羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

子ひつじは迷わない 騒ぐひつじが5ひき

子ひつじは迷わない 騒ぐひつじが5ひき (角川スニーカー文庫)

 

楽しい楽しい文化祭。

全体的に賑やかな雰囲気でしたが、文化祭特有の話がしつじ喫茶くらいで他は平時でも出せる話だったのは残念でした。

個人的に文化祭だからこそ起きたミステリーが読みたかった。

あまりのめり込めなかったですが、佐々原、仙波、会長さんの心境などを追うのは楽しかったです。

特に最後に明かされた会長の一面が表に出てきてたところはニヤニヤ出来て良かったです。

 

 

“ひつじ”ならぬ“しつじ”喫茶で文化祭を盛り上げる「迷わない子ひつじの会」。会長の執事服姿やら佐々原のメイド服姿やらに浮かれる“なるたま”こと成田真一郎だったが、伝説の必殺剣の正体、『々人事件』なる奇妙な小説の謎など、隣部屋の“毒舌ツンダラ名探偵”仙波を巻き込んでのお悩み相談も相変わらずの大忙し。ワケあり女子たちに翻弄されまくる“なるたま”のおせっかいぶりに、佐々原がついに覚醒するって、何に!?―。

2021 7本目 映画 街の上で

今泉監督で若葉さんが主演で気になっていた街の上を観てきました。

下北沢を舞台にした群像劇で、恋愛や人間関係のままならない気持ちが交差していくのは物語ではあるんだが、想像に収まらない方向へあっちこち揺れながら進んでいくので最後まで目が離せない作品でした。

エンドロールが流れた後の登場人物達のこれからが見たいと思えるくらいどっぷり浸かってました。

 

付き合ったり別れて、でも気持ちはあの頃の方が…と複雑な気持ちが出ていて良かったです。

人を好きになることや、次へ進みたい気持ちを出すために背中を押してもらえるような映画でした。


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リバース&リバース 文庫

リバース&リバース (新潮文庫)

 

ふと気になって読んでみたら大当たりでした。

表紙やあらすじから生きていて悩んでいる少女の物語なんだなと思っていましたが、素直に明かさずにオセロのように白、黒パートで語り手が変わっていて二つの面から進む物語で非常に惹きこまれていきました。

途中から、あれ?と思ったが、最後に白黒が混ざり合って、反転していく様は見事でした。

ヒントはあって、読者に気づかせようという配慮も好感が持てます。

郁美の苦しみや行先の決められない感情が絶妙な配分で描かれていて、感情移入しやすい作品でした。

さらに印象的な台詞が多々あり、生きていくうえでの救いを感じました。被害者、加害者についてなんて唸るしかないです。

学生や大人でも悩むことはある。

それでも今だけでなく先にも目を向ける視野があれば生き方も変わるなぁと。

単純な言葉では表せない魅力がある作品でした。

 

奥田亜希子先生の他作品も読んでいこうと思います。

 

大切なものは、些細なことで壊れてしまう――。ティーン向けファッション誌の編集者・禄は、お悩み相談ページに投稿してきた渚との間にトラブルを抱えていた。地方に暮らす中学生の郁美は親友の明日花とともに同誌を愛読中。だが、東京からの転校生・道成の存在が二人の関係を次第に変えてゆき……。出会うはずのない人生が交差するとき、明かされる真実とは。驚きがやがて胸打つ感動にかわる、新しい時代の青春小説!

クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。2

クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。2【電子特典付き】 (MF文庫J)

 

結婚を隠しているからこそ、本音で友人の陽毬と話せない朱音の焦ったい気持ちがよく伝わってきました。

あと、陽毬が才人へアプローチをするため、朱音は陽毬を応援するが、徐々に我慢出来なくなっていって、たまらずに心から溢れでた台詞は破壊力がありました。

結婚したから油断していたが朱音が安心していられない状況に陥ったからこそ、自分の気持ちを自覚した朱音が今後どうなってるかいくのか楽しみですね。

才人も才人なりに思うところがあり、朱音への気持ちを考えることになり、変わっていきそう。

根本的な2人の気持ちが表に出てきて、関係がどのように変わっていくのか気になります。

ただ、頑固な2人だからこそ変化はゆっくりだと思うが、心を通じ合せていくのが見たいですね。

陽毬もまだ折れていないので、どう関わってくるか。

 

次巻が楽しみです。

 

 

嫌い合う二人の結婚生活に芽生える想い。この気持ちに、名前はまだない。

新婚生活をスタートした才人と朱音。時にはぶつかりながら、お互いのことを理解して順調に距離を縮めていく。
学校では結婚していることが周囲にバレないよう気を付けて過ごしていたが……。
ある日朱音は陽鞠から予想外の告白をされる。
「私、ね。その……才人くんのこと、好き、なんだ」
親友である陽鞠の願いに応えるために協力を決めた朱音は、才人のことをもっと知るために動き出す。朱音の協力のおかげで、急接近する才人と陽鞠――。
朱音は親友の喜ぶ姿が見られて嬉しい気持ちの一方、胸の中で広がる”モヤモヤ”に困惑してしまい……?
素直になれそうでなれない、もどかしい高校生夫婦の胸キュン新婚生活第2弾!

キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~ (メディアワークス文庫)

 

綺麗に完結。嗄井戸の姉を殺した犯人ときっちり決着がついたのは良いですが、犯人が安っぽくて唐突に感じたのは残念でした。1巻から明かされていた嗄井戸の姉の惨殺事件の背景から一筋縄にはいかないと思っていたので期待が膨らんでいたので、よりそう思いました。

倫理観が壊れた犯人に対して嗄井戸と奈緒崎が不器用ながらも抵抗してみせるところはスリルがあり良かったです。

互いに支えあっていけるようになってめでたしめでたしで終われて救いがある結末はホッとしました。

束ちゃんも掘り下げられていて、彼女も救われたのは良かったです。

 

今作品は重い、軽い雰囲気の話が混ざり合っていて読み応えがある作品でした。

上手くまとまっていました。

 

第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞》受賞作、衝撃の完結編!

嗄井戸の部屋からスナッフフィルムを見つけた奈緒崎は過去の事件を解決するべく、フィルムアーキビスト菱崖小鳩に協力を依頼する。
嗄井戸に疑いの目を向ける束に相対しながら、嗄井戸の味方でいることを選んだ奈緒崎だが、真実に近づくにつれ、苦境に立たされていくことに。そして迎えた大晦日の夜、二人はとある決断をする――。
数々の名作の裏に隠れた事件の真相を解き明かした時、落下するのは誰なのか?

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14.5 (ガガガ文庫)

 

俺ガイルが読めるのは嬉しいなぁ。

特典の短編集だからボリュームはないが、1話1話噛み締めるように読みました。

やはり八幡達の日常はややこしくて拗れているが愛着があって、良いなぁと耽りながら読めました。

八幡の語りは相変わらず癖があって安心して読めました。

小町やいろはすの話で八幡達が高校3年生になって、環境の変化があり、変わっていくのがよく分かりました。

小町、いろはすの混ぜたらいけないコンビが仲良くなっているようでなってない。だけど親しくなるのは微笑ましいです。

 

八幡が雪乃をよく理解しているような彼氏面しているのがたまにあったが、本当に付き合っているんだなぁと。デレのんの破壊力は素晴らしいです。

 

まだまだ終わらない俺ガイルの展開が楽しみです。

 

平塚先生の出番ないのは寂しかったです。

 

奉仕部、世代交代!?賑やか年下短編集!!

だから、まだまだ青春は終わらない。

青春とは人それぞれ。特に、この二人にとっては青春もまた全然違う見え方をするようでーー。

「あざとかわいい」を体現する、最強の後輩で世界一可愛いクソ女(?)こと一色いろは
そして、計算か天然か、「ちゃっかりだけどどこか抜けてる」世界の妹・比企谷小町

八幡、雪乃、結衣とはまったく違うタイプの二人が巻き起こす、今までとはひと味違った日常!
3人だけだった奉仕部に、新たな風景が描き出されるーー。

最高に可愛くて、最強で末恐ろしい、俺ガイルの中でも異彩を放つ年下ヒロインによる賑やかなエピソード。
単行本未収録SS、さらに完全書き下ろしストーリーもたっぷり入った珠玉の短編集!!

結婚が前提のラブコメ4

結婚が前提のラブコメ 4 (ガガガ文庫)

 

1巻のように婚活に力を入れていて、非常にのめり込めました。

せっかく婚活という題材を使っているのにラブコメ要素が多くなっているのが気になってましたが、今回は軌道修正を果たしていて良かったです。

ダメンズにばかり惚れてしまう、まひるさんにスポットが当たり、彼女が抱えていた想いが明らかになりました。

きっと誰しもが思うことだろうが、結婚することで大なり小なり変わっていってしまう。変わらざるを得なくなる。そのことをまひるさんは考え過ぎてしまって前に踏み出せなくなった。そんなまひるさんが幸せな結婚にたどり着くために背中を押す縁太郎達の支えがまひるさんき刺さり、幸せを手にする展開は胸が熱くなりました。

 

縁太郎が目指すところが見えた気がしました。

縁太郎の相談所のあり方として大切にしていることは眩しかったです。道は険しいですが、諦めずに前に進み続けてほしいですね。

 

まひるママへの、婚活プレゼンバトル!!

ホストと別れ、自暴自棄になるまひる。見かねた結衣たちは、一計を案じる。

まひるに【ダメだけどダメじゃない殿方】を紹介するのですわ!」

まひるのため、そして縁太郎へのアピールも兼ねて、結衣たちはそれぞれ3人の“ダメンズ”を紹介することに。

結衣の友達のパリピ坊主、玉置。
カレンのファミレスの同僚で、ギャンプル好きの阿笠。
牡丹の同期デビューで、言動が残念な天才マンガ家、男爵。

果たしてまひるは、今度こそ“結婚が前提の交際”ができるのか――?

大人気婚活ラブコメ、“変化”をめぐる第4幕!