羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

麦本三歩の好きなもの 第一集

麦本三歩の好きなもの 第一集 (幻冬舎文庫)

単行本から文庫へ。

表紙が変わって、第一集というのもついた。

住野よる先生の作品で初めてシリーズ化が決まっているということで注目な作品です。

表紙の通り自由に生きている三歩の日常を覗くのは楽しい。

日々の些細な幸せを見逃さないのは大事だし、生きていて辛いことより楽しいことを優先する清々しさが魅力です。

良いこと8割、辛いこと2割、一冊丸々楽しい日々だけでないのがまた良い。

大学の友人が苦しんでいる時は決して友人の気持ちを分かった気にならないで寄り添うところはなんだがじんわりきました。

旅館での友人とのエピソードも三歩の良いところが詰まっていて後味が良かったです。

また、三歩があるズルをして先輩に突きつけられる評価は三歩の胸に突き刺さるもので、たしかに読んでいてその通りだなと思うから、三歩自身痛みを受けながらもこれから意識をして行動を変えていくことに繋がるならば良いことだったんじゃないか。

ただ、三歩が忘れるかもしれないという可能性があるが笑

 

これから三歩がどう生きていくのか気になります。

 

 

住野よるが贈る大人気「麦本三歩」シリーズ第一弾!
待望の文庫化

好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しいー
図書館勤務の20代女子・麦本三歩のなんでもないけど
幸せな日々を描いた心温まる日常小説。

ひきこまり吸血鬼の悶々4

ひきこまり吸血姫の悶々4 (GA文庫)

 

今巻も厚いページ数でしたか正直前半に削っても良いのでは?と思う場面はありましたがコマリが巻き込まれるなら仕方ないのかな。

新キャラのカルラはコマリと似た境遇で、和菓子屋という夢はあるが跡継ぎを求められる環境がそれを許さないというふうに気持ちが揺れ動いて、どう生きていくのか迷っていたがコマリの生き様に心打たれカルラが一本立ちしていくのは盛り上がりました。

また、最後に明かされたカルラの成長の裏には手を引いていた人物がいて、その人の胸中を思うと切なかったです。

コマリは能力を発揮していたが徐々に変わりつつあるようで、記憶に残っている?コマリの能力周りのことは焦らされている感じがしますね。

 

次巻遂にコマリの側近ヴィルヘイズにスポットが当たるということで、期待が膨らみますね。なんだかんだでヴィルヘイズの掘り下げが浅かったのは次巻の為かな?と。

今巻は少しマンネリを感じましたが、ヴィルヘイズ回なら盛り上がりそうです。

 

 

六国全土を巻き込んだ「六国大戦」も終結し、
コマリは平穏な時を取り戻す……ことはなかった!

六国大戦で盟友となった
天照楽土のアマツ・カルラに招待されて、
外交使節として遙か東方に赴くことに。

そこで待ち受けていたのは、予想もしない大事件だった!

ひきこまり美少女が遙か遠くの国で大活躍!?
ひきこもりたいのに、ひきこもれない。
コマリの明日はどっちだ!?

待望の第4巻!!

貴サークルは"救世主"に配置されました

貴サークルは"救世主"に配置されました (GA文庫)

 

まさか同人活動が世界の平和に繋がるとは笑

あらすじを読んだ以上にファンタジー要素が強くて最初は面食らいましたし、なぜそうなるのがという説明が足りていませんでしたが、話が進むにつれて気にならなくなる不思議。

創作とファンタジーという未知な組み合わせが癖になりました。

 

主人公のナイトのぐじくじ具合とヒメの身勝手さが徐々に抜けていき、ナイトは同人活動に本気で向き合っていき、ヒメはナイトを支えて世界を救う、熱い展開でした。

ツンデレなデスメイドは良い立ち回りをしていて彼女も個性がありました。

 

魔王の復活は避けられましたが、どうして魔王化することになるのか。やはり気になる部分はある。心情は分かりますが笑

 

今回はなんとか達成出来るような目標で済みましたが、次回の目標は厳しすぎるような…

 

ポテンシャルを感じる作品ではありました。

同人活動のやりがいや魅力を伝えつつ、世界のピンチが示されて気が引き締まる展開になっていて、今後どう物語が進んでいくのか気になります。

 

 

 

「ずっと……ずっと、あなたを探していました、世界を救うために」
自分の同人誌によって、魔王の復活が防がれる。突如現れた女子高生ヒメにそう諭された同人作家のナイト。ヒメの甲斐甲斐しい協力のもと、新刊制作に取り組むのだが……
「えっ、二年間で六部だけ……?」
「どうして『ふゆこみ』に当選した旨を報告していないのですか」?
「一日三枚イラストを描いて下さい」
「生きた線が引けていません」
即売会で百部完売しないと世界が滅ぶっていうけど、この娘厳しくない!?
「自信を持って下さい。きっと売れます」
同人誌にかける青春ファンタジー、制作開始!

踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿

踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)

表紙に惹かれて読みました。(小市民シリーズ好き)

主人公である音野順が消極的に事件を解いていく短編集。

ここまで弱気な探偵は珍しい。友人でワトソン的立ち位置の白瀬白夜が音野のためだったり、自分の執筆のために音野に見せ場がくるように事件などを引き受けるようにしているのは優しさと取れます。

毎回弱気な音野を支える白瀬の存在は大事だし、いざ謎に挑み始めるととことん調査する音野の関係は読んでいて賑やかで明るい。

最初から仲が良かったわけではないだろうから、2人が仲良くなったきっかけとか読みたいなと思いました。

また、肝心の謎も物理トリックとしてかなり練られている印象がありました。

最初の2話は行き当たりばったりな感じもありますが、3.4.5話はエンジンかかっている感じで良かったです。

中でも4話の毒入りバレンタイン・チョコはトリックに衝撃を受けたし、犯人の動機が愚かな感じも気に入りました。最後の引きも素晴らしいです。

 

最後に音野が白瀬に問いかけたことは簡単には答えが出ないだろうが2人がこれから事件と関わっていて答えを見つけ出せるといいな。

名探偵に悩みはつきものだ。

 

続巻も文庫化するようで楽しみです。

 

類稀な推理力を持つ友人の音野順のため、推理作家の白瀬白夜は仕事場の一角に探偵事務所を開設する。しかし当の音野は放っておくと暗いところへ暗いところへと逃げ込んでしまう、世界一気弱な名探偵だった。依頼人から持ち込まれた事件を解決するため、音野は白瀬に無理矢理引っ張り出され、おそるおそる事件現場に向かう。新世代ミステリの旗手が贈るユーモア・ミステリ第一弾。

安達としまむら7

安達としまむら7 (電撃文庫)

遂に付き合うことになった安達としまむら

劇的に変わることはないが、徐々に恋人らしく振る舞おうとする2人がお似合いに見えて来ました。デートは空回りしたりしながらも楽しめているのは良いですね。

安達が相変わらず暴走気味ですがしまむらが小悪魔らしく弄るので中和されるので平和ですね。ところどころにあるしまむらの安達弄りは読んでるこちらもドキッとしました。末恐ろしい…

安達の独占欲をしまむらがどう対処するのか、今回は樽見を切った形になったが今後はどうするのか。

 

仮に安達しまむらが高校で出会わなくてもどころで出会っていたという巡り合わせがしっくりくるくらい2人の関係が積み上がってきた感じがします。

 

 

しまむらと付き合うってことは、うーん、まず、い、一緒に登校するとか…で、いいんだよね…。でも、何時に迎えに行けばいいのかな。自転車どうしよう…しまむらは歩きだし。…早く学校始まらないかな。安達と付き合うことになったけど…、何か今までと変わるのかなー。…安達は変わるんだろうか。でも、付き合うってどうすればいいんだろ。うーんよくわかんないな。大丈夫なのかね。お祭りでの告白から、彼女と彼女になった二人。夏休みも明けて新学期。これまでとちょっと違う高校生活が始まる。

呪術廻戦8

呪術廻戦 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

仕方ないとはいえ、殺す選択をした虎杖と釘崎がしっかり噛み締めて前を向いていくのがじわじわと来ますね。

回り回って虎杖が原因で、伏黒も傷を受けることになる。虎杖、伏黒、釘崎がそれぞれを気遣える空気感がとても良いです。これぞ仲間といったところ。

 

虎杖の中学時代の知人である小沢さんとのエピソードは虎杖が人の良さをよく見ているのが分かるので良かったし。小沢さんの想いも魅力でした。

 

そして五条先生が高校生の時の話になり、どんな結末を迎えたのか、夏油とどうやって袂を分つことになるのか気になりました。見る限りいがみ合ってても信頼は感じたので。

伏黒父も良い感じに腐ってて気になりました。

 

受肉した「呪胎九相図」の次男三男を撃破し、宿儺の指を回収した虎杖達。その成果を受け彼等を1級術師に推す声が上がる。裏で手を回す五条の思惑は…!? ――物語は、五条と夏油の高専2年時の事件へと遡る!!

戦力外捜査官3 ゼロの日に叫ぶ

ゼロの日に叫ぶ: 戦力外捜査官 (河出文庫)

 

毎巻のごとく終盤に盛り上がる展開を持ってくるのは流石としか言えないです。

今回はスマホアプリや大衆に根付いている傍観者体質について厳しく追求していて、中々しんどい展開でした。

ウィルスはどこからも入ってくるというのは知ってはいましたがパンデミックみたいな事件を読むと恐ろしい気持ちになりますね。気をつけないと。

周りに人がいるから自分は何もしなくて良いんだというのは悪いとは思っているだろうけど、やってしまうんだよね。日本人の悪いところです。しかも簡単には治らないというのがなんとも。

 

強敵の名無しは強すぎて現実味がないようにも思いましたが、どうですかね。

終盤のどんちゃん騒ぎのやりたい放題は好きです笑

傷だらけの設楽や海月だが救われる最後を迎えられて良かったです。

それにしても、海月の優秀さが発揮されるのは大事なところなのはお約束ですね。

 

都内の暴力団が白昼、何者かの手で殲滅され、偶然居合わせた刑事2人も重傷を負う事件が発生!警視庁の威信をかけた捜査が進む裏で、東京中をパニックに陥れる計画が静かに動き出していた。ドジを踏んで捜査本部から外され、遊軍班として、別の角度から捜査を始めた海月と設楽。果たして、東京を守ることはできるのか!?