羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

そして、よみがえる世界。

そして、よみがえる世界。

 

あらすじから好きそうだったが、やはり読んで良かったです。

序盤から中盤にかけて物足りない感じがありました。説明が多くて、見えない部分があるのが理由かな。

しかし、中盤以降の謎の種明かしと緊迫した展開にはのめり込めました。

前半の謎だった部分が明らかになることで、見え方か変わる構成だったのが良かったですね。

また、隠されていた真実は辛かったが、それが報われる終わりだったのは救いがありました。

 

最後まで読まないと判断出来ない物語でした。タイトルに直結する最後には込み上げるものがありました。

SF、ミステリ、バトル、全てが詰まっていて魅力的でした。

 

医療テック企業、SME社が開発した脳内インプラントテレパス〉によって、介助用ロボットや仮想空間〈Vバース〉でのアバターの直接操作が可能となり、身体障害者の活動範囲が大幅に拡大した近未来。事故で脊髄を損傷しテレパスユーザーとなった脳神経外科医の牧野は、かつての恩師で、現在は同社の役員である森園からオペの代理執刀の依頼を受ける。記憶と視覚を失った少女エリカに視覚再建装置を埋め込む手術は無事成功したはずだったが、術後エリカは謎の黒い影の幻に脅かされるようになる。そして院内では新たな事件が起こり、経営陣の一人が犠牲に……。仮想と現実のはざまで少女を翻弄する幻影の、その驚愕の正体とは!? 第12回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

みちびきの変奏曲

みちびきの変奏曲 (集英社文庫)

 

素晴らしい物語でした。

読み終えた後に込み上げてくる幸福感が堪りません!

 

親切は回っていく。どこまでも。

人の優しさや善良さがどれだけ貴重なものか、よく分かる物語でした。

清藤真空さんが死に際に残したメッセージが鍵になっていて、様々な人に優しさが連鎖していく様子は非常に魅力的な物語でした。各話に登場する人達が優しさに触れて、自分の人生を見つめ直していく様子は素敵でした。

 

清藤真空さんは夢半ばで亡くなってしまいましたが、彼女に関わった人には幸せを振りまいていて、本当に魅力的な人だったのだなと。

彼女を追っていた、棚橋にも繋がっていき、明らかになる過去には驚きましたが、幸せな人生で締めくくれたことにホッとしました。

 

人と人の繋がりはそれぞれ違うが、根っこは優しさが密かに入っているのは一緒なのがいいですね。素晴らしい。

 

何か悩んでる人に読んで欲しい作品でした。

 

通り魔に襲われて亡くなった女性・清藤真空。その最期を看取った人材派遣会社の社員・棚橋は、死の間際の彼女のメッセージの意味を知るため、真空にゆかりのある人々を訪ねてゆく。建築士、音大生、児童養護施設の園長……真空が遺した「きらきら星」のメロディに導かれるように、それぞれの人生模様が交錯し、真空のこれまでの人生と想いも次第に見えてきて……。人の優しさに触れるミステリー。

11月11日〜11月20日に読んだ本とおすすめ作品

読書が捗る週でした。

デビュー作で衝撃的だった作品の系列の竜の姫ブリュンヒルドは良かったです。

嘘つきなふたり、思い出リバイバルは単行本で、読みがいがある作品でした。他にも面白かった作品は多数ありました。

 

・おすすめ作品

竜の姫ブリュンヒルド

嘘つきなふたり

思い出リバイバル

デモンズ・クレスト1 現実∽侵食

白野真澄はしょうがない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

・読んだ作品

竜の姫ブリュンヒルド

嘘つきなふたり

思い出リバイバル

小説 すずめの戸締まり

デモンズ・クレスト1 現実∽侵食

どこよりも遠い場所にいる君へ

チェンソーマン 2

百木田家の古書暮らし 2

小林さんちのメイドラゴン13

ペンギン・ハイウェイ

アストレア・レコード2 正義失墜 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚

悲痛伝

バイオスフィア不動産

ある男

恋人以上のことを、彼女じゃない君と。

白野真澄はしょうがない

 

 

 

七日の夜を抜け出して

七日の夜を抜け出して (星海社FICTIONS)

 

青春、オカルト、ミステリ、バトル、様々な要素が詰まっていました。盛りだくさんのようですが、青春が濃かったのは嬉しかったです。

それぞれ事情を持った4人が学校に閉じ込められて、学校から脱出するために怪談を解いていくことに。

次第に仲が深まり、背負っているものも明らかになっていく流れはスムーズで、読みやすかったです。

それぞれの登場人物に親近感が湧き、困難に立ち向かうのは直球ですが、良いですね。

怪談自体も、解けるために様々な要素を噛み合わせなければならず、パズル感覚で楽しめました。

 

そして、最後の怪談が解けた後の切なさは、辛かった。それだけに最後の引きは… 続きに期待してしまいますね。

最後の種明かしを見て、伏線が確かに巻かれていて唸りました。見事な締め方でした。

 

 

遊辺高校の新入生・中里蓮(なかざと・れん)は、12年前に校内で起きた神隠し事件を解明するため超常(オカルト)を調査する“頂上探究部”を訪れた。
しかし、3人のそりの合わない同級生とともに、超常的な力によって部室に閉じ込められてしまう。
この学校の七不思議をすべて解き明かさなくては、永劫にそこに囚われるーー
そんな警告文に続いて現れたのは、弾き手のいない三味線、鬼の造った階段、生徒を喰らうオオカミなどの、本物の超常現象。
謎解き好きの少女・垣木紫苑(かきのき・しおん)から助手役に指名された中里は、彼女の乱暴な推理を助けながら、ありがちに思えた七不思議の裏に秘された学園の真の姿に迫っていく。

誰にでも公平であろうとする少年と、誰かの特別になりたかった少女のための青春ミステリ!

恋人以上のことを、彼女じゃない君と。

恋人以上のことを、彼女じゃない君と。 (ガガガ文庫)

 

社会人の逃避型ラブコメ。仕事に、会社に圧迫されている人はわかるわかると共感することばかり。

ゆるゆるの空気が漂いながらも要所でピリッとなるのは良いですね。

カップルが再会して、縛られない関係を結び、ゆったりと過ごす日々は貴重な時間でした。しかし、現実的な問題にぶつかり、悩みながらも現状打破していく2人に希望があって良かったです。

仲が良いからこそ、踏み込めない、いじらしい2人の仲は今後どうなるのか気になりますね。

単巻完結っぽいですけど。

 

フェアリーテイル(隠語)が多いのは少し白けますけど、全体的には満足です。

 

結局は自分のやりたいことをやるのが、人生で良いんだろう。後悔せずに生きたいなぁと。

 

たのしくて・気を遣わない・ラフな関係。

元カノと夜を共にした。ブラックな仕事に疲れた山瀬冬は、ある日大学時代の彼女・糸と再会し飲みに誘う。愚痴や昔話に花を咲かせ、こういう友達関係もいいなと思っていた矢先、酒の勢いに呑まれてやってしまった。後悔する冬だが、糸は「謝っちゃだめ」と真剣な表情で制す。「ちゃんとしようとか言わないでよ。ただ心地良いから一緒にいようよ」糸も疲れていたのだ、社会が強要する正しさや、大人としての不自由さに。こうして二人は『仕事とか恋とか面倒なことは抜きで、ただ楽しいことだけをする』不思議な関係を結ぶ。社会に疲れたアナタに贈る、癒やしとちょっとエッチな短編連作。

白野真澄はしょうがない

白野真澄はしょうがない (創元文芸文庫 LA-お 1-1)

 

素晴らしい短編集でした。

各話の語り手の名前が白野真澄で統一するというのは斬新でした。同姓同名の赤の他人で性別、年齢、悩みなど、持っているものが違うのに不思議と親近感が湧いてしまう。

名前というのは大切なものだが、自分では選べない。名前に左右されてしまいそうならば、変わることも考えなければいけないのかもしれない。

 

妙な味のある作品で、各話印象深い。その中で1番はやはり表題作かなと。

名は体を表すと言うが、正にこのことといった話になっていました。しょうがない。というのはマイナスなイメージがあるが、その言葉に救われる人もいるというのはハッと目が覚めました。

他には1番最初の短編の純粋であることを振り払ってみせた目覚めはカッコ良かったです。押し付けられる自分ではなく、生きたい自分になっていくというのは大切ですね。

 

全体的に読み終えると肩の荷が下りる感覚がする読後感です。物語の始まりでは悩みがあるところからだが、終わりに向かうにつれて、胸中で変化していく様子が描かれるので、最後の方は白野真澄の決断を応援したくなります。

 

解説も興味深くて、最後まで楽しめる作品でした。

 

この名前でこの人生で本当によかった
同じ名前を持つ5人の、抱きしめたくなるような日々

心の刺を優しく包みこむような
確かな文学世界がここにある!
――ブックジャーナリスト 内田剛

白野真澄はしょうがない。
なんてホッとさせてくれる言葉だろう。
――うさぎや 矢板店 山田恵理子

小学四年生の「白野真澄」は、強い変化や刺激が苦手だ。横断歩道も黒い部分は暗い気持ちになる気がして、白いところだけを渡って歩いている。なるべく静かに過ごしたいのだが、翔が転校してきてからその生活は変化していく……(表題作)。頼れる助産師、駆け出しイラストレーター、夫に合わせてきた主婦、二人の異性の間で揺れる女子大生。五人の「白野真澄」たちが抱えるそれぞれの生きづらさを、曇りのない視線で見つめた短編集。

悲痛伝

悲痛伝 (講談社文庫)

 

いや、続くのか… 厚いわりにすらすら読める、空対魔法少女達の戦い?は滑稽なようで呆気なく進んでいく。なぜ?な展開が続き、空が生き残っているのが綱渡りの様に感じました。

拷問の際に寝てたのは笑いました。

生き残るためにあらゆる手段を取る空は嫌いじゃないです。

迎える結末が気になっていましたが、次巻に持ち越しは残念。果たして、巻数を跨ぐほどのお話かどうかは次巻次第ですね。

 

それにしても空の肝が座ってるなぁ笑

前巻のあの人が空の頭に残っているのは良いなと。

軍での空の立ち位置はさもありなんといったところだが、どう動くかな。

 

 

「御武運を、『醜悪』」
地球撲滅軍の英雄は、全住民が失踪した四国へ出立する――


地球撲滅軍と敵対する組織・絶対平和リーグの本拠地、『四国』が消息を絶った。
全住民と連絡が取れなくなったのだ。
第九機動室室長となった英雄・空々空は、現地での調査を命じられる。

これは『大いなる悲鳴』に続く、地球からの攻撃なのか。
だが、少年の前に現れたのは――。
累計80万部突破〈伝説シリーズ〉四国編開幕!