羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件3

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件3 (GA文庫)


絶好調の甘々両片思いラブコメ

周と真昼達が進級したことにより、周りのクラスメイトとの距離も変わっていく。

周はイケメンの優太と友達になり、真昼は千歳とさらに仲良くなる。

周は昔あった傷を思い出して、気が滅入るときに真昼がサッと近づいてきて隣にいてくれるのはお互い様だけど、深い関係になってきたんだなと。

学校内でも、真昼が攻めの姿勢で近づいてきて一緒にいられるようになったり、周の頑な気持ちをほぐしたりして、とにかく真昼からぶつかってきたことにより、周の傷は癒えたようで良かったです。

ただ、周ももっと真昼や友人を信頼しても良いのでは?と思うが、これからは大丈夫そうだから平気か。


互いに本音を晒しあって、距離が近づいているのに付き合わない牙城をどうにか壊してほしいが。壊れないから尊いのか。

真昼に勢いがあるが、個人的には男として周から行ってほしいんだがなぁ。



(あらすじ)

春、新学期、縮まる距離―― 
「私だけのけ者なのは……いやです」 

小説家になろう」発の大人気ラブストーリー、第3弾 


「皆さん周くんと仲良くしてるのに、私だけのけ者みたいです」 
二年に進級し、同じクラスになった真昼と周。徐々に学校でも距離を近づけようとする真昼とは裏腹に、周は“天使様"への遠慮からなかなか踏み込めずにいる。 
千歳らの気さくな振る舞いをきっかけに、クラスメイトたちとの間の壁も少しずつなくなりつつある真昼の姿を眺めながら、周は治りかけの古傷をそっと思い返していた……。 
WEBにて絶大な支持を集める、可愛らしい隣人との甘く焦れったい恋の物語、第三弾。 




俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる15

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる15 (GA文庫)


表紙のインパクトがありますね。

攻め攻めの姿勢で好きです。

今回、カオルが大暴れするのかと思いきや、嵐の前触れみたいに各所でやばい雰囲気を撒き散らすような動きだったので、これは次巻が楽しみです。カオルの闇深さとどう対峙していくんだろう。


そして、なんといっても鋭太の念願の推薦枠について。

1巻からの目標なので、感慨深いものがありました。

ただ、周りの態度が変わっていき、そこからの本番についてはしてやられたというか、そうなるか〜と。

確かに鋭太ならそう動くよなって。

だからハーレムだって築けたんだ。

純粋な願いは眩しかったし、それにたどり着く鋭太はかっこいい。

だが、千和がそれを見逃すのはびっくり。

真涼が偽物だからこそ、本物である千和が理解出来なかったのが感に触るよな。

鋭太が目指していた目標を知っていた真涼だからこそ鋭太の気持ちに気づけた瞬間は胸に来るものがありました。

ただ、真涼にはピンチが訪れるようで鋭太がどう動くのか。そして、真涼、千和、ヒメ、愛衣達のハーレムという名の楽園はどうなるのか。

次巻がめちゃくちゃ楽しみです。

 

ブコメのハーレムについての今作の解釈が好きですね。ただ亀裂が入ったが… 楽園は崩壊するものだが果たして。

 

(あらすじ)

――そんな嘘っぱちのハーレムなんて、修羅場らせてやる! 
偽彼氏の秘密を知ったカオルが闇に落ちる中、季節は春、羽根ノ山高校は修学旅行、京都を訪れていた。 
「恋愛の聖地」地主神社にある恋占いの石の爆破(ガチ)を目論む恋愛アンチの夏川真涼とそれを阻止せんとする季堂鋭太の戦いが始まる!? 
そして修学旅行が終わると鋭太たちは三年生。鋭太は医学部推薦を志望し、最後の努力を続けていた。 
卒業に向け、それぞれの目標に向かって歩みを進める鋭太、千和、真涼、姫香、愛衣。そんな彼、彼女らの前に現れるカオルの思惑は――。 
裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶコメ第15弾! 

 

 

空想クラブ

空想クラブ

 

逸木先生の作品は文庫化された作品を読んでましたが、今作はあらすじに惹かれて単行本で読みました。

今までの作品とは違いファンタジー要素が強めだったが、器用に作品の魅力に繋がっていたので良かったです。

空想が好きな主人公・吉見や周りのメンバーを引っ張っていた真夜が亡くなる。

だが、吉見には見えている。まだ、真夜は消えていない。

数年宙ぶらりんで繋ぎ合わせていたものを再び手繰り寄せるために吉見は動く。

バラバラになっていた空想メンバー達が再会するにあたり当時から変化していて、すんなりとはいかずに当事者が抱えている悩みを吉見と真夜が向かい合って、分かり合っていくのはまさに青春でした。

そして、なぜ真夜が死んだのか。

足や頭を使い奔走しながら掴んだ真実は明るいものではなかった。

ままならない現実を嘆きたくなるが、それでも吉見が真夜に託した光が希望となり、みんなが救われていくのは素晴らしかったです。

 

青春、ミステリー、ファンタジー、詰め込むだけ詰め込まれていて、面白かったです。

誰にだって、想像する自由はある。

未来だって、作れるのかもしれないと思いました。

 

(あらすじ)

ラスト16ページの「奇跡」を、あなたは体験する。青春ミステリの最新形。 

吉見駿は空想好きな中学生。祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」ことができる。小学生のときの親友・真夜の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。川で溺死した真夜は、死の瞬間の謎のために河川敷の、半径二十メートルの範囲に捕らわれてしまったという。塾からの帰宅途中、河川敷を自転車で走っていた真夜は川の方から「助けて!」という叫び声を耳にした。少女が溺れていることに気付いた彼女が川に入ったそのとき、木の枝を踏んだような音と共に意識を失ったという。「能力」のためか、自分だけが真夜の姿を見ることができると知った駿は、仲間と共に彼女の死の真相を探っていく。溺れていた少女を捜していくなかで、町の不良・郷原の関わりが見えてくるが……。

 

ニキ

ニキ

 

普通をこなせる周囲から浮いて、普通じゃない自分に苦しむ田井中がふいに出会ってしまった。自分よりヤバイ気持ちを秘めている二木と。

最初は脅し合いで、探り合っていた2人だが、互いに自分の抱えている気持ちを吐き出しあってからは単純に心許せるような関係になっていったのは、互いに心のどこかで信頼できる人を見つけたかったんだなと。

多くの人が暮らす普通の生活になじめない2人がどうやって生きていくのか。

自分を殺す方法しか知らなかった田井中が自分を殺さずに殺したような生き方という今まで考えてこなかったことなどを二木から学んだりと不思議な関係でした。

 

優しくない現実に押し潰されそうになった終盤に訪れた最大のピンチにはどうなることかと思ったが、田井中が下した決断には拍手を送りたくなる勇姿でした。

きっと以前の彼なら踏み出せなかっただろう。

 

口を揃えて横並びになる普通という概念が押し付けてくるプレッシャーは苦しいし傷つく。

そんな世界でも、多数が少数を潰していく世界で生き抜いていく覚悟を持てた田井中と二木は凄い。

これから先も大丈夫だろうと思えました。

詰まるような空気が作品に漂っていたが、最後に視野が広がっていくような読後感で本当に良かったです。

生きていくうえで窮屈なことがある人は刺さる作品になっていて、読んだら辛いことがあっても自分を好きになり、生き抜いていこうと思います。

 

 

(あらすじ)

高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける――。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。

 

2020年 上半期に読んだおすすめのミステリー作品15選

私が上半期に読んだミステリー作品の新作、新刊、既刊でおすすめ作品を紹介していきます。

 

 どれも読み応えが抜群でミステリーとしてだけでなく、キャラも魅力な作品です。

気になった作品があれば是非チェックしてほしいです。

 

 

安定の面白さで小山内さんと小鳩君のやりとりや信頼関係には楽しめます。

謎に関しても軽めでしたが、どの話も落ちが良いです。

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/31/210000


 

犯人の動機のバリエーションが豊富でした。

計画していてもうまくはいかない現実的なところが好きです。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/16/211500

 

 

 

魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

  • 作者:今村 昌弘
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: 単行本
 

 

クローズド・サークル、予言、特殊な状況で巻き起こる事件の行方は衝撃的です。

剣崎さんと葉村くんの関係の変化は注目です。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/03/213000

 

 

 

刀と傘 (明治京洛推理帖) (ミステリ・フロンティア)
 

 

初めて、歴史に関するミステリーを読みましたが、かなり楽しめました。

その時代背景に合ったミステリーになっていて、余韻が素晴らしかったです。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/09/210000

 

 

 

ベーシックインカム (集英社文芸単行本)
 

 

SFミステリーとしては読みやすさがあり、かつ重みがある話になっていました。実際に起こりそうなことが多くて、ワクワクしました。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/10/210000

 

 

 

彼女の色に届くまで (角川文庫)

彼女の色に届くまで (角川文庫)

  • 作者:似鳥 鶏
  • 発売日: 2020/02/21
  • メディア: 文庫
 

 

絵を機転にして解けていくミステリー。そして、画家としての才能や比較。少年、少女の成長物語としても楽しめました。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/02/25/210000

 

 

 

虚構推理 (講談社タイガ)

虚構推理 (講談社タイガ)

 

 

真実なんて誰も求めていない。欲しているのは都合の良い嘘。まさに虚構。捻られるだけ捻り尽くしていて楽しめます。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/01/18/210000

 

 

mediumの原点にもなったミステリー。

日常の謎の限界まで挑んだ作品で、読み応えがありました。

密室の作り方や犯人の動機はかなり練られていて解決する時の爽快感がありました。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/03/25/214500

 

そして誰もいなくなったをモチーフにしている連続殺人の真相は衝撃的でした。探偵側の2人も魅力的な人物でした。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/03/04/211500

 

 

ブルーローズは眠らない (創元推理文庫)

ブルーローズは眠らない (創元推理文庫)

 

 

タイトルの意味が分かる最後の謎解きは爽快でした。細かな細部までめりぐらせた糸が集まっていくのが素晴らしい。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/03/09/210000

 

 

 

告白 (双葉文庫)

告白 (双葉文庫)

 

 

罪の告白。それはいかに厳しいものか。

あまりの毒に読んでて、圧倒されました。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/04/09/210000

 

 

 

透明人間は密室に潜む

透明人間は密室に潜む

 

 

表題作の圧倒的な発想の転換力には驚かされます。バリエーション豊富な短編集です。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/05/21/210000

 

 

 

難事件カフェ2 焙煎推理 (光文社文庫)

難事件カフェ2 焙煎推理 (光文社文庫)

  • 作者:似鳥 鶏
  • 発売日: 2020/05/13
  • メディア: 文庫
 

二人の兄弟が暴いていくミステリー。

カフェらしい知識と組み合わせて楽しめます。 

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/05/22/213000

 

 

 

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)

サーチライトと誘蛾灯 (創元推理文庫)

 

 虫知識溢れる主人公がとぼけた様子で事件に絡んでいき、解いていく。痛快です。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/06/09/213000

 

 

 

犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

 

 

最初は犬探しだったのに、話が進んでいくうちに物騒なことになっていき、たどり着く最後に衝撃的な真実が待っています。

 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/05/19/210000

 


2020年 14本目 映画 宇宙でいちばんあかるい屋根

少女が婆ちゃんと出会って変わっていくというストーリーとPVなどで感じられた作品全体の空気に惹かれて観にいきました。

清原果那さんが主演で、見事に主人公を演じていてスッと作品に入り込んでいけました。

少女・つばめが恋や家庭のこと、やりたいことなど悩める中学3年生がある時、星ばあに出会って関わっていくことで大きく変わっていく。

最初はつばめは戸惑っていたが、どんどん心許していくのが良い。

星ばあが繰り出す様々な名言は胸に刺さるし暖かい。「気持ちよく時間を使え」「行動してから後悔しろ」などなど、自分が学生時代に聞きたかった言葉がたくさんありました。

過ぎたことですけど、自分の幼さを振り返ってしまいます。

桃井かおりさんが演じる星ばあはエキセントリックで読めない人物でしたが、誰よりも優しかった。会いたかったなと。

つばめが壁にぶつかっていき、変わっていくつばめの姿と周りの人達の心境の変化を丁寧に表現していたので、気持ちよく浸れました。

星ばあの名言は身体に染みました。

最後のシーンはつばめの成長と思い出が詰まっていて素晴らしかったです。

この映画を観たら家の屋根を見上げてしまうこと間違いなしです。


映画 公式 https://uchu-ichi.jp/


小説読みたいと思います。


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カッコウの許嫁2

カッコウの許嫁(2) (週刊少年マガジンコミックス)

 

凪とひろの距離がグッと近づくシーンは非常に魅了されました!

1巻読む限りでは、脈がないのかなと思わせといて不意打ちで女性の顔を見せるのは素晴らしい。表紙の絵を見返したくなります。

エリカは凪とひろの仲介者みたいな立場だが、そうはいかない。

まだ、明かしてない秘密がどのように波紋を広げていくのか楽しみです。

 

エリカと幸のぎこちない出会いからの息のあった行動はまさに姉妹。

幸もどう動いてくるか。

 

ワクワクが止まらないラブコメですね。

素晴らしい!

 

(あらすじ)

出産時に取り違えられた凪とエリカは、両親たちのススメで許嫁&同居生活を送るハメに! 最愛の人・瀬川ひろにも許嫁がいることが発覚し落ち込む凪だったが、意外な趣味を通してひろと急接近。最高の学校生活が始まる──かと思いきや、なんとそこにエリカが転校してきた!