羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2021年8本目映画・映画大好きポンポさんを観に行きました!

作品は知っていて、面白いという評判は聞いていたので映画を観て見ましたが、想像以上に面白くてビックリしました!

 

映画作りで必要なみんなで作るという大切さと主観と客観の中間に立って考える重要さは当たり前だけど、当たり前だから難しいなと。

撮影の楽しさや大変さ、撮影が終えた後の監督や編集の作業は想像絶する過酷さがあって、完成するまで油断出来ないものなんだと教えられました。映画を作る意味、誰に届けるのか、映画に限らずに大切なことを考えさせられました。

 

話は落ち着くことなく、ジェットコースターに乗せられたように、わいわいしたり、本気なところ、苦しみながら足掻く姿など、ぽんぽん進んでいきながら登場人物の抱えているものなどの背景も見せて違和感なく物語を展開していくのは見事としか言えないです。

劇中で映画作りを主題にしていて、その映画自体も非常に魅力的でした。まるで映画2本観たような満足感が得られました。

 

映画を観ていて、何度か泣きそうになるくらい突き刺さる場面があり、それは人それぞれ違うところだろうから、多くの人に観てもらいたい映画になっていました。

 

監督や脚本、映像、音楽やキャストも絵もその他スタッフみんなの相乗効果を感じました。

 

原作やパンフレットも読みたいですし、音楽も改めて聴きたいと思いました。

ゆくゆくは円盤も買いたくなるくらいハマってしまいました。

 

終わり方もなんともエッジの効いた演出で素敵な幕引きでした。

 

観終わると、自分も本気で動きたくなる勇気を貰いました。

 

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パズラー

パズラー 謎と論理のエンタテインメント (創元推理文庫)

 

ミステリーとして倫理的に事件の真相に迫っていく過程にある議論がどの話も魅力的でした。

各話の軸になる謎自体も最後まで読まないとわからないようになっていて読む手が止まらないですね。いったいどんな真相か気になって仕方ないです。疑問から解決までの思考の発展の仕方が大胆なようで違和感がないのは凄かったです。

各話解けた時は様々な余韻があり、後に残るものばかりでした。

 

各話登場していく人物達に味があり、話に入りやすかったです。特に女子高生が主役の時計じかけの小鳥とアリバイ・ジ・アンビバレンスは謎も良いが、何より話の畳みかたと心理が素晴らしくて何度も読みたくなる完成度でした。

 

初めて西澤先生の作品を読みましたが、ハマったので先生の他作品も読んでいこうと思います。

 

 

高校の同窓会に出席する予定の小説家・日能は、幹事から衝撃の事実を聞く。ずっと亡くなったと思っていたクラスメイトが、実は生きていたのだ。何をどう勘違いしてそう捉えていたのか、訝しみながら同窓会当日を迎えると、さらに謎は深まるばかりで……「蓮華の花」。数年ぶりに訪れた書店で購入した文庫本に、謎のメッセージが挟まれており、そこから小学生時代のある出来事に結びつく「時計じかけの小鳥」。都筑道夫の代表作〈退職刑事〉シリーズのパスティーシュ、「贋作『退職刑事』」など、論理的な謎解きに徹底的にこだわった、全六編を収録。

気障でけっこうです 文庫

気障でけっこうです (角川文庫)

 

ませた女子高生・きよ子が公園に埋め込まれているシチサンサラリーマンと出会うことで始まる不思議な交流。

ぶっとんだ始まりだが、きよ子の成長を描いている青春物語でした。

埋め込まれていた理由もちゃんとあって、柔らかい文章で軽妙に進んでいきながらもしっかり向き合わないといけないところもあり、読み応えがありました。

生きづらさがある世界でめげずに生きようと決めたきよ子の気障さに勇気を感じました。

タイトルの意味や公園に埋められていた理由など、しっかりした構成で物語の着地点が綺麗なのが素晴らしい。生き方が変わるターニングポイントを描いていて、読んで良かったです。

 

友人のキエちゃんは存在がファンタジーみたいでした笑 自由自在に生きるのは難しいですができたら良いよね。

 

寂しかったり、悲しかったり、やるせないが背中を押される物語でした。

 

女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽり埋まったおじさんだった。「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり…」と間抜けな格好で嘆く男。きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院へ。その後、目を覚ましたきよ子の前に、なんとあの男が現れた。「私、死んじゃったんですよ」そう、幽霊となって―七三分けの気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。

呪術廻戦 夜明けのいばら道

呪術廻戦 夜明けのいばら道 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)

ノベライズ第2巻。

1巻に続き2巻も良い話ばかりでした。

登場人物に寄り添っていて、原作では尺の都合や雰囲気的に入れられなかったような、溢れる感情を拾っていて素晴らしい。

釘崎とメカ丸の掘り下げは渋谷事変を読んだ後だとより心にくるものがありますね。

伊地知さんの話は1巻に引き続き入っていて、人気なのかな笑

五条先生の伝わり辛い優しさは伊地知さんだけなのか、普通に大人として素敵だから伊地知さんは頼られるんだな。多忙になるが。

真衣の話では大分彼女の印象が変わりますね、真希さんとは違うベクトルで芯があって、嫌いになれないですね。

伏黒と釘崎の虎杖への気遣いはジーンときました。何もないように振る舞っていながら3人がそれぞれの気持ちを尊重して一緒にいるのは素敵だ。ずっと見ていたい仲の良さ。

 

どんどん、ノベライズの続きが出て欲しいなぁ。

 

 

 

八十八橋の事件後、街で買い物をしていた釘崎は、何やら馴れ馴れしい男に声をかけられる。男は芸能プロダクションに勤めているスカウトマンらしく、釘崎をスカウトしたいと言うのだ。
しかし、男の正体は「言った言葉を信じさせる」という呪言を扱う呪詛師で!?
そして釘崎のピンチに駆けつけたのはこれまで接点の少なかった狗巻だった!
他にもメカ丸や真依の京都での任務や、東京校一年生がアミューズメント施設で遊び倒したり、五条・伊地知・家入の飲み会など5編を収録!

とらドラ!1

とらドラ! (電撃文庫)

 

アニメ全話見ていて、面白いのは分かっていたが何故か読んでいなかったラブコメの名作。

内容が分かっていても終盤はグッとくるものがありました。

竹宮先生の文章は読みやすくて、頭の中に入り込んでくる感じがありました。

 

好きな相手にアタックするために始まった、竜児と大河の協力関係はドタバタ騒ぎの連続で、ぶつかり合いながらも信頼を得ていくのは納得です。

竜児と大河の不器用だけど自分の気持ちを大切にしようとしているところや、諦めたくなる状況でも好きな人を諦めない姿勢には心を打たれました。

心から叫んで、前に進もうとする2人を応援したくなります。

 

少しずつだけど、変わっていく竜児と大河の関係も見ものです。

 

桜舞う四月。高校二年。新しいクラス。目つきは悪いが普通の子、高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴獰猛、“手乗りタイガー”と恐れられる逢坂大河と出会う。そして彼女の知ってはいけない秘密を知ってしまい―。それが竜虎相食む恋と戦いの幕開けだった!いつもにこにこ、超マイペース娘の櫛枝実乃梨、文武両道、勤勉実直、だけどちょっとずれてるメガネ委員長、北村祐作も絡み、どこか変なメンツによる恋はすんなりいくはずもなく…!?『わたしたちの田村くん』の竹宮ゆゆこ&ヤスが贈る超弩級ブコメ登場。

カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています4

カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています4【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

表紙の通り真由がぐいぐい攻めてくる。

2.3巻で腐れ縁の彩華との距離を考えたり、元カノの礼奈との関係を修復したりと悠太の目が他に向いていたので、久しぶりに悠太と真由の話になりました。

ぶっちゃけると彩華と礼奈と比べると真由が幼く感じてしまうから、どうするかと思いましたが、強引にいくとはね笑 2人にはない魅力ですね。

 

真由の恋愛に対するスタンスが周りと違っていたのはそういうことだったのかと納得する過去でした。

悠太が他の人とは違って、素で話したり会えるので巡り会えて良かった。

悠太は悠太で真由への気持ちが形にはなってはいないが芽生えいるんだな。

それが恋とは言えないけど。

 

悠太が優柔不断になっていて、現状維持を1番に考えているのでヒロイン達が動かないと変わっていかない感じか。

真由、彩華、礼奈、悠太を意識している面々で争いが生まれそうですね。

 

個人的には彩華しかいないんだが。

悠太次第でしかないが、その悠太が決める雰囲気がないので、先が読めないラブコメですね。

 

先輩は私の、特別だから。 後輩・真由と“お試し交際”スタート!?

浮気の一件で生じたわだかまりが解け、俺・羽瀬川悠太と元カノ・相坂礼奈は新たな一歩を踏み出した。
といってもヨリを戻したわけではなく、ただお互いを理解しているよき話し相手。
そんな俺の家に入り浸る後輩・志乃原真由との関係も――ちょっとだけ変わろうとしていた。
「どうです先輩、私で一定期間恋人生活をお試しするのは」
ズレた恋愛観を世間に合わせたいと言う真由と、期間限定で“お試し交際”が始まった!
恋人モードな彼女に振り回されつつ、変わらない居心地の良さにどこか安心する俺だったが、
「私のこのドキドキは、恋ですか」
お試し交際の終わりを前に、彼女の願いが告げられる――。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5 (角川スニーカー文庫)

 

もう、表紙だけで終わりを感じられて泣きそうになりますね。ぶーた先生の絵が素晴らしすぎる。

吉田と沙優の日々が好きすぎて終わってしまうのが寂しいと思ってしまうが、しっかり沙優の成長を見届けたいという気持ちで一気読みしました。

吉田と沙優の同居生活に遂にピリオドを打つことに。

沙優の家に着くまでの時間はゆっくりしたり、リラックスしながらも、しかし着実に終点に向かっているようで嵐の前の静けさみたいでした。過去の友人と向き合うところは吉田が側にいてくれたから沙優も踏ん切りをつけられた。吉田も沙優も辛いところでした。

そして、沙優の家に到着と同時に…

分かってはいたが、嫌な始まりでした。

沙優、吉田、一颯、沙優母が集った会合はそれぞれの言い分があり、気持ちが入り乱れていて、非常に揺さぶられた。

沙優母との話し合いで沙優が逃げずに立ち向かったのは偉い。よく成長した。

吉田は言えることが限られていたが、その中でも沙優、一颯、沙優母に響く誠意を見せていて、素晴らしい対応だったと思います。

良い落とし所だったんじゃないかな。

沙優母や一颯にも事情があり、すぐに修復出来る家族関係ではないが、それでも最善の答えを導き出したんじゃないかな。

 

そして、吉田と沙優の別れ。

決まっていたことだが、胸が酷く痛みました。

2人の会話は今までの日々は間違っていなかったと証明するようで美しかった。

 

いざ別れて見てからの吉田の感情は切実で、苦しい。よくぞここまで吉田の胸中を抉り出すなと。沙優が吉田に救われたように吉田は沙優に救われたんだよな。

 

そして、吉田と沙優だけではなく、周りの人も変化していて、未来に歩いているのが嬉しいばかりです。三島は最初からは考えられないですね。笑 あさみも大人になりそうで良かったです。

 

どう終わらすのかと思いましたが、最後の演出は泣きました。

なんて心揺さぶる場面を持ってくるんだ。

続きが読みたいっ!

 

しめさば先生、完結まで見せていただきありがとうございますと共にお疲れ様でした。

 

 

 

あなたに出会えて良かった。サラリーマンと女子高生の同居物語、堂々完結! 共に北海道の実家へ向かう吉田と沙優。しかし扉を開いた沙優を待っていたのは母の平手打ちだった。母と、そして自分と向き合う沙優、それを見守る吉田の決意は……。恋人でも家族でもない二人の物語、堂々完結!