羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか5 (GA文庫)

 

前巻に引き続きの展開で、ベル達パーティーが追い詰められの決死の逃亡はハラハラしたが、助けられて良かった。助けられる形だったがそこに至るまでの必死さが良かったです。
ヘスティアがベルのピンチを察して動き出すのは愛情を感じました。

一度落ち着いて、ベル達がロキファミリアや他ファミリアと関わりを持つのは今後に関わってくるかな。

アイズとヘスティアの喧嘩は微笑ましいです笑

 

終盤の波乱のきっかけであるベルへの冒険者の嫉妬は消化させないといけないとはいえ、ヘルメス… 

場を掻き乱すことは天下一品だな。

ヘスティアは初めて神らしいと思えた笑

そして最後の大波乱は予想外とはいえ、冒険者達の意地が見れる熱い死闘でした。

リューさんやアスフィも普段見れない戦闘が見えて貴重でした。

リューさんの過去が明らかになったり、肌を見られたり、リューさんを好きになる人が増えそうでした。

ヴェルフは自分の意地を捨てて仲間を取る選択をするところは男らしくて最高でした。

ベルの祖父は偉大な人物でいつか対面するのかな。

 

「リリ達は囮にされました!すぐにモンスターがやって来ます!」「…そんなっ」「おいおいっ、冗談だろ?」鍛冶師のヴェルフを加え中層へと進んだベル達。しかし他パーティの策略により一転、ダンジョン内で孤立してしまう。ヘスティアはベルを救うため、Lv.4の元冒険者・リュー、さらには神・ヘルメスと共にダンジョン侵入を試みるが…「―階層主!?」立ち塞がる最凶の敵が、ベル達を更なる絶望へと追いつめる。希望を求め、決死行が繰り広げられる、迷宮譚第五弾!

 

 

同い年の先輩が好きな俺は、同じクラスの後輩に懐かれています2

同い年の先輩が好きな俺は、同じクラスの後輩に懐かれています2 (MF文庫J)

 

三角関係ラブコメのハラハラ感が上手く出せていて、どんどん作品に深みが出てきたような気がします。

颯太は千春、千春は颯太、互いに想いあっている間に入ろうとする青海の度胸を見ると応援したくなる。

ただ、今巻は千春の心情を中心に掘り下げていて、より颯太との距離が近づいているから難しいかな。

1巻では青海、2巻では千春を掘り下げていて、2人の気持ちを知っているからこそどちらも幸せになってほしいと思っちゃう。

だが、颯太的には千春への想いが強いから、青海は厳しいかなと感じますがひっくり返すのも見たい気も…

悩ましいですね。

千春、青海の心理描写が良くて、だからこそこの絡まっていきそうな恋の行方が気になって仕方ない…

 

ヒロイン2人を掘り下げを終えて、これから展開次第でどう転んでいくのか楽しみすぎます。

 

人見知りの美宇の友達作りは癒しでした。

美宇可愛いなぁ。

 

次巻が楽しみです!

 

距離感がもどかしい三角関係ラブコメ、第2弾!

憶病な自分を変えて憧れだった同い年の先輩、倉咲千春さんに告白できた俺、高村颯太。けれども告白自体はうやむやになってしまい、それとは別に同じクラスの後輩、藤本青海には避けられてしまうように……。どうにか関係を改善しようと青海に近づくも避けられ、対称的になぜか告白以降、倉咲さんには積極的に話しかけられる毎日。――いったい、どうしてこうなった!? そんななか、俺と同じ悩みを持つ同級生、桜井美宇から相談を持ち掛けられ……。距離が近くなった憧れの元同級生な先輩と、距離が遠のいた元後輩なグイグイ同級生、そしてどうにか変わりたい俺、のなんとももどかしい三角関係ラブコメ、急転の第2弾!

どうか、彼女が死にますように

どうか、彼女が死にますように (メディアワークス文庫)

 

タイトルの意味に気づく最後が最高に良かったです。

良い意味で裏切られた。

序盤から中盤まではよくある日常でどう物語を動かすのか気になっていましたが伏線はありつつもそこに行き着くのかと。

笑ったら死んでしまう少女と誰かを笑わせたい少年が出会い、交流していき互いの気持ちが通じ合いそうはところで現実の問題にぶつかり、打ちひしがれながらも、互いが幸せを目指していく姿に胸を打たれました。

悲しくて辛い展開ですが、見事に反転してみせた作者の仕掛けは唸るしかないです。

想像を外してくるのはやりますね〜。

 

猫も師匠も素敵でした。

 

読後感が良すぎました。

 

これは、世界一感動的な、僕が人殺しになるまでの物語。

とある事情により、本心を隠して周囲の人気者を演じていた大学生の夏希。
その彼に容赦ない言葉を投げたのは、常に無表情で笑顔を見せない少女、更紗だった。
夏希は更紗に興味を持ち、なんとか笑わせようとする中、次第に彼女に惹かれていく。
だが、彼女が“笑えない”ことには理由があった――
「私、笑ったら死ぬの」
明かされる残酷な真実の前に、夏希が出した答えとは?
想像を超える結末は、読む人すべての胸を熱くする。

赤くない糸で結ばれている

赤くない糸で結ばれている (角川文庫)

 

様々な恋愛のままならない感情について書いてきた筏田先生だからこそ、恋の良いとこ悪いところを隔てなく表現出来る。

そんな筏田先生の新作は、恋にまつわる短編集で一つ一つの話の完成度が高いです。

各話登場人物の魅せ方が上手くて迷っている登場人物の背中を押してあげたくなるくらい感情移入してしまい、読んでいて恋を応援したくなりました。

 

そして、全ての話がどこか繋がっていて収束する最後は素敵でした。

短編で各話1話ずつ単体でも面白いですが登場人物の繋がりを1話ずつ過ぎていくごとに判明していくのは、上手い構成でした。特に4.5話の繋がりは良い意味でうわってなりました。4話だけ毛色が違いすぎる笑

 

作品全体で登場人物に寄り添った描写と恋に揺れる心情が巧みで非常に素晴らしい恋愛作品でした。読み応えのある1冊です。

読み終えたら、人と出会って分かれてを繰り返しつつ、いつか知らないところで繋がっている暖かさがありました。


青春、恋愛ものが好きな人に是非読んでもらいたいです。


 

 

 

人の数だけ恋がある。恋の数だけ涙がある。共感必至の切なさをあなたに……

高校2年生の中川は、友人にすすめられ久しぶりに書店に立ち寄った。POPにひかれ手に取った本を持って行ったレジで、対応してくれた店員に一目ぼれしてしまう。彼女には「あつみ」とあった。それ以降、1冊読み終わるたびに、本を買う日々が続いていたが……ほかラジオ番組の投稿者が気になる秀才、高校時代の同級生に翻弄される女子大生、同性を崇める女子中学生など全5編を収録した、究極の切なさを描く短編集。
イラスト/山中ヒコ

スパイ教室 短編集01 花嫁ロワイヤル

スパイ教室 短編集01 花嫁ロワイヤル (富士見ファンタジア文庫)

 

本編が面白くて好きなシリーズではあるが、いかんせん主要人物が多くていまだに把握出来てない娘もいて、どうしたもんかと思ってました。短編で1人1人の少女を掘り下げていくなら覚えていけそうでホッとしました。

 

本編は隙間なく詰め込まれているので短編で少女達の心の揺れ動きを見せるのはちょうどいいのかもしれない。キャラの魅力を輝かせるのが非常に上手い作家ですね。

表裏ある面々ですが、クラウスや仲間と過ごしていく日々に良い影響を受けているのが分かり、いつまでも無事でいてほしいなと。

軽い息抜きみたいな話が大半でしたが時折真剣に取り合わないといけないところがあり、作品が緩み過ぎないように締めるところは締めているので良い塩梅です。

 

本編のセカンドシーズンや短編の続きが楽しみです。

 

 

スパイの極秘な姿を目撃せよ! 珠玉の短編集がついに登場!

「――僕は『灯』の誰かと結婚している」クラウスから告げられた衝撃の一言。そして婚約者は謎のまま『灯』メンバーで花嫁を巡る戦いが勃発する…!? 本編では描かれない、少女たちの日常を目撃せよ!

ワンダンス05

ワンダンス(5) (アフタヌーンKC)

 

ダンスバトルの連続でそれぞれが自分のエゴを剥き出しにして踊っていて惹きつけられます。

勝ち負けはありますがたしかに輝いていました。

カボは壁にぶつかったりしながらもダンサーとして周りに存在を見せつけようとしてきているし、壁谷にも自分の意見を言えて良いですね。

どんどんハマっていくのが素晴らしいです。

壁谷は勝ち負けや自分の価値観に酔っているところが好きになれないが、そんな彼を焦らすカボとのダンスバトルが見たいです。

 

そして、伊折の覚悟が見えるダンスシーンは見応えがありました。

どころ迷っている印象でしたが、カボ、湾田から影響受けて自分の殻を破るところはカッコ良かった!

チャラそうに見えて好きなものに誠実なのは素晴らしいです。

 

大会も大詰めで次巻も楽しみです。

 

高校対抗ダンスバトルは個人戦の決勝トーナメントへ。

初戦を飾るのは湾田 vs. マッチン。
挑発的なムーヴをぶつけてくるマッチンに対して、
湾田は「音に誠実」なダンスを魅せつける。

初戦の熱量がフロアを包み込む時、
「奪い去りたくなる」
客席のカボの中に激しい感情が湧きあがる。

一方、トーナメント1回戦で最もハイレベルな好カード、
一凛高校部長・宮尾恩 vs. 昌谷高校部長・巧宇千
が始まろうとしていた。

2020年 下半期に読んだおすすめのミステリー作品17選

 凄い今更ですが去年下半期に読んだミステリー作品で面白かった作品を紹介します。シリーズものもありますが単巻でも惹きつけられる作品ですので大丈夫です。

気になる作品があれば是非読んでもらいたいです。

 

 

法廷遊戯

法廷遊戯

 

この作品を読んで、罪を犯した人の罪の向き合い方や罰を下すとはなんと重いことがどれだけ辛いのかが伝わってきました。

是非多くの人に読んでもらいたい作品でした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/30/210000

 

 

 

楽園とは探偵の不在なり

楽園とは探偵の不在なり

 


この作品は特殊設定の、2人以上殺したら天使に地獄に連れて行かれるということが上手く作用していて、動機や殺人方法が予期しづらくなっていて、謎解きをさらに難しくしていました。その分謎解きの際に唸りました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/08/23/210000

 

生まれつきの花: 警視庁 花人犯罪対策班

生まれつきの花: 警視庁 花人犯罪対策班

  • 作者:鶏, 似鳥
  • 発売日: 2020/09/14
  • メディア: 単行本
 

見ていたものは表面でしかなかったのを知り、そこから殺人事件の裏側に潜んでいた真実が明かされていくまでの流れがスピーディでかつ勢いがあり、読んでいてワクワクしました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/16/210000

 

僕の目に映るきみと謎は (角川文庫)

僕の目に映るきみと謎は (角川文庫)

 

今作は怪異というホラー、真守と恋子や登場人物達の青春の陽と陰、怪異を生んだわけや正体突き詰めていくミステリー、全ての要素が絡み合っていながら、どの要素の魅力を潰し合うことなく、活かしあっていて素晴らしい構成でした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/25/210000

 

死体埋め部の回想と再興 (ポルタ文庫)

死体埋め部の回想と再興 (ポルタ文庫)

 

死体を埋めるという行動を、罰を、誰かと分け合いたかった織賀の気持ちを祝部は受け取っていて、互いに互いを承認しあって生きていく関係も悪くないのかなと。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/09/23/120000

 

 

向日葵を手折る

向日葵を手折る

 

率直にいうと辛さや痛みを感じつつ幸せに包まれる読後感でした。

辛い、痛い、というのは登場人物の綺麗な内面と汚い面が見事に描かれていたからだと思う。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/10/210000

 

 

五色の殺人者

五色の殺人者

  • 作者:千田 理緒
  • 発売日: 2020/10/10
  • メディア: 単行本
 

介護施設で殺人が起きるので、犯人を見たのを覚えていられなかったり、見間違いが生じるので、そこが謎に繋がっていくのは唸りました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/16/210000

 

 

揺籠のアディポクル

揺籠のアディポクル

 

主人公のタケルとコノハが周囲から孤立してから殺人が起きるということで犯人は限られているシチュエーションではあるが、当然簡単には分からせてはくれない。情報の出し方が巧みで分かりそうで分からない構成は上手いです。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/18/210000

 

 

依頼も様々で、話ごとに読み口も色々変わってくるので最後の話の終わりに感じる余韻も種類が豊富でじっくり楽しめます。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/25/210000

 

AX アックス (角川文庫)

AX アックス (角川文庫)

 

最初は笑い話でしたが、話を追っていくうちに生臭い世界を知っているからこそ、光である表の顔の父親という存在になろうとしていたんだと思うと胸が苦しくなります。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/09/210000

 

 

ホワイトラビット(新潮文庫)

ホワイトラビット(新潮文庫)

 

時系列ずらしたり、意味がなさそうな言葉に意味を持たせたり、作中の合間に作者が強引に介入してきたり、やりたい放題な小説でした。だがそれが良い味を出していました。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/10/23/210000

 

 

 

放課後の嘘つきたち (ハヤカワ文庫JA)

放課後の嘘つきたち (ハヤカワ文庫JA)

 

タイトルにある通り、主人公・修、幼馴染・白瀬、皮肉屋・御堂、それぞれが後ろめたいものを抱えていて嘘をついている。

人間の負の一面を突いていく物語でまた彼らに会いたくなります。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/11/20/210000

 

 

どの話もそれぞれ味があって明るい余韻やほろ苦い結末も素敵ですし、至るまでの過程も丁寧にかつびっくりするような仕掛けもあって楽しめます。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/11/28/210000

 

 

 

表題作の蝉かえるはミステリーとして王道をいった形で読み終えた後の余韻が素晴らしいですし、タイトルの意味や謎の真相が分かった時の衝撃が凄いです。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/11/17/210000

 

教室に並んだ背表紙

教室に並んだ背表紙

  • 作者:相沢 沙呼
  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: 単行本
 

明るい雰囲気ではなく、学校という同調圧力が強い場所で生まれる疎外感や自分の個性は"みんな"に合わないという苦しみなど負の面が多めです。しかし、救いがないというわけではないのでホッと心が温まる余韻があります。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/12/06/210000

 

孤島の来訪者 〈竜泉家の一族〉シリーズ

孤島の来訪者 〈竜泉家の一族〉シリーズ

 

特殊設定ミステリーということで、マレヒトという正体不明の存在が殺人を進めていくので先が読めずに無気味な雰囲気で進んでいくのに惹かれました。

まさかのところが答えに繋がっていて濃いミステリーで読み応えがバッチリでした。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/12/02/210000

 

 

錬金術師の消失 (ハヤカワ文庫JA)

錬金術師の消失 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

ミステリーとして動機やトリックが確立されていて読み応えがありました。

推理が完成して真実が明かされる終盤は見事な展開でした。

今回起きた事件だけでなく、作品で大事な要素で驚きの事実も明らかになって、これからどうなっていくのか楽しみで仕方ないです。https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/12/20/210000