマさんと関わりを持って、さらなるステージへ。ハルヒロの意思も固まってきたようだ。



(あらすじ)

「驚かすなって、モグゾー」「ごめん、ごめん」モグゾーは、あはは、と笑って頭を掻いた。でも、ものすごい血だ。血まみれで、表情もよくわからない。だけどまあ、なんとか平気そうだ。大きな戦いを乗り越えたハルヒロたちだが、助けられなかった仲間もいて、喜んでばかりもいられなかった。そんな中、予想外の活躍をしたことで、他のチームから引き抜きの誘いを受けるメンバーも。リーダーとして悩むハルヒロは、改めて自分たちがどうしたいのかという想いと向き合ってゆく。灰の中から生まれた冒険譚は、いま新たなステージを迎える!




どうぞ愛をお叫びください

どうぞ愛をお叫びください


青春小説を書くのが上手い武田先生の作品なので楽しみでした。

題材はYouTuberと聞いたときはいったいどんな物語になるのか想像がつきませんでしたが、見事にまとめあげていました。

男子高校生4人の個性豊かな面々が持つゆるーい空気に安心しつつ、いつ波乱が来るのかドキドキしてました。作者のことだから、ただキラキラした話で終わるわけがないと思っていたので、中盤の思わぬ変化から起こる関係のギクシャクにはやっぱりなと笑


YouTuberの収益化の話や視聴者との距離、YouTuberの大変さが詰まっていて、作品にリアリティさを持たせていて良かったです。

YouTuberに限らずだけど、クリエイターが持つ悩みについてはハッとさせられましたし、苦しかったです。

YouTuberが視聴者に求められている形を再現し続けるのは大変なんだなと。


最初は仲良しこよしの空気から思わぬヒットのおかげで変わっていく男子高校生達の揺らぎは見事でしたし、最後の大炎上はどうなるかとハラハラしましたが、収め方にはスッキリしました。みんなが前を向いていられる終わりには胸をすく想いでした。


主人公の松尾くんのサイドストーリーも収まっていてホッとしました。



素晴らしい青春作品でした。


(あらすじ)

男子高校生4人がゲーム実況やってみたらこうなった! 読めば彼らのファンになる、新感覚青春小説。「ユーチューバーやろうぜ」。幼馴染の発した一言が、僕らの物語のはじまりだった。かくしてキャラの違いすぎる男子高校生4人がゲーム実況に参戦! 試行錯誤の末、人気実況者への道を歩き始める。だが、それとともに4人の間に不穏な空気が流れ始め、ついにはある事件が勃発し――。リアル度&爽快度120%の最旬青春小説。


2020年 7月 購入予定&気になる作品

 コロナで自粛があったりと、半年があっという間に過ぎていきました。

7月の新刊は気になる作品はありますが、これは絶対に読みたいといった作品は少ないかな?ただ、いざ書店などにいったら読みたくなるものが出るんでしょうが。笑



新作ではガガガ文庫の新人賞作品の3作品と野村美月先生の新作が気になりますね。特にこのぬくもりを君と呼ぶんだは仲谷さんのイラストということで期待が膨らみます。

 ・期待している新作

このぬくもりを君と呼ぶんだ

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

現実でラブコメできないとだれが決めた?

記憶書店のうたかた堂の淡々



このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)

このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)






記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)

記憶書店うたかた堂の淡々 (講談社タイガ)





新刊は七つ魔と教え子という安定したシリーズの続巻が出ますがそろそろ10巻にいきそうなんですね。

・期待している新刊

戦翼のシグルドリーヴァ下

七つの魔剣が支配するⅥ

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7




七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)

七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)






 

7月1日

角川スニーカー文庫

ラストエンブリオ8

戦翼のシグルドリーヴァ下

7月3日

ジャンプコミックス

アクタージュ 12

ワンパンマン22

7月8日

・文春文庫

拝啓、本が売れません

7月10日

電撃文庫

七つの魔剣が支配するⅥ

7月12日

二見サラ文庫

恋する弟子の節約術

うちの作家は推理出来ない

7月15日

GA文庫

やたら察しの良い俺は、毒舌クーデレの美少女のデレを見逃さずにぐいぐいいく

7月16日

ハヤカワ文庫JA

日本SFの臨界点 恋愛篇 怪奇篇

7月17日

ファンタジア文庫

拾われ復讐王女の暗殺先生

俺がラブコメ彼女を絶対に奪いとるまで。2

ネクラとヒリアが出会う時

ガガガ文庫

このぬくもりを君と呼ぶんだ

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

現実でラブコメできないとだれが決めた?

ヤングジャンプコミックス

推しの子1

かがみの古城2

かぐや様は告らせたい19

星海社FICTION

魔女の愛し仔

7月18日

メディアワークス文庫

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ2

7月20日

・MF文庫

異世界、襲来02

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7

超高度かわいい諜報戦2

終焉ノ花嫁

花とゆめコミックス

墜落JKと廃人教師8

7月22日

オーバーラップ文庫

灰と幻想のグリムガル16

講談社タイガ

記憶書店のうたかた堂の淡々

7月29日

新潮文庫nex

コンビニ兄弟

 

 

 

むすぶと本。『さいごの本やさん』の長い長い終わり

むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり むすぶと本。番外編


むすぶと本。外科室の主人公のむすぶの出張編。

本の声が聞こえるむすぶが来たおかげで埋もれるはずだった真実が大切な人達に伝わることが出来て良かったです。


店主を失って閉店することになった書店に支えられた人達が、店がなくなる前にやり残したことや思い残すことがないように前に進めるようになっていくのがとても良いです。

王道な流れですが、野村美月先生が描くと文章を追っていくだけで心が温まったり胸が苦しくなるので、凄いです。

登場する人物達の想いが晴れていく様が見応えあります。

むすぶが来たおかげで、本と人、人と人の繋がりが浮かび上がっていて、良い物語の流れでした。

様々な人が褒めて、死を惜しんだ店主の人となりや最後に考えていたことが分かる最後には感動しました。


この作品読むと書店のありがたさや大事な場所だということが伝わってきました。


こちらも

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/06/30/210000


(あらすじ)

街の“最後の書店”で起こった、かけがえのない出会いと小さな奇跡の物語 
店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。そこに現れたのは、故人の遺言により幸本書店のすべての本を任されたという都会から来た高校生・榎木むすぶ。彼は本の声が聞こえるという。その力で、店を訪れる人々を思い出の本たちと再会させてゆく。いくつもの懐かしい出会いは、やがて亡くなった店主・幸本笑門の死の真相へも繋がってゆく――。“本の味方!”榎木むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー。



むすぶと本。『外科室』の一途

むすぶと本。 『外科室』の一途 (ファミ通文庫)


野村美月先生の作品が読めるとは嬉しくてたまらないですね。

まぁ、全作品を読んでいるわけではないんですが…


さて、本作は本の声が聞こえる少年・むすぶを軸にして、本を大切にしているからこそ苦しんでいる人や本の内容と自身を重ね過ぎてどこへ行けばいいのか分からなくなってしまった人達と向き合っていくという話。

どの話も甘くて苦しいところは有るんですが、最終的にみんな救われているというに安心します。

個人的には最初の話が1番好きですね。

読者と作品ではある意味理想的な関係だったので。


むすぶは本の話を聞いてヒントを得ていくというのが愉快で良いですし、ヒロインの夜長姫や王子的な存在の姫倉先輩がむすぶを支えているからむすぶも前を向いていられるし、逆に夜長姫や姫倉先輩もむすぶに救われているという関係が良いです。


まだ始まったばかりでむすぶと夜長姫や姫倉先輩との馴れ初めが明かされておらず気になりますし、どうやらむすぶを好きになってしまったヒロインもいるようで、これからが楽しみです。


この作品を読むと一つ一つの本との出会いや思い出を大切にしようと思いました。


この作品の雰囲気が気に入ったらこちらも

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/01/210000


(あらすじ)

野村美月×竹岡美穂が紡ぐ、人と本のための物語、開幕! 
本は読み手を、深く愛している。 
本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!


異世界、襲来01 プロジェクト・リバース

異世界、襲来 01 プロジェクト・リバース (MF文庫J)


異世界の文明が日本へ侵略してきて、人類が追い詰められている状況でヒーローが誕生する王道な物語。

人類のピンチに特殊な力とスーツを得て、主人公のユウが情勢を変えていくのが楽しみな出だしでした。

最初は不遇な扱いを受けていたが、そうした立場から一転して、ヒーローになるということでまだ覚悟や姿勢が揃ってないみたいですね。

ただ、これからどう変わっていくのか気になります。

緩やかな物語の展開の仕方で、盛り上がりには達しなかったが、来月発売する2巻で大きく動くのかな?

設定やシチュエーションの良さで読めましたが、2巻でこの作品のポテンシャルが見えそうですね。



あとがき読む限りだと、特殊なジャンルで敬遠されていた企画に丈月先生が積極的に挑戦した形になっているのは良いな。

というか裏事情は明かして良いのか?笑



(あらすじ)

世界を救うのは、いつだってヒーローだ。 
突如、現代社会に現れたポータルから、異世界文明は人類への侵攻を開始。ドラゴンが飛来し、大魔術師が襲撃する世界へと変貌した。中学生の一之瀬ユウは国家プロジェクトの幼年従事者として、国防軍所轄のナノテクノロジー研究所に徴用される。彼は運命の導きにより、かつて国防の要であった人型戦闘機械『アスラフレーム三号』の継承者として選ばれる。それは『着装者三号』の愛称で親しまれ、日本に平和をもたらす救世主としてグッズ化、映像化もされるなど、社会現象になるほどの人気だった。大人も子供も憧れた彼はまさしく、ヒーローだった――。丈月城×しらびによる、ヒーローVS異世界の革命的戦記、ここに開戦!