羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

恋は双子で割り切れない

恋は双子で割り切れない (電撃文庫)

表紙とタイトルから良いラブコメの匂いがぷんぷんしますね。

作中でも主人公とヒロインの胸中を表すシーンであまり見ない特殊な表現がされていて、より登場人物の気持ちが伝わるようになっていたりと随分仕掛けてくる作品だなと。

力が入っている証拠ですね。

 

内容としてはタイトルの通り、素直に好きと言えない双子の葛藤や未熟さが密に描かれていて、読み応えがありました。

姉・琉実、妹・那織の性格は正反対で、主人公・純へのアプローチも違う。ただ、好きという気持ちは同じ。

互いに遠慮しあった結果、複雑な三角関係になり恋に悩む双子の様子が青春でした。

最初は真っ直ぐにいくかと思いきや次第に拗れていき、ぶつかり合う双子。

1巻はプロローグといった形で、次巻からが始まりか。

難点としては双子から好意を寄せられる純が優柔不断ということか。純の掘り下げが少なかったからかな。

次はあるだろうから純の奮闘が楽しみではあります。

 

友人達も個性的で、これからどう関わってくるのか色々と楽しみです。

 

全体的に色々詰め込んでいて、まとめ切れるか心配だが、割り切れない恋の続きが気になりますね。

 

拗れて、純情と不純に揺れる三角関係が非常に魅力的な作品です。

 

いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない。初恋こじらせ系双子ラブコメ!

我が家が神宮寺家の隣に引っ越してきたのは僕が六歳の頃。それから高校一年の現在に至るまで両家両親共々仲が良く、そこの双子姉妹とは家族同然で一緒に育った親友だった。
見た目ボーイッシュで中身乙女な姉・琉実と、外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。そして性格対照の美人姉妹に挟まれてまんざらでもない、僕こと白崎純。いつからか芽生えた恋心を抱えてはいても、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど――。
「わたしと付き合ってみない? お試しみたいな感じでどう?」
――琉実が発したこの一言が、やがて僕達を妙な三角関係へと導いていく。
初恋こじらせ系双子ラブコメ開幕!

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

 

後藤さんに振られたことから始まった吉田と沙優の物語だが、肝心の後藤さんがなぜ吉田を振ったのかが明らかに。

ただ、後藤さんの言い分に納得はいかなかったが、吉田が素直に自分の気持ちを吐いて、筋を通すように突きつけたからある程度納得のいく落としどころかなと。

後藤さんも事情を知り、沙優と会うことになり、どうなるかと思ったが沙優の気持ちに寄り添いつつ、現実を突きつけて、沙優の悩みも少しは晴れたんじゃないかと。

 

そして、沙優の昔を知る男・矢口の登場で沙優の古傷が浮かび上がり、吉田の考えの甘い部分も見えて来て、2人が目を逸らしていた同居生活の問題点と向き合うことに。

もがき苦しみながらも今と向き合い、未来へ目を向けた2人は良かったです。

矢口の言い分は全て否定するわけではないが、お前が言うのか感はありました。

あさみが矢口にビシッと駄目なところは駄目だと突きつけるシーンは最高でした。

沙優とあさみの悩める友達同士、支え合う関係が素晴らしいです。

 

後藤さん、三島、あさみ、橋本、周りにいる人達が本当に良い人達だなと。

 

 

 

ヤケ酒の帰り道に、家出JK・沙優を拾ったサラリーマンの吉田。そのまま始まった微妙な距離感の同居生活にも慣れてきた頃、沙優から“お願い”を切り出される。「バイトをさせてください」「いいぞ」「いいぞって!…え、いいの?」遠慮ばかりだった沙優が「自分のやりたいこと」を教えてくれた。それだけのことがなんだか嬉しい吉田。そんななか、元片想い相手である後藤さんに、なぜか2人きりの夕食に誘われて―「吉田君のお家に行きたいって言ってるんだけど」サラリーマンと女子高生の日常ラブコメディ第2巻。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

 

今となっては同居系ラブコメが多く見られるようになっているが、この作品が売れたからだと個人的に思います。詳しい数値などは知りませんが、肌感覚でそうかなと。

 

近々最終巻が出るのとアニメが始まっていて読み返したくなりました。序盤は緩い、ありがちな展開で始まるが次第に沙優の中に募る焦燥感を文章に落とし込むのが上手い。

吉田からすれば興味ないことかもしれないが、今まで身体を売って住まわせて貰っていた沙優からすると吉田から与えられる代償のない優しさに戸惑って暴走するのは自然なことかと。

最後に腹を割って話し合えて、不安を取り除けたのは良いことだ。

吉田視点からしても沙優の存在は広がっていて、吉田の渇いた日常が潤うようになってきているから、互いに良い効果を生んでいるのが素晴らしい。

 

沙優以外にも後藤さん、三島などが吉田に気があって、関係図が見えてきて、吉田が罪な男だというのが分かる。

三島のリアリストな恋愛観や仕事への取り組みは個性的で応援したくなります。

後藤さんはよく分からない。

同僚の橋本や遠藤はちょい役だが良い男達だ。

 

いってらっしゃい、おかえりなさいで紡ぐ日常を是非読んでもらいたいです。

 

5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけて――「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。『おはよう』『味噌汁美味しい?』『遅ぉいぃぃぃぃぃ』『元気出た?』『一緒に寝よ』『……早く帰って来て』家出JKと26歳サラリーマン。微妙な距離の二人が紡ぐ、日常ラブコメディ。

呪術廻戦13

呪術廻戦 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

真希さん達のピンチに伏黒登場するが劣勢に。そこに伏黒父もどきが乱戦してきてめちゃくちゃに。

伏黒父強すぎて終わったと思いましたが、そんな彼の中に良心が残っていたのは救いでした。

そして宿儺が無理矢理引きずり出されて自由に動きまわってとんでもないことに。

漏寤が御せる相手ではない。

どうやって宿儺を引っ込ませるんだ…

 

 

杖と剣のウィストリア

杖と剣のウィストリア(1) (マガジンポケットコミックス)

 

ダンまち作者が原作ということで、楽しみにしていました。

魔法が重要な世界で魔法を使えない主人公・ウィルが馬鹿にされたり邪魔されながらも自分の信念を貫いて、夢に向かってひたむきになっている姿は熱い!

魔法を使えずに逆境に立っているが、腐らずに自分の出来ることをしていて応援したくなります。

ウィルが会いたいという相手は遠い存在だが、いつか会えるのだろうか。

 

戦闘シーンも熱くて見応えがあります。

楽しみなシリーズになっていきそうです。

 

リガーデン魔法学院で学ぶウィル・セルフォルト。魔法が使えず『無能者』と軽んじられる少年は、魔法世界の頂『塔』を目指す事を諦めていなかった。単位不足を補うため、ダンジョンに潜りモンスターを狩り続ける!! 幼き日に交わした『約束』を果たす為に──

2021年 4月 読んだ本とおすすめ作品 読書メーターから

新作ではスニーカー文庫のラブコメ2作品、他人を寄せ付けない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれたと飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?が面白くてこれからが楽しみです。

新刊では面白いのが多かったですが、中でも、男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう?、アンデッドガール・マーダーファルス 3、千歳くんはラムネ瓶のなか 5がずば抜けていました。

既刊では、逆ソクラテスが心にかなり響いてくる素晴らしい作品でした。

 

・新作のおすすめ作品

他人を寄せ付けない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれたたhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/01/210000

飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/02/210000

蒼と壊羽の楽園少女https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/14/210000

第八の探偵https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/16/210000

 

 

 

 

・新刊のおすすめ作品

男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう? https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/10/213000

アンデッドガール・マーダーファルス 3 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/17/213000

ネメシス3 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/18/214500

掟上今日子の婚姻届 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/20/213000

結婚が前提のラブコメ 4 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/22/211500

千歳くんはラムネ瓶のなか 5 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/21/210000

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/23/213000

クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。 2 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/25/210000

 

 

 

 

・既刊のおすすめ作品

ソクラテスhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/06/210000

アンデットガール・マーダーファルス1.2 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/08/210000 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/13/210000

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか6.7 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/19/120000 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/29/210000

リバース&リバースhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/26/210000

 

4月の読書メーター
読んだ本の数:36
読んだページ数:12261
ナイス数:877

スイッチ 悪意の実験スイッチ 悪意の実験感想
純粋な悪を知りたいという試みから実験的なアルバイトをすることになった主人公達がまさかの展開に疑いながらも、善意を信じようとするのが良かった。良い感じに混乱する状況を収束させてまとめあげるのは凄かったです。次回作も楽しみにしています。
読了日:04月30日 著者:潮谷 験
俺がピエロでなにが悪い! (講談社ラノベ文庫)俺がピエロでなにが悪い! (講談社ラノベ文庫)感想
主人公・樹が真っ直ぐな気持ちで病気で落ち込む少女を笑わせたいという目標を抱えていて、応援したくなる物語でした。樹の周りにいる家族や、ギャルの市川や優等生の桜井、担任の吉沢先生、など登場してくる人物が優しくて、素直に樹と市川の奮闘が輝くようになっていました。終盤のショーは見事な感動を生み出していて素晴らしかったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/30/210000_1
読了日:04月29日 著者:白井 ムク
メグル (創元推理文庫)メグル (創元推理文庫)感想
短編集で1話1話の構成が非常に巧みでアルバイトを探している学生の秘める悩みに合ったアルバイトを紹介していく悠木さんの人を見抜く目が素晴らしい。最初は悠木さんを疑いながらアルバイトするが、徐々にそれぞれの悩みに合ったアルバイト内容で、終えてみると殻を破るかのような成長していて素晴らしいです。タイトルのめぐるにもじんわりと心にくるものがありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/05/02/210000
読了日:04月29日 著者:乾 ルカ
夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)感想
生きている環境を変えるか変えないか。感情の向く先が分からない人達が自分なりの指針を見つけていくのは素晴らしいなと。心理描写が見事で、どんどん感情に引っ張られそうになりました。
読了日:04月28日 著者:町田 そのこ
リバース&リバース (新潮文庫)リバース&リバース (新潮文庫)感想
ふと気になって読んでみたら大当たりでした。オセロのように白、黒パートで語り手が変わっていて二つの面から進む物語。途中から、あれ?と思ったが、最後に白黒が混ざり合って、反転していく様は見事でした。生きていくうえでの救いを感じました。他作品も読んでいこうと思いました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/26/210000
読了日:04月26日 著者:奥田 亜希子
君と、眠らないまま夢をみる (メディアワークス文庫)君と、眠らないまま夢をみる (メディアワークス文庫)感想
過去の割り切れない気持ちとさよならするのは大事。次に進むためにはしっかり踏ん切りをつけようとする主人公達が爽やかな結末を迎えられて良かったです。
読了日:04月25日 著者:遠野 海人
クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。2 (MF文庫J)クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。2 (MF文庫J)感想
素直になれない才人と朱音の揺らいでいく胸中がたまらなく愛おしく思えます。朱音の友人である陽毬が才人へアプローチをして、朱音は結婚を隠しているため気持ちを隠して陽毬を応援するが、たまらずに心から溢れでた台詞は破壊力がありました。根本的な2人の気持ちが芽生えてきて、これからが楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/25/210000
読了日:04月25日 著者:天乃 聖樹
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)感想
再読。戦争遊戯を経てヘスティアファミリアの繁栄に繋がる…わけもなく。笑 やはり少数精鋭が良いよね。ベルが春姫という少女を迷いながらも救いたいと決意して、助けてみせるのはまさに英雄でした。フレイヤ様のイシュタルへの一言が全てでしたね。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/29/210000
読了日:04月24日 著者:大森 藤ノ
少女と血と勇者先生と (ファンタジア文庫)少女と血と勇者先生と (ファンタジア文庫)感想
王道な流れで盛り上がりがありましたが、どこかなぞっているふうに感じて感情移入しづらい作品でした。
読了日:04月23日 著者:蒼木 いつろ
結婚が前提のラブコメ (4) (ガガガ文庫 く 2-7)結婚が前提のラブコメ (4) (ガガガ文庫 く 2-7)感想
ダメンズにばかり惚れてしまう、まひるさんにスポットが当たり、彼女が抱えていた想いが明らかになる。きっと誰しもが思うことだろうが、まひるさんは考え過ぎてしまって前に踏み出せなくなった。そんなまひるさんの背中を押す縁太郎達の支えがありつつ、幸せを手にする展開は胸が熱くなりました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/22/211500
読了日:04月22日 著者:栗ノ原 草介
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5 (14.5)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14.5 (14.5)感想
特典の短編集だからボリュームはないが、1話1話噛み締めるように読みました。やはり八幡達の日常はややこしくて拗れているが愛着があって、良いなぁと耽りながら読めました。まだまだ終わらない俺ガイルの展開が楽しみです。デレのんの破壊力は素晴らしいです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/23/213000
読了日:04月21日 著者:渡 航
千歳くんはラムネ瓶のなか (5) (ガガガ文庫 ひ 5-5)千歳くんはラムネ瓶のなか (5) (ガガガ文庫 ひ 5-5)感想
高校2年生の夏休みは特別だ。千歳達の日々は賑やかで楽しい。今巻は千歳だけでなくヒロイン達や男達の掘り下げをしていて、これからどうなっていくのかなと思っていたら最後の展開ですよ。薄々嫌な予感がありましたが、ここに持ってくるかと。夕湖の気持ちが痛いほど伝わってきているからこそ胸の中が暴れ出しそうでした。ここからどうなっていくんだ… ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/21/210000
読了日:04月21日 著者:裕夢
今夜、きみは火星にもどる (角川文庫)今夜、きみは火星にもどる (角川文庫)感想
なんとも味のある青春SF作品でした。火星に行くという少女と付き人の距離感が良い。そして、付き人である主人公が最後に自分の未熟さを自覚して、大人へ向かって走っていくのは爽やかでした。絡んでくる友人、ギャルや先生はいい人達で暖かさがありました。
読了日:04月21日 著者:小嶋 陽太郎
子ひつじは迷わない  騒ぐひつじが5ひき (角川スニーカー文庫)子ひつじは迷わない 騒ぐひつじが5ひき (角川スニーカー文庫)感想
文化祭特有の話がしつじ喫茶くらいで他は平時でも出せる話だったのは残念。個人的に文化祭だからこそ起きたミステリーが読みたかった。最後に会長の一部が表に出てきてて、ニヤニヤ出来るのは良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/27/210000
読了日:04月20日 著者:玩具堂
キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~ (メディアワークス文庫)キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~ (メディアワークス文庫)感想
綺麗に完結。嗄井戸の姉を殺した犯人ときっちり決着がついたのは良いが、犯人が安っぽくて唐突に感じたのは残念でした。嗄井戸と奈緒崎の関係が互いに支え合っていけるようになってめでたしめでたし。束ちゃんも掘り下げられていて、彼女も救われたのは良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/24/211500
読了日:04月19日 著者:斜線堂 有紀
掟上今日子の婚姻届 (講談社文庫)掟上今日子の婚姻届 (講談社文庫)感想
今回は登場人物が少なく、犯人を当てるというよりは動機や裏側を探っていくスタンスで今日子さんの様々な面も見られて、愉快だし深いなぁと思ったりして相変わらず楽しませてもらいました。厄介の想いも垣間見えて良かった。思い込みやすり込みで動きたくないなぁとしみじみ思いました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/20/213000
読了日:04月19日 著者:西尾 維新
ネメシス3 (講談社タイガ)ネメシス3 (講談社タイガ)感想
女子高で起きた教師殺人とカンニング疑惑の棋士の対戦で起きた事件に挑む。共にAIが絡んでいるが、大事なところは人間らしい感情が事件の根幹を担っているのは良いものだ。アンナの敗北も読み終えてみると納得でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/18/214500
読了日:04月18日 著者:周木 律
アンデッドガール・マーダーファルス 3 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 3 (講談社タイガ)感想
バトル、逃亡、ミステリー、悲劇、様々な要素がてんこ盛りのシリーズ第3巻。人狼という有名な題材を扱い、華麗なミステリーを練り上げていて、複雑に絡み合った糸が解けていく解決パートは美しい。これぞ青崎有吾先生って感じがしました。鴉夜さんが今までで1番探偵しているのも好きでした。次巻も楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/17/213000
読了日:04月17日 著者:青崎 有吾
第八の探偵 (ハヤカワ・ミステリ文庫)第八の探偵 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
数学の理論を用いる作家と編集者が1冊の本に収録されている短編を1話ずつ読み上げて解説していく形式で進む。それぞれの話が惹かれるのはもちろんのことだが、ミステリーについて2人が言及していく会話が抜群に良い。そして、7話読み終えた後に誕生する第八の探偵はお見事でした。素晴らしい構成です。
読了日:04月16日 著者:アレックス パヴェージ
蒼と壊羽の楽園少女(アンティーク) (GA文庫)蒼と壊羽の楽園少女(アンティーク) (GA文庫)感想
ファンタジーとしての世界観とキャラクターの背景がしっかり描かれているから、作品に没頭出来ました。主人公・イスカと世界の謎に近い少女・アメリが絆を深めていき、目的へ向かって旅をしていく過程で陰謀に巻き込まれるが、乗り越えていく2人を応援したくなりました。続きが楽しみです。
読了日:04月14日 著者:天城ケイ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6 (GA文庫)感想
再読。ベルが変態アポロンに迫られて、ファミリア同士の対決まで持っていかれることになり、ピンチに。緊急事態のヘスティアファミリアに次々と仲間が加わっていきジャイアントキリングするのは熱いです。ベルだけでなく周りも奮闘していたので今までと違う盛り上がりでした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/04/19/120000
読了日:04月14日 著者:大森 藤ノ
アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)感想
再読。今回はミステリーというより怪異方面が広がっていき、様々な大物達が登場していて混沌としていました。バトル多めで、ミステリーを期待していたらびっくりすると思う。ただ、このなんでもありなノリは嫌いではないなと。
読了日:04月13日 著者:青崎 有吾
春夏秋冬代行者 春の舞 下 (電撃文庫)春夏秋冬代行者 春の舞 下 (電撃文庫)感想
下巻。秋の現人神が攫われて、春夏秋冬の現人神、補佐が一同に会するのは胸の高鳴りが止まりませんでした。それぞれの人物が抱えている悩みが解消されて、みんなが幸せになってくれてホッとしました。また、黒幕への制裁はきちんとされているので良かったです。やっぱり、冬と春が再会してこれから一緒にいるんだと思うと幸せな気持ちになりますね。
読了日:04月12日 著者:暁 佳奈
春夏秋冬代行者 春の舞 上 (電撃文庫)春夏秋冬代行者 春の舞 上 (電撃文庫)感想
上巻。各季節を司る現人神とその補佐の過去と現状を描くと同時に、それぞれの人物が未来へ変わろうとする心境が痛いほど伝わってきました。世界観も美しいようで汚いところがある、そんな世界でもがいていくのは大変そうですが、幸せな結末になって欲しいと願うばかりです。
読了日:04月11日 著者:暁 佳奈
男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう? (電撃文庫)男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう? (電撃文庫)感想
前半から中盤にかけて上手いこと行きすぎているなと思っていたら揺り戻しが終盤に待っていました。悠宇と日葵が現実的に自分達が行っていたことや、前巻から目を背けていた、約束について考えないといけなくなり暗雲が立ち込めましたが、しっかり自分の気持ちに向き合えた2人に胸が熱くなりました。次巻も楽しみです。
読了日:04月10日 著者:七菜 なな
負けるための甲子園 (実業之日本社文庫)負けるための甲子園 (実業之日本社文庫)感想
負けるために甲子園に行くという背徳さがありつつも理由がしっかり描かれているので、納得しました。野球賭博やガイコツなどダークな部分がチラつきながらも真っ直ぐ誰かのために野球に打ち込む青春は胸に響きました。最後の結末は心配しましたが、爽やかに締めくくっていて良かったです。
読了日:04月09日 著者:谷山 走太
【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」文庫グランプリ受賞作】甘美なる誘拐 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」文庫グランプリ受賞作】甘美なる誘拐 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
誘拐もので甘美なるとついていたら興味が湧いて読みました。いつ物語が動くのかと焦ったくはありましたが動き出したら最後まで勢いがありました。時系列やそれぞれの思惑が交差して、たどり着いた結末は確かに甘美なる誘拐だなと。良い伏線回収ですっかり騙されました。予想の斜め上を行く真相に驚かされました。
読了日:04月08日 著者:平居 紀一
アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)感想
3巻が発売するということで再読。改めて読んでもキャラクターの濃さや背景、ミステリーのロジカル的なところが突き詰めていて読みやすいしミステリーにも満足する作品ですね。首しかない探偵や様々な種族が入り乱れているので楽しいとしか。
読了日:04月07日 著者:青崎 有吾
タクティカル・ジャッジメント〈2〉きまぐれなサスペクト! (富士見ミステリー文庫)タクティカル・ジャッジメント〈2〉きまぐれなサスペクト! (富士見ミステリー文庫)感想
今回も冤罪を阻止したがやり方がめちゃくちゃだな笑 いつまでこのやり方が続くのか気になりますね。めちゃくちゃな展開だけど癖になります。犯人や協力者、裁判関係者を引っ掻き回す手腕は楽しいです。
読了日:04月06日 著者:師走 トオル
キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~ (メディアワークス文庫)キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~ (メディアワークス文庫)感想
1巻に比べて刺激が少なくほのぼのとした短編でしたが奈緒崎と嗄井戸の関係の修復や会話に微笑ましい気持ちになり、平和な空気でしたが終わりの数ページで一転しました。これはかなり不穏な空気が出てきました。
読了日:04月06日 著者:斜線堂 有紀
フィッシュストーリー (新潮文庫)フィッシュストーリー (新潮文庫)感想
短編集。ノンシリーズだが他作品との繋がりにはにやっとします。黒澤さんは魅力的なキャラなので出番が 多くて良かったです。どの短編も独特の空気がありながらも読み進めていくうちに話に惹かれていく魅力がありました。じわっと心にくるものがありました。短編のタイトルがそれぞれ染みてきます。
読了日:04月05日 著者:伊坂 幸太郎
逆ソクラテス逆ソクラテス感想
短編集で子供達が主役ということでいつもの無茶苦茶(褒め)な展開はないだろと思っていたが、軽く挟まっているのは驚き。小学生や中学生の時に読みたかった内容で幼かったゆえに苦しんだり悩んだりするツボを的確に突き刺さる内容でした。現実をひっくり返していく話が堪りませんでした。全話素晴らしい短編です。
読了日:04月04日 著者:伊坂 幸太郎
子ひつじは迷わない  うつるひつじが4ひき (角川スニーカー文庫)子ひつじは迷わない うつるひつじが4ひき (角川スニーカー文庫)感想
シリーズ初の長編。学園から飛び出して鏡のない館で問いかけられる謎が今までとは違った雰囲気で、作者も述べていましたが迷走しているのは感じましたが、これはこれで良かったのかなと。仙波の心境が多くて、彼女も変化していくのかな。会長や佐々原も魅力が出てました。
読了日:04月03日 著者:玩具堂
飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか? (角川スニーカー文庫)飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか? (角川スニーカー文庫)感想
自殺を試みるほど追い詰められていた美少女・初白が出会ったのは彼女を死ぬほど欲しがっていた少年・結城。一緒に暮らすことにより幸せを感じている2人に頬が緩みます。互いに悩みや苦しみを持っていたが、周りの友人の支えもあり、離れ離れになりそうになりながらも気持ちが通じ合っていくのは素晴らしかったです。良いラブコメでした。続きが楽しみです。
読了日:04月02日 著者:岸馬 きらく
幼なじみからの恋愛相談。 相手は俺っぽいけど違うらしい (角川スニーカー文庫)幼なじみからの恋愛相談。 相手は俺っぽいけど違うらしい (角川スニーカー文庫)感想
あまりに物語が動かなくて焦ったい。最後の山場も理由がしょうもなくて、最後の最後に自分の気持ちに気づくのは遅すぎるなぁ。
読了日:04月01日 著者:ケンノジ
他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた (角川スニーカー文庫)他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた (角川スニーカー文庫)感想
優等生という空をかぶる主人公・大楠と周りを気にしないで一匹狼を装うヒロイン・江南がちょっとしたことで会話して関わりを持つことに。ヒロインがぐいぐい攻めてきて混乱するのも良いですし、そんなヒロインの事情や主人公の過去が垣間見えて、これからどこへ向かうのか楽しみで仕方ないです。健気な花咲も報われるのか否か。
読了日:04月01日 著者:向原 三吉

読書メーター

 

 

 

蝶として死す: 平家物語推理抄

蝶として死す: 平家物語推理抄 (ミステリ・フロンティア 108)

刀と傘を読んで歴史ミステリーに興味が出てきたので、同レーベルから出てきた今作を読もうと思いました。

 

骨太な歴史ミステリーで、1話1話の真相に至るまでの難しさと解いた後に残される現実がとことん突き詰められていて、素晴らしいです。

なぜ、事件が起きたのかというのと解けた後にも油断ならない事情が見えて、各話に重みがありました。

主人公の頼盛の芯のある生き方もよく描かれていて、胸に秘めた想いにいたるまでの生き方が見えているからこそ、エピローグの後にまで残る彼の気持ちに盛大な拍手をしたくなります。

兄の清盛に使われたり、周りに理解されずとも、自分の考えを信じ抜いて見せたのはまさに蝶としての本懐だったのではないかと。

タイトルの意味はどんな風になっているのか気になっていましたが、作中でしっかり回収されていて、読み終えてから表紙を見ると感慨深いものがあります。

 

ミステリーとしてもがっちり楽しめるし、主人公の頼盛を追うのもよし。

素晴らしい作品でした。

 

平清盛の配下である童子・禿髪は、なぜ惨殺されたのか? 首のない五つの死体から、どうすれば探している人物を特定できるのか? 帝の庇護下にあった寵姫を、どのようにして毒殺したのか? ――不可思議な謎に挑むのは、清盛の異母弟にして一族の裏切り者・平頼盛平安時代ならではの、前代未聞の新しい謎を描いたと話題を呼んだ、第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」など5編を収録。新鋭が贈る歴史ミステリ連作集(受賞時の齊藤飛鳥名義より変更)。