羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

安達としまむら

安達としまむら (電撃文庫)

 

アニメが放送され始めたので読みました。

タイトルの通り、安達としまむらの話です。

特別な理由はないが、周囲に馴染めない2人が距離を測ってちょっとずつ近づいていくが離れていったり焦ったい心理描写が巧みでした。

2人が授業サボって卓球してだらだら過ごす日々が好きですねー。

自由に過ごすのも時には必要だな。

学校や放課後で過ごす、何気ない日々の中で安達としまむらは心の揺れ動く思春期の悩みは良いもんだなーと。

安達は結構しまむらを意識しているが、しまむらはそうではないのが今後どうなるのか気になります。

しまむらはブレなさそうだけど。

 

しまむらの友人の永藤と日野も良い子だったので彼女達の掘り下げが楽しみです。

宇宙人の社はどういう意図で出ているのか不思議だ。

 

(あらすじ)

体育館の二階。ここが私たちのお決まりの場所だ。今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。ここで、私としまむらは友達になった。好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり。友情なんてものを育んだ。頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。なんだろうこの気持ち。昨日、しまむらとキスをする夢を見た。別に私はそういうあれじゃないのだ。しまむらだってきっと違う。念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。ただ,しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。ただ、それだけ。日常を過ごす、女子高生な私としまむら。その関係が、少しだけ変わる日。

 

灰と幻想のグリムガル level.14 パラノマニア

灰と幻想のグリムガル level.14 パラノマニア [parano_mania] (オーバーラップ文庫)

 

前巻から入ったパラノの世界は実に厄介なところで、心の奥に閉まっている弱さを無理矢理引き出されてしまい、それが外側に出てきてしまうので、たまったものじゃない。

だが、パーティーがぐらついている今、各々が抱えている弱味を吐き出されて向き合ったことで、前に進めるようになるんじゃないか。

クザクはよくわからないが、ハルヒロは根っから執着心というか熱がないから、心配になります。

1番やばいのはシホルかな。

1番おとなしい彼女が小さい頃から秘めていた気持ちには心が痛くなりますし、どうにか乗り越えてほしいです。

メリィの復活の代償はたしかにあって、それがハルヒロに知られるのかハラハラします。

セトラは随分成長して、ハルヒロを思い合ったり、仲間の存在を大切にし始めてきていて、好きなキャラクターになってきました。

 

なんとかハルヒロ達は全員集まって、さぁ次へと思ったら、まさかの記憶◯◯

いったいどうなるのだ。

そろそろランタの煩さが恋しくなってきました。

 

(あらすじ)

―ここはグリムガルじゃない。ここから出ないと。夢魔と呼ばれる怪物と魔法使いたちが闊歩する他界パラノで散り散りになったハルヒロたち。頼れる仲間はおらず、信じられるのは自分自身だけ。―でも、おれはどこまでおれを信じられるんだ?目指すは仲間たちとの再会と脱出。鍵を握るは王。アリスC、同じくパラノに迷い込んでいた暁連隊のイオらと心を、力を合わせて、ハルヒロたちは無事グリムガルへと帰れるのか―!?異なる幻想に彩られた他界パラノ編完結。そして、灰の中から生まれた冒険譚は大きく転換する!

 

 

小説の神様 原作小説とコミカライズを読もう

現在実写映画が公開されている小説の神様

相沢先生が苦しんでいたときに生み出した傑作です。

自分は初めて小説の神様を読んだときに、衝撃を受けました。

小説家が小説を生む苦しみをこれほどまで生々しく、シビアに描いていたので、傷つきながら書いたのかなと思えました。

一也と詩凪の小説家としての悩みや葛藤はほんの一部かもしれないが、2人が小説の神様と出会えたら良いなと。

原作は3冊、漫画も3冊です。

原作は続くようなので、楽しみに待ってます。

 

 

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

  • 作者:相沢 沙呼
  • 発売日: 2016/06/21
  • メディア: 文庫
 

 

1巻。まさか続巻が生まれるとは思ってなかった。ここから始まった。

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2018/08/18/小説の神様

 

 

 

 上巻だがかなり身に詰まる内容。

続巻の意義、物語の価値。

小説への追求が止まらない。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2018/08/28/小説の神様_あなたを読む物語%28上%29

 

小説の神様 あなたを読む物語(下) (講談社タイガ)

小説の神様 あなたを読む物語(下) (講談社タイガ)

  • 作者:相沢 沙呼
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: 文庫
 

 成瀬と詩凪が自分の悩みに答えを見つけだしたときの爽快感。一也だけが主人公ではない。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2018/09/27/小説の神様_あなたを読む物語%28下%29

 

 アンソロジーの参加者がよく小説の神様を好きなんだなと分かる内容のオンパレードで楽しんで読めました。全話面白いです。相沢先生の書き下ろしも良かったです。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/04/24/210000

 

 

 

 

 

 

 コミカライズは絵が綺麗でキャラクターが生き生きしていて、良かったです。漫画である利点も感じられて、凄く良かったです。幸せなコミカライズですね。

 

向日葵を手折る

向日葵を手折る

 

作者の別作品を読み、気になる作家さんだなと思ってたら新作が出ていたので読みました。

率直にいうと辛さや痛みを感じつつ幸せに包まれる読後感でした。

辛い、痛い、というのは登場人物の綺麗な内面と汚い面が見事に描かれていたからだと思う。

主人公のみのりは突然父親を亡くして、村に引っ越すことになり、そこでは優しい怜と意地悪な隼人と出会い、様々なことを経験していき、成長していく。

その過程には辛いことの方が多かったが、周りの人の支えとなる微かな光に思える言葉はみのりを守ってくれる暖かさがありました。

最後まで読んだら、みのりが大人になるまで生き延びてくれて嬉しかったです。

 

みのりの成長だけではなく、ミステリー要素も明かされた時は衝撃を受けました。

怜と隼人周りの違和感、理不尽な出来事や村に潜む不可解な謎にはヒントがあり、それらが明かされていく終盤はまさに怒涛の展開で、飲み込まれました。

点が線となり、謎が真実へと繋がっていく流れは見事でした。

真実を知ったら序盤に感じた、見ていたものがひっくり返る構成には心底驚かされました。


 

作品に興味がある人や興味を持った人は是非読んで、今作の素晴らしさを知ってもらえたらと思います。

 

(あらすじ)

消えた向日葵。連続する不穏な事件――
そこにいるのは…誰?慟哭必至の青春ミステリ!
 

少年少女の成長と、ラストで明かされる真相に、慟哭必至の青春ミステリ! 

父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。 
分校の同級生と心を通わせはじめた夏、集落の行事「向日葵流し」のために 
植えられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。 

同級生たちは「あれは向日葵男のしわざだ」と噂するが、さらに不穏な出来事が続き……。 

あざやかに季節がめぐる彼女の4年間と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、 
烈しくも切ない青春ミステリ。

 

 

AX アックス

AX アックス (角川文庫)

殺し屋シリーズ最新刊。

グラスホッパー、マリアビートルを読んだら今作を読むしかないってくらい好きなシリーズです。

作者いわくシリーズってわけではないそうですが、そう括られているので。

 

殺し屋の兜が恐妻家で、家庭でいかに平和に過ごそうと繊細に勉強しているのが一周回って笑えます。最初は笑い話でしたが、話を追っていくうちに生臭い世界を知っているからこそ、光である表の顔の父親という存在になろうとしていたんだと思うと胸が苦しくなります。

 

兜が妻との距離を測り、友達を作ろうとしたり、そして人を殺したり…

決して清廉潔白とは言いがたい生き方だが、それでも殺し屋を辞めて家族と過ごしたいと思う気持ちは否定出来るものではない。

そんな兜の最期は悲しくも心が暖かくなるもので、息子の克己が兜の意思を継いで一矢報いるのは美しい流れでした。

 

読み終えたら心に暖かい涙が流れました。

 

(あらすじ)

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐために仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。物語の新たな可能性を切り拓いた、エンタテインメント小説の最高峰!

 

 

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉

灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉 (オーバーラップ文庫)

 

ユメと別れて、旅を続けるハルヒロ達。

各々がユメの気持ちを受け止めていて、ハルヒロはユメの気持ちを組みたいけど、リーダーとして痛手を負って悩む。

ランタに続いてユメも抜けるとなると雰囲気や戦闘時のバランスが取れないよな。

シホルはユメの気持ちを応援したいが出来ない。最初の頃からの付き合いだから簡単には納得できないよな。

 

ただ、感傷に浸っている時間は短く、新しい領域であるパラマの摩訶不思議な世界でバラバラになるハルヒロ達。

しかも、不思議な能力のため、自分のうちに秘めている感情を呼び起こされるみたいで、混乱状態に。

いったいどうなるのか、予想がつかない。

 

 

(あらすじ)

「もっと強くなりたいって、思っててなあ!」パーティを離れる決意をしたユメを残し、海賊の島を去ったハルヒロたちは、自由都市ヴェーレへ。怪しげな貿易商人ケジマンの隊商を護衛しがてら、未だ遠いオルタナを目指すことに。旅は意外と順調。と思った矢先、数々の伝説に彩られた『レスリーキャンプ』…かもしれない巨大なテントに遭遇する。運命の悪戯か、その中へと足を踏み入れてしまい―!?「ハルヒロ。…ようこそパラノへ」雨合羽をまとった謎の人物に誘われ、他界パラノでの魔訶不思議な冒険が始まる!!

 

 

ワンダンス03

ワンダンス(3) (アフタヌーンコミックス)

 

カボが遂にダンスコンサートに参加。

外の世界へ出てきて、また一段とギアを上げていくのは素敵ですね。

自分の中に溜まっている情熱をダンスに注入していくことでさらに凄みが増してきていて、カボ自身手ごたえを感じているが、湾田が評価されて先へ行くことに悔しさを持ちつつ追いつこうと決意するのは良い。

どんどん欲が出てきて、素晴らしい。

また、湾田もカボを強く意識してきて、2人の関係も進んできましたね。

伊折さんとカボは波長が合うから、良い関係になっていきそう。

 

最後のカボと恩ちゃんのダンスバトルでさらに作品にステージが上がったように感じました。

カボの決意はカッコ良かったし、ダンスに出会えて良かった。

 

 

(あらすじ)

一凛高校ダンス部は、今年度初めてのダンスコンテストを迎える。会場で、初めて見る他校のダンサーたちに囲まれたカボは、緊張を隠せない。さらに、昨年圧倒的な技術(スキル)で個人賞を獲得した一凛高校ダンス部の先輩・伊折(いおり)と間違えられ、他の出場校からマークされてしまう。幾多のプレッシャーがのしかかる中、カボは、湾田との特訓の成果を発揮できるか――。ダンスコンテスト編、開幕!