羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

傲慢と善良

傲慢と善良 (朝日文庫)

 

単行本の時から気になっていたが、気づけば読んでなかった。

文庫化ということで読みましたが、圧巻でした。婚活小説であり、恋愛小説。そして、人が持つ傲慢と善良のそれぞれの側面を掘り進めていて、生々しく重い。だけど読む手が止められない。辻村深月先生が読者を殺しにくる文章が堪らない。

最初は男女のもつれか?と始まりましたが、徐々に失踪した真実と真実の婚約者である架の過去や恋愛観、人生を追っていくうちに浮かび上がってくる傲慢さに怖くなりました。ここまで人の心情を解析するのかと驚くし、もしかしたら自分も…と考えてしまう。恐ろしい。

しかし、傲慢だけでなく善良についても描いていて、一見すると見逃してしまったり見方が変われば見えてくるものということで、人の良さについての捉え方は難しいなと。

 

 

作中に出てくる結婚相談所の扱いについては確かにそうかもと勉強になりました。

真実と架のすれ違いは2人が結婚するなら必要なことだったのかなと思いました。最後の最後まで見届けたくなる2人でした。

 

朝井リョウ先生の解説もなるほどなと。

 

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ

2022年8月読んだ本とおすすめ作品

新作で印象的だった作品は凪良ゆう先生の汝、星のごとくですかね。かなり面白かった。

他にはラノベのファンタジー作品でチルドレン・オブ・リヴァイアサンが印象的でした。

ミステリーでは阿津川先生の録音された誘拐はかなり惹きつけられました。

新刊では、朝井リョウ先生のエッセイ、雪と心臓、育休刑事、が印象的でした。

 

・おすすめの新作

汝、星のごとくhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/04/210000

拝啓 交換殺人の候https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/08/210000

チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/11/120000

最後の鑑定人https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/13/210000

録音された誘拐https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/24/210000

その意図は見えなくてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/29/210000

 

・おすすめの新刊

そして誰もゆとらなくなったhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/09/220000

サイレント・ウィッチ IV 沈黙の魔女の隠しごとhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/210000

雪と心臓https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/21/211500

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/25/213000

育休刑事https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/26/210000

 

・おすすめの既刊

クライマーズ・ハイhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/14/210000

今だけのあの子https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/20/210000

雲は湧き、光あふれてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/31/210000

エースナンバー 雲は湧き、光あふれてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/09/07/120000

夏を取り戻すhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/09/06/210000

 

 

8月の読書メーター
読んだ本の数:40
読んだページ数:12851
ナイス数:887

エースナンバー 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)エースナンバー 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)感想
再読。前巻で記者のエピソードで登場した三ッ木高校を掘り下げられていて、若監督の奮闘とエースとキャプテンの葛藤があり、より三ッ木高校を応援したくなりました。また、ピンチランナーの2人にも触れていて、良い。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/09/07/120000
読了日:08月31日 著者:須賀 しのぶ
夏を取り戻す (創元推理文庫)夏を取り戻す (創元推理文庫)感想
再読。夏の季節にピッタリの作品だ。2度目なので俯瞰して読めました。伏線の貼り方が上手いなと改めて確認出来ました。また、見逃していた部分を発見できて、何度読んでも考えさせられる小説だなと。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/09/06/210000
読了日:08月30日 著者:岡崎 琢磨
その意図は見えなくてその意図は見えなくて感想
暗い雰囲気が漂う青春ミステリ。どの短編も真実が明らかになった後に残る胸中の苦さが素晴らしい。謎そのものというより、なぜ起きたのかを問いかけてくるから、高校生のうちに秘めた気持ちを掘っていけるのだなと。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/29/210000
読了日:08月29日 著者:藤 つかさ
阿津川辰海 読書日記 ~かくしてミステリー作家は語る<新鋭奮闘編>阿津川辰海 読書日記 ~かくしてミステリー作家は語る<新鋭奮闘編>感想
阿津川先生のミステリ、小説に注ぐ情熱に当てられて、どの作品も読みたくなるような書評の数々に圧倒されました。ここまで、小説を読み込み書評を書くならば、解説を任されるのは当然かな。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/30/210000
読了日:08月28日 著者:阿津川 辰海
四畳半神話大系 (角川文庫)四畳半神話大系 (角川文庫)感想
自分にはあまり合わなかった。
読了日:08月27日 著者:森見 登美彦
探偵はもう、死んでいる。7 (MF文庫J)探偵はもう、死んでいる。7 (MF文庫J)感想
読み始めて、?となったが、時系列をあえて飛ばしているのか。刊行ペースが空く中で、これはちょっと。
読了日:08月27日 著者:二語十
恋は暗黒。 (MF文庫J)恋は暗黒。 (MF文庫J)感想
殺伐とした殺し合いをしながら、普通の恋愛が出来るかと言えば出来ないよね。歪な三角関係でした。
読了日:08月26日 著者:十文字 青
育休刑事 (角川文庫)育休刑事 (角川文庫)感想
男性の育児休業、しかも警察官で取れるのが奇跡のように描かれているが、当たり前になって欲しいという作者のメッセージを感じました。育児を主題にあるが、ミステリーとしても楽しめるようになっている。調査で赤ちゃんを利用する刑事なんて聞いたことない笑 ユーモア溢れる良作です。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/26/210000
読了日:08月26日 著者:似鳥 鶏
ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川 (角川文庫)ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川 (角川文庫)感想
ここ数巻ずっと気にしていた李奈の作家としての成長が見れて嬉しいです。警察から頼りにされているが、本業は探偵ではなく、作家だからな。李奈の作家人生として重要なエピソードで家族が絡んできて、また事件の方でも家族が絡んでいるのはピッタリな落としどころに繋がっていました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/25/213000
読了日:08月25日 著者:松岡 圭祐
録音された誘拐録音された誘拐感想
あー、面白かった。最初から最後までドキドキハラハラしつつ、そんなところに伏線がという驚きと名探偵対犯人に腹の探り合いは読み応えが抜群。そして、作中で最後まで隠されていた耳が良い美々香の秘密には圧倒されました。気持ちいいくらい騙されました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/24/210000
読了日:08月24日 著者:阿津川 辰海
狼と香辛料IX対立の町(下) (電撃文庫)狼と香辛料IX対立の町(下) (電撃文庫)感想
下巻。今まで戦っていた商売相手としてはかなり手強い相手でしたが、なんとか切り抜けられて良かったです。
読了日:08月23日 著者:支倉 凍砂
狼と香辛料VIII対立の町(上) (電撃文庫)狼と香辛料VIII対立の町(上) (電撃文庫)感想
上巻。あまり動きがないが、やばい街に来た感じがプンプンする。
読了日:08月22日 著者:支倉 凍砂
ブロークン 落陽騎士は偽り姫に凱旋を捧ぐ (ファンタジア文庫)ブロークン 落陽騎士は偽り姫に凱旋を捧ぐ (ファンタジア文庫)感想
世界観、設定が魅力的でしたが、文章があまり合わなかった。
読了日:08月22日 著者:柳実 冬貴
紙魚の手帖Vol.06紙魚の手帖Vol.06感想
ホラー特殊ということだが、結局は連載小説が良かったです。きみのかたち、犯罪相談員、ピスロトは物語運びが安定している。刑事何森シリーズ、吸血鬼と吸血鬼狩りの歪な関係を描いたホロウ・ダンスは最後までドキドキしました。
読了日:08月22日 著者:高田 大介,近藤 史恵,小田 雅久仁ほか
雪と心臓 (集英社文庫)雪と心臓 (集英社文庫)感想
凄い小説と出会った。表紙とタイトルに惹かれて読んだが、最初から最後まで読むのが止められない構成、展開、仕掛けが組まれていて、読み終えると込み上げてくるものが… 自由奔放な姉と平凡な弟、双子の関係は特別で、格別でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/21/211500
読了日:08月21日 著者:生馬 直樹
灰かぶりの夕海 (単行本)灰かぶりの夕海 (単行本)感想
上手く騙された。幻想的な状況だが、真実はあまりにもシビアだった。最後まで読んで、明かされていく過程が見事な采配でした。
読了日:08月21日 著者:市川 憂人
雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)感想
再読。代打と代走、2人で役割を果たすというのは形になれば盛り上がるよな。そこに至るまでの葛藤が良かった。スポーツ誌の記者が弱小高のエースに惹かれて、記事にする。しかしその裏に潜む感情は記事には必要ないもので、たどり着いた答えには晴れやかな気持ちに。戦時中の野球のエピソードはその当時のやるせなさがあり、それでも必死に生き抜こうとした球児に胸が熱くなる。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/31/210000
読了日:08月20日 著者:須賀 しのぶ
千歳くんはラムネ瓶のなか (7) (ガガガ文庫 ガひ 5-8)千歳くんはラムネ瓶のなか (7) (ガガガ文庫 ガひ 5-8)感想
停滞。ヒロイン達が前に踏み出せないのは分かるが、朔までヘタレているのは情け無いというか、焦ったい。新キャラの後輩ちゃんに関しては見え見えすぎる。うーんと首を捻りたくなる展開。あとがきも辛い。
読了日:08月20日 著者:裕夢
琥珀の秋、0秒の旅 (ガガガ文庫 ガは 7-5)琥珀の秋、0秒の旅 (ガガガ文庫 ガは 7-5)感想
世界観、シチュエーションが良いのだが、そう締めるのか〜と肩透かし気味。勿体ないなと思う。非常に。
読了日:08月18日 著者:八目 迷
天久鷹央の推理カルテV: 神秘のセラピスト (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテV: 神秘のセラピスト (新潮文庫nex)感想
不思議な事件、問題を科学的に解決していく驚きが良いです。宗教絡みはうんざりする。小さな子が闘病する姿は胸を打たれます。小鳥は振られ過ぎ笑
読了日:08月17日 著者:知念 実希人
片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)感想
人を外見で判断して、中身を見ようとしない人は相手にしなくて良い。ヒューマンドラマでもあるし、ミステリーとしてもひっくり返す展開があり、読み応えがありました。素晴らしい。
読了日:08月17日 著者:道尾 秀介
夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)感想
再読。大切な人が死んだら価値がつく。そんな状況で安易な結末にならず、しっかり選択した上で選んだ結末は良かったです。
読了日:08月16日 著者:斜線堂 有紀
病弱探偵 謎は彼女の特効薬 (講談社文庫)病弱探偵 謎は彼女の特効薬 (講談社文庫)感想
再読。病気がちな少女が幼なじみの病まない少年が持ってくる謎を解いていくというもの。サクサク読めて、かつ主役2人の関係性も愉快です。
読了日:08月15日 著者:岡崎 琢磨
今だけのあの子 (創元推理文庫)今だけのあの子 (創元推理文庫)感想
女性同士の関係を描く短編集。どれも粒揃いで惹き込まれます。短編でありながら、物語としての強い引きとミステリーとしての反転がギュッと詰まっていました。伏線も確かにあるのが素晴らしい。どの短編も最後まで気になるものでした。また、仄かな繋がりもあったのは良いなと。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/20/210000
読了日:08月14日 著者:芦沢 央
最後の鑑定人最後の鑑定人感想
科捜研という、事件を解くうえで必要な部門。科捜研で優秀であった土門が様々な事件を科学の力を駆使して、真相にたどり着くのが魅力的でした。そうやって調査するのかという驚きと事件の裏にある人間の心が浮上がっていく様子は読み応えがありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/13/210000
読了日:08月13日 著者:岩井 圭也
青の炎 (角川文庫)青の炎 (角川文庫)感想
殺人を企てるほど、追い詰められた主人公の境遇を思えば、結末に切なさが残る。犯人であることは間違いないが、被害者でもある。最後、青い炎に呑まれた様子は印象的でした。
読了日:08月12日 著者:貴志 祐介
サイレント・ウィッチ IV 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)サイレント・ウィッチ IV 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)感想
モニカが成長していて、周りの登場人物も馴染んできている。安定のシリーズになってきました。それが歯痒くもあるが。モニカの父関係、第二王子周り、暗躍する陰が感じられ、今後どうなるか。モニカの友人からの贈り物は胸に込み上げてくれものがありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/12/210000
読了日:08月11日 著者:依空 まつり
チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫)チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日 (電撃文庫)感想
小さな子は確かに怪物だ。そんな子でも無慈悲な災害に遭えば怪物でなくなってしまう。主人公・アシトは目の前で無くした姉を忘れられずにいた時に、新しい指揮官のユアが現れる事で動き始める。子供しか戦場に出られない世界で大人の陰謀に苦しみながらも、自分の気持ちを貫くアシト、ユア、幼なじみの・エリンの姿に胸を打たれます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/11/120000
読了日:08月11日 著者:新 八角
狼と香辛料VIISide Colors (電撃文庫)狼と香辛料VIISide Colors (電撃文庫)感想
ホロ視点多めの一冊。中編1本と短編2本。最初の中編では頼れる存在として少年、少女の旅に同行して、短編ではロレンスを翻弄するいつもの姿。ロレンスと出会う前のホロを見るとロレンスと出会って変わったんだなと。新鮮でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/16/210000
読了日:08月10日 著者:支倉 凍砂
そして誰もゆとらなくなったそして誰もゆとらなくなった感想
最高に笑える朝井リョウ先生のエッセイ。文字通り、身を削って文章を書いている。尻か。馬鹿馬鹿しい話を非常にコミカルな文章で無駄に上手く表現しているのが笑いのツボに刺さる。これでシリーズ終わりと謳っているが、まだまだ朝井リョウ先生が悶絶する姿を文章で読みたい読者は多いだろう。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/09/220000
読了日:08月09日 著者:朝井 リョウ
拝啓 交換殺人の候拝啓 交換殺人の候感想
交換殺人を企てる2人の交流に心温まる不思議。交換殺人を成長に使う方法があるなんて、思いもしませんでした。パワハラに苦しんだ主人公と自分の感情を見失った少女が、影響を与え合う姿は良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/08/210000
読了日:08月08日 著者:天祢 涼
夜の道標 (単行本)夜の道標 (単行本)感想
惜しい。非常に惜しい。様々な事情を抱えた人達をそれぞれの視点から描き、一体どこへ向かっていくのか気になるストーリーになっているのだが、最終的に一部の人しか救われず、他の悩みを抱えている人達が中途半端に投げ出されたようになっている。ただ、最後までハラハラして読ませるものがありました。
読了日:08月07日 著者:芦沢 央
クライマーズ・ハイ (文春文庫)クライマーズ・ハイ (文春文庫)感想
規模が大きい事故を追うことになった、地元新聞会社の中で起こる様々な葛藤には、暗い気持ちになりますが追いたくなる魅力がありました。主人公が色々な思惑に絡み取られていく様は歯痒さがありましたが、最後の最後で晴れやかになっていく様は見事でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/14/210000
読了日:08月06日 著者:横山 秀夫
珈琲店タレーランの事件簿 8 願いを叶えるマキアート (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 8 願いを叶えるマキアート (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
んー。と残念だなぁという気持ちが強いです。正直、アオヤマと美星の関係の使い方が好きじゃない。それと、事件が前にあったものと似ているのでいまいち乗れない。犯人の動機も残念。辛口になってしまうのが辛い。
読了日:08月05日 著者:岡崎 琢磨
珈琲店タレーランの事件簿 6 コーヒーカップいっぱいの愛 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 6 コーヒーカップいっぱいの愛 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
再読。藻川のじいちゃんは高齢なら病気が来ても不思議ではない。まさか、アオヤマと美星さんの関係の発展に繋がるとはね。
読了日:08月04日 著者:岡崎 琢磨
汝、星のごとく汝、星のごとく感想
なんて壮絶な人生なんだ。必死に生きる主人公と周りの人達の葛藤から脱皮を描かれていて、胸が切り裂かれるような痛みがありました。しかし、彼らが選んだ選択は間違いなどではない。島の狭い考えに左右されずに、自分が良いと思った風に生きたらいい。間違いなんてない。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/04/210000
読了日:08月04日 著者:凪良 ゆう
珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
再読。男と女の関係を複雑に描かれていて、重たい感情がのしかかってくる。アオヤマの初恋相手は幸せになって欲しいです。
読了日:08月03日 著者:岡崎 琢磨
天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)感想
相変わらず摩訶不思議な相談事を医療の観点から解き明かしていくのは凄い。小鳥遊が惚れっぽいがあまり恋愛が上手くいかないの近くにいる2人の女のせいでしょ。笑 
読了日:08月02日 著者:知念 実希人
光媒の花 (集英社文庫)光媒の花 (集英社文庫)感想
家族の光と闇を描いていて、各話の余韻が様々でした。ただ、あまり話に入れなかった部分があり、そこは個人差かな。
読了日:08月02日 著者:道尾 秀介
珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
再読。謎が解けたら前に進めるような雰囲気の短編集で、好きな一冊です。ミスリード要素はあるが、たどり着いてみたら、景色がガラッと変わる様子は見事でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/07/120000
読了日:08月01日 著者:岡崎 琢磨

読書メーター

エースナンバー 雲は湧き、光あふれて

エースナンバー 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)

 

今回は、前巻で記者のエピソードで登場した三ッ木高校を掘り下げられていて、若監督の奮闘とエースとキャプテンの葛藤があり、より三ッ木高校を応援したくなりました。

野球経験のない、素人監督だからこそ相手チームの監督に意見を聞いたり、選手と同じ目線で動いたりしていて、良かった。最初の頃は監督としてのあり方に悩んでいて、どうなるか心配でしたが、徐々に野球部の監督になっていく様子を見ると、胸が熱くなってきました。

部活から離れていた少年の悩める心境は、読んでいて辛かった。しかも、野球部の悪い風習に繋がっていて、いったいどうなるのか心配でしたが、晴れやかな終わりになっていて、良かったです。

 

また、ピンチランナーの2人にも触れていて、良かったです。話を超えて、繋がっていく様子は素晴らしいです。

 

 

県立三ッ木高校に赴任した若杉は、野球部の監督を任せられることに。初戦敗退常連チームに、野球経験のない素人監督。だが今年の選手たちは、二年生エース月谷を中心に「勝ちたい」という想いを秘めていた。やがて迎えた夏の甲子園地区予選。初戦の相手は名門東明学園。弱小チームと青年監督の挑戦が始まる…!!少年たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集。

夏を取り戻す

夏を取り戻す (創元推理文庫)

 

1年振りに再読。

夏の季節にピッタリの作品だ。2度目なので俯瞰して読めました。伏線の貼り方が上手いなと改めて確認出来ました。

また、見逃していた部分を発見できて、何度読んでも考えさせられる小説だなと。

小学生達が失踪した理由、そして、調査する側にも理由があり、一見すると見逃してしまうようなことでしたが、しっかり掬い上げるのは非常に良いです。

 

失ってしまった夏を取り戻した最後には感慨深いものがありました。

小さな頃の夏休み、青春の夏は貴重なものだと思う。

 

 

団地に住む小学生が失踪しては数日で戻ってくる事件が立て続けに発生している。ついては解明に力を借りたい――そんな匿名の情報提供を受けたゴシップ誌の若手編集者・猿渡は、フリー記者の佐々木とともに城野原団地で取材を開始した。状況から子供たちの意図的な計画であることは明らかだったが、猿渡らがその真意をつかめぬうちに、別の子供が授業中の視聴覚室から姿を消してしまう。子供たちはなぜ順番に失踪しているのか? 俊英による傑作長編、待望の文庫化。

2022年10本目映画ブレット・トレイン

伊坂幸太郎先生のマリアビートルがハリウッド映画化となれば、観に行くしかないよな。

自分は吹き替えで観ました。

 

細かな部分は流石に忘れていたが、原作を読んでいても普通に楽しめる。いや、かなり気持ちが沸き立ちました。

新幹線の中で起こる殺し合いという怒涛の展開とそれぞれの登場人物の運命の行方にハラハラさせられたりと、ジェットコースターに乗ったような気分になります。

群像劇として、かなり入り乱れているが、混乱しないようにしっかり説明をしていたので、着いていきやすいのは大きいです。

また、コミカルな会話も魅力です。

 

スリリングな映画ですが、情緒揺さぶられるようなメッセージを含んでいるので、飽きずに最後まで着いていけました。

 

是非映画館で観て欲しい映画でした。

おすすめです!

 

 

小説の小説

小説の小説【電子特典付き】 (角川書店単行本)

似鳥鶏先生のあとがきを優に超える、おふざけ度。最高にふざけてるのに読み応えある不思議。どの短編もあの手この手で、翻弄してくるのが面白かった。

読む前から帯やあらすじでかましてくるのは想像出来たが、大幅に超えてきた!

 

ルビ、注釈、文章、カバー、帯、あらゆるところを駆使して遊んでいるのが愉快だし、そこまで突き抜けられるのかと驚きました。

 

ルビが話し始めたり、言葉の持つイメージを逆手にとった異世界に行ったり、注釈で1作作ったり、表現の自由を狭まれた世界で小説を書いていくとどうなるか、カバーと帯を使って2通りのエピソードを組んだり、自由に書いていて、理解するのが大変でしたが、圧倒的な遊び感が堪りませんでした。

 

一体、どういうことだ?と思った人は是非読んで確かめて欲しいです。

 

注意:この作品を読むとき、「常識」は捨ててください。

本格ミステリ界にその名を轟かせる似鳥鶏の新境地は、“メタ・フィクション”!

私たちの知る「小説」は、様々な「決まりごと」の上に成り立っている。
無意識下の常識を逆手に取った、ルール無用の超次元小説!

▼各話紹介▼
「立体的な藪」……いつものように殺人に出くわしてしまった名探偵。華麗な活躍で事件が解決したはずだったそのとき、思わぬ“伏兵”が推理を始め――!?

「文化が違う」……異世界転生し、チート能力で無双する。誰もが夢見るシチュエーションで、最大の敵は、言葉の“イメージ”だった!!

「無小説」……「小説」とは何か、「書く」とは何か。創作の限界に挑む、禁断の×××小説!

「曰本最後の小説」……新法が成立し、検閲が合法化された「曰本」。表現の自由が脅かされる中、小説家の渦良は、あらゆる手を尽くして作品を書き続ける。

※紙書籍版カバー裏には、特別書き下ろし短篇「噛みつき小説」を収録。
電子書籍版巻末には、特別書き下ろし短篇「夫の日記帳」を収録。

エフィラは泳ぎ出せない

エフィラは泳ぎ出せない (ミステリ・フロンティア 114)

 

デフ・ヴォイスシリーズの丸山先生が推薦分を帯に書いてるとなれば読むしかないなと。

障害を抱えて生きている人にスポットを当てて小説にするのは難しいと思いますが、今作は障害を持って生きた青年・聡の人生で関わってきた周りの登場人物を掘っていくことで、聡がなぜ死んだのかに近づいていく構成は良かったです。

また、その人その人の事情もあり、苦悩に苛まれる登場人物達の胸中を掘り下げていき、最後にたどり着いた障害を持った青年の死の背景には引きずり込まれました。徐々に迫っていくのが怖いが見逃したくない気にさせられます。

 

それぞれの立場から青年を苦しめていたのはなんと残酷なんだと思いました。しかも、皆を悪とは言い切れないのがまた複雑な気持ちになる。しかし、生きていく人達は死を無駄にしないように前に進んでいきそうだったのは良かったです。

 

ハッピーとは言い難いところはあるが、未来へ歩いていくために必要な過程だったんだなと思いました。

 

 

東京でフリーライターとして暮らす小野寺衛は、同棲する女性の妊娠が判明した夏の日、伯母からの電話を受ける。それは故郷に残してきた兄の死の知らせだった。父親と二人暮らしの兄・聡は、知的障害があり、自殺ということ以外何も分からない。七年ぶりの地元に降り立った衛は、兄の死の真相を探る決意をする。父親、伯母、幼馴染みと、聡との関わりの深かった人物に話を聞き、慟哭の真実を知る――。ノンフィクションエッセイ『しくじり家族』『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』で話題の著者が贈る、鮮烈なミステリデビュー作。