羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎

コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎 (ミステリ・フロンティア 109)

 

あらすじで興味が湧き、読んだが面白かったです。

コージーミステリーというのはあまり読みなれてなかったが、読み進めていくうちにのめり込めました。

探偵ではないが、好奇心を持つそれぞれの大人がカフェであーでもない、こーでもないと議論していく様子が魅力的で、最後に寡黙な店主が謎の真相を当てるという様美式も飽きることく物語に入れます。

店主が話すまでの推理の推移も手堅く、話の行方を最後まで読みたくなる構成でした。

 

作中、ほぼ会話で展開していくのだが、飽きるどころがもっと登場人物の話を聞きたいと思いました。

ミステリーとしてはもちろん全話冴え渡ってました。

会話のちょっとしたところが解決に繋がるので、些細な部分も見逃せません。

 

魅力的な登場人物、日常に起こる謎として絶妙な塩梅、推理を巡らせる楽しさ、魅力的な作品でした。

読み終えても、彼らの会話が読みたくて仕方ないです。

 

各話の締めに挟まれている作者のコメントも味があって、より作品に好きになりました。

 

今作を読んだら、コージーミステリーの有名作に手を出したくなりました。

 

 

昨日行った居酒屋が消えた? 引き出しのお金が四万円も増えていた? 誰も死んでいないのに姉から喪中はがきが送られてきた? ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、いつも謎を解き明かすのは店主の茶畑さんなのだった。もっと気軽に謎解きを楽しみたいと思っていた皆さんへ贈る、ユーモラスなパズル・ストーリー七編。期待の新鋭のデビュー作。

月光亭事件 創元推理文庫版

月光亭事件 (創元推理文庫)

 

太田忠司先生の作品が気になっていた中、手に取りやすそうな今作を読みました。

 

少年探偵・狩野と犬・ジャンヌが探偵・野上のお手伝いすることに。そんな時に依頼が来て事件に巻き込まれる。

無邪気な狩野の性格に頬が緩む。

ジャンヌの振る舞いにも愛おしさを感じました。

事件の調査で活躍する狩野少年の観察眼は大人に引けを取らないもので、出来過ぎでは?と思ったが、そこに至るまでの理由があり、納得しました。たが、その理由は切ないもので、野上と過ごしていって良い方向にいきますように。

野上が狩野を子供としてだけでなく人としても見ているので、2人の絡みに安心感がありました。

 

緩い雰囲気がありつつ、事件は背景含めて重めでした。その差が巧みでした。

事件の真実に繋がる伏線はありましたが、足りなかったかなという気もしましたが、種明かしでインパクトはありました。

 

続きも読みます。

 

 

引退した名探偵・石神法全の後を継いで探偵事務所を営む野上英太郎の元に、ある日猫を連れた少年が訪れる。卓越した推理力を持つその少年・狩野俊介は、石神との出会いを契機に探偵を志していた。野上は彼を助手として、直後に舞い込んだ依頼―大病院の院長の妻に取り入り、一家の館に居座る奇妙な宗教家の正体を暴くこと―に乗り出すが。少年探偵・狩野俊介シリーズ第一弾。

ソードアート・オンライン プログレッシブ2

ソードアート・オンライン プログレッシブ2 (電撃文庫)

 

キャンペーンクエストを受けるということで、階層攻略要素はなかったが、十分面白かったです。

エストのNPCのキズメルさんがNPCとは思えないほど生きていて、戸惑うのも無理ない。ゲームの要素だと割り切れないくらい親しくなっていくのは先行きが不安ですが、キリト、アスナ、キズメルが良い関係を築いていってほしいです。

 

アスナが強くなってきていて、キリトが関係を考え始めるのは当然か。

いつまでも暫定パーティでいられない。

いつかは離れるが、互いのためだからな。

 

最前線のパーティ組んでるリンドやキバオウがキリトとアスナを気にするのも仕方ないかなぁ。

キリトはともかく、アスナはプレイヤー達の希望になりそうなカリスマ性があるからな。

今回でキリトとアスナへの認識が変わりそうなのは良かったです。

キリトはんって…笑

 

 

プレイヤー達が階層攻略を目指すものだと思うが、プレイヤーを混乱させようとする派閥が生まれるのは理解出来ない。

暗躍の影はこの段階から始まっていたのか。

 

アインクラッド第二層のボスモンスターを、激闘の果てに倒した“ビーター”のキリトと、その暫定的パートナーである細剣使いアスナは、次なるフロアへの階段を上る。第三層。そこで二人を待ち構えていたのは、フロア全体を深く包み込む大森林と、初めての大型キャンペーン・クエストだった。森の中で戦う二種族のエルフの騎士たち。そのどちらかに加勢することで、クエストは開始される。“ベータテスト”時は必ず相討ちになっていた二人のNPCだが、キリトたちは黒エルフの女性騎士“キズメル”を生き残らせることになぜか成功してしまう。ベータ時との違いに戸惑いながらも、NPCであるキズメルと交流を深める二人。一方、他プレイヤーたちによって、ついに第三層初の“攻略会議”も開催される。そしてその会議の場で、キリトとアスナは、ひとつの重大な選択を迫られる…。

探偵はもう、死んでいる。6

探偵はもう、死んでいる。6【電子特典付き】 (MF文庫J)

 

表紙の素晴らしさよ。

最初の飛行機で出会った君塚とシエスタの話かなと思ったら、それよりも前の話でした。

シエスタが君塚に隣に座るまでの心情が描かれていて、見事でした。

 

シエスタと君塚が飛行機で出会う前の物語。どれだけ2人の関係には秘密があるのか。

物語の展開や切り口が意をつくことばかりで作者の発想には驚かされるばかり。

探偵はもう、死んでいる。というタイトルもそういう意味にも当てはまるのかと分かった時は恐ろしさすらありました。

 

少年の頃の君塚の生活の背景や状況、シエスタが1人で動いていた時の心情、2人が初めて出会うまでと出会ってからの変わりように心が暖かくなりました。

たしかに君塚がどんな風に育ってきたのか気になっていたが、そうだったのかと。

君塚がお世話になっていたダンの秘密や願いには胸が熱くなりました。

シエスタも、君塚と出会う前はそんな動きをしていたのかと興味深かったです。

 

加瀬さんの秘密も知れて良かったです。

 

君塚の過去を知って、さらに絆が深まっていきそうですね。

 

君塚達の旅の小休止の話にしては中々揺さぶられるものがありました。

 

これは君が私と出会う物語。そして私が君と出会う物語。

名探偵の私・シエスタと助手・君塚君彦の出会いは、地上一万メートルの上空、ハイジャックされた飛行機――ではない。
「あなたには、日本へ行ってもらいたいのです」
本当の始まりは四年前、《連邦政府》から受けたあるスパイの捜索依頼。
日本に飛んだ私が加瀬風靡の協力を得て彼の関係者との接触を図ると――

「ちょうどいい、お前も覚えておけ。その腹立たしいクソガキの名前は――」

ねぇ、助手。どうして私が君を旅に誘ったのか、不思議に思ったことはない?
今から語られるのは、三年にわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げた君ですら知らない、私だけの秘密。
あの遙かな空の出会いに至るまでの、真の始まりを描く前日譚。

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE S&Mシリーズ (講談社文庫)

 

館モノミステリー。

巻数を重ねて、様々なタイプのミステリー話を読めるのは嬉しいが、今回はあまりにも煮え切らない締めだったのは残念でした。

事件の被害者達や関係者の思惑もハッキリせずにモヤモヤする終わりで、犯人の動機も分からずに締めくくられるのはなぁ…

 

館に仕掛けられた不思議なオリオン像については真相が明らかになるまで分からなかった。

明らかになったら、あぁ!とやられた気持ちになりました。

 

萌絵の友人に振り回される犀川先生に可愛さを感じました。

 

偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。

凍りのくじら 文庫版

凍りのくじら (講談社文庫)

 

辻村先生の作品はまだ、数冊しか読んでいないが、その中でも屈指の満足度!

辻村先生の作品でこれ以上のものはあるのか?と思ってしまうくらい面白かった。

 

主人公・理帆子の冷めた生き方は当てはまる人はいるのではないか。多数よりは少数派かもしれないが。

そんな理帆子が少しずつ、少しずつ、心変わりしていく様子が描かれていて、出会う人の暖かさと人間の弱さを知ることで理帆子自身の成長に繋がっていて、良い読後感でした。

人の良いとこ、悪いとこ、両方知ったうえで希望ある締めくくりだったのは素晴らしいです。

 

ドラえもんの秘密道具になぞらえたエピソードになっていて、後々に効いてくる構成になっている。

 

理帆子の成長、変化物語でありながら、ほんのりミステリー要素もあり、終盤の種明かしにしてやられました。

 

感情の掘り下げ方が巧みで、読んでいて没頭してしまう作品でした。

 

人をすこし・○○と括っていた理帆子の考えがたどり着いた先は凄く良いと思った。

 

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)

 

モニカの学園で過ごす日々はドタバタ騒ぎの絶えないもので、読んでて楽しいですね笑

モニカが周りに話せる人ができて、学園のことに興味も持てるようになってきて、日々変化していくモニカの様子を追うのが微笑ましい。

だが、穏やかな日常だけでなく裏の陰謀も挟まっている。

モニカの貴族とは違う振る舞いに違和感を持っていて、攻撃してくるのは予想内ですが対策をしないといけないですね。

しかし、モニカの人となりを知っている人が少しずつ増えてきて、学園で守ってくれるのは頼もしい。

 

今回の終盤に起きた事件では人の裏側に触れても、その人の良さを忘れずに変わらず優しく対応しようとするのがモニカの良さですね。

 

だが、それはモニカの立場的に良いことなのか、否か。

 

モニカが自分の目的を忘れているのが心配要素で、いつか身バレするのかな。

 

それにしても、フェリクスは作品の行方を握っているようで、彼の目的は何なのか。

気になります。

 

 

魔力測定&恩師の赴任――最強の魔女、正体バレの危機に思わず失神!?

〈沈黙の魔女〉モニカは第二王子を狙う敵を極秘裏に“処理”。生徒会会計にも抜擢され、護衛任務は順調……かに思えた。
しかし正体バレの危機が次々襲来!? かつての恩師が赴任してきたり、七賢人になるほどの魔力量なのに魔力測定に巻き込まれたり、普通の学園生活に最強の魔女は失神寸前!
皆には簡単な社交ダンスやお茶会だって、モニカには精いっぱい。それなのに、第二王子にも次なる危機が迫り――?
無詠唱の魔女の極秘任務、メンタルが試される第二幕!