羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

スモールワールズ

スモールワールズ

 

発売当初から気になってはいたが、手が出なかった。しかし、今作に入っている魔王の帰還という短編が漫画化されていて、読んでみたら面白かったので、今作に手が出せました。

 

なんだろう、読んでいてモヤモヤしたり、登場人物に感情移入して苦しんだりとわりと重りが乗っかってくるような話が多かったが、その分、救われるようなエピソードにホッとしました。

日常に潜む、様々な感情を切り取った短編集になっていて。物語の出発から着地するまで、想像しながら読み進めていくと、どれも想像以上の展開をしているので1話1話の余韻が頭に残るようになっていました。

話ごとに思う事が違って、良い意味で作者に転がされました。

 

裏を突かれたピクニックと、どう着地するのか分からなかった愛を適量は収録作の中でも印象深かった。

 

登場人物ざ背負っていたものから良くも悪くも解放されていく様子は、過程の話が上手いからこそ感じられるのだなと。

 

生きづらさを抱えている人に届いて欲しい物語です。

 

 

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する2

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する2 (角川スニーカー文庫)

 

暗殺者・ルーグの標的である勇者・エポナが掘り下げられる。

なぜ、女神が勇者を殺せというのかが分かる。

どういう事情があるのかなと思ったら、力はあるが、力に振り回されて敵味方関係なく虐殺する勇者は危険過ぎる。

力と精神がチグハグしていて、心配になる存在ではある。

 

そんなエポナと向き合って、信頼を得たルーグだが、きちんと殺せるのか不安が残る。

実力的にもエポナの力は飛び抜けていて、ルーグが殺しきれるのかというのと情が湧いて適切な対応が出来るのかというところが気になってしまいます。

 

そして、ルーグが力を隠さずに本気出さないといけない状況になってきていて、ルーグが今後、どう強くなっていくのか楽しみ。

 

 

規格外の魔力を持つ男の強襲を、現世で身につけた必殺の暗殺術で退けたルーグ。そんな彼の下へ、遂に殺すべきターゲットである“勇者”誕生の報が届いた。王国中の魔術エリート達が集う王立騎士学園で勇者と出会える事を知ったルーグは、ディア・タルトと共に入学試験に挑む。秘術を使わずとも他を寄せ付けない圧倒的な強さと知性で衆目を集め、更には比類無き強さを誇る“化物”と相対するも暗殺者は冷静そのもので―。「友となれば暗殺が容易くなる。すべてを丸裸にしてやろう」転生した“伝説の暗殺者”が精鋭たち犇めく学園で無双する!最強×無敵のアサシンズ・ファンタジー、新展開の第二幕!!

トリカゴ

トリカゴ

 

無戸籍者を題材にした社会派ミステリー。

 

無戸籍者がいるのは知っていたが、改めて知ることが出来て良かったです。当たり前の基準が変わってしまっている彼らにとって、戸籍を持っている人をどう感じているのか。学ばせてもらいました。

日々、当たり前に受けているサービスも受けられない人達もいるというのは分かっていても受け止めきれなかったが、今作を読んで、そういう不利な生き方をしいられる不条理さを感じました。

困っている人を支えられる社会にならないといけないのだなと。

 

 

物語としてはミステリー要素を絡ませられていて、リョウとハナの正体についてや鳥籠事件、不穏な空気がまとっていたが、終盤にひっくり返したような真相に驚かされました。

見逃していた伏線が多々あり、悔しくも良い展開でした。

 

主人公・里穂子の警察官として、母親として揺れる心情を描いていて、非常に魅力的でした。

悩みながらもリョウやハナ達に寄り添っていった里穂子を裏切るような展開にならなくて良かったです。

リョウやハナ達がユートピアという幸せな空間から現実と向き合っていくに至るまでの過程が素晴らしかったです。

 

最終的に飛び立つことになる登場人物の未来に希望があるようにと祈りたくなりました。

 

 

蒲田署強行犯係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住む生活共同体を発見する。その共同体“ユートピア"のリーダーはリョウ、その妹のハナが事件の容疑者となっていた。彼らの置かれた状況を知った里穂子は、捜査が“ユートピア"を壊すのではないかと葛藤を抱くようになり……『十の輪をくぐる』の著者渾身の書き下ろし長編ミステリ。

ブラックサマーの殺人

ブラックサマーの殺人 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

ストーンサークルの殺人の続編。

今回もボリュームがある1冊だが、飽きさせないハラハラした展開をしていて、楽しく読めました。

 

ポーが昔捕まえた犯人が実は殺人をしていなかった疑惑があがり、次々とポーにとって悪夢のような状況が整えられていく。

前作より、マシマシの難易度でした。冤罪をかけたとポーがピンチになりながらも証拠を探し回る捜査が魅力的でした。

 

ポーが犯人の証拠を突き止めるのか先か、犯人の思惑が上か、徐々に焦らされるのは痺れますね。

ただ、ポーを逮捕する理由に関しては強引だなとは思いましたが。

 

今回もポーの捜査時はティリーとフリンの支えにグッときました。ティリーがたくましく成長してきていて、微笑ましい。

フリンについても掘り下げられていて、魅力的でした。

 

犯人の思惑を突き止めるポーの執念は見事でした。

 

最後のポーと犯人の対峙するところは圧巻でした。

 

幕引きも見事で、続きが早く読みたいです。

 

かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した! キートンは無実なのか? あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。解説/三橋曉

2021年 10月 読んだ本とおすすめ作品 読書メーターから

10月の読んだ本をまとめました。

 

10月に読んだ本の中でおすすめの作品を紹介していきます。

 

新作の中では伊坂幸太郎先生の最新作・ペッパーズ・ゴーストはワクワクする題材で心躍る展開、線を僕は描くの作者の7.5グラムの奇跡はお仕事ものとして目の病気と向き合い方を巧みに描いていて良かったです。

凜として弓を引くは少女の成長に目を見張るものがありました。

 

新刊の中では、フーガはユーガの切ない最後は印象的でした。阿津川先生の星詠師の記憶は長編として恐ろしいほどの構成力でした。虚構推理の短編集は流石の安定感。名探偵の証明

 

・おすすめの新作

ペッパーズ・ゴーストhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/01/210000

7.5グラムの奇跡https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/07/210000

凜として弓を引くhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/21/210000

 

・おすすめの新刊

フーガはユーガ 文庫https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/08/210000

星詠師の記憶 文庫https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/14/211500

虚構推理短編集 岩永琴子の純真https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/16/210000

名探偵の証明 蜜柑花子の栄光https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/19/220000

ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/25/210000

灰と幻想のグリムガル level.18 https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/24/210000

 

・おすすめの既刊

スロウハイツの神様 上下https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/13/210000

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/15/210000

狼と香辛料https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/17/210000

ダンまち ファミリアクロニクル リューhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/18/210000

密室蒐集家 文庫https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/23/130000

すへてがFになる https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/28/210000

高校事変https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/30/120000

ソードアート・オンラインプログレッシブ1https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/31/210000

 


10月の読書メーター
読んだ本の数:37
読んだページ数:12989
ナイス数:1028

島はぼくらと (講談社文庫)島はぼくらと (講談社文庫)感想
島で暮らす男女4人がおりなす群像劇。田舎特有の関係や問題が物語に絡んできて、構築された環境から飛び立つのは難しい。印象的だったのは田舎出身の人が有名人になったら田舎が1番優しくなく大切にしてくれないというシビアな現実に苦しくなりました。スロウハイツの彼女が現れたのは良いサプライズですね。
読了日:10月31日 著者:辻村 深月
ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)ソードアート・オンライン プログレッシブ1 (電撃文庫)感想
再読。映画が始まるので読み返しました。久しぶりに読んでも面白さは褪せませんね。キリトとアスナの初期の探り合いには懐かしさがあって良い。コツコツ一層ずつ描いていく今シリーズが好きだなぁと改めて認識出来ました。続巻も読み返していきます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/31/210000
読了日:10月30日 著者:川原 礫
小説 ブルーピリオド 1 (講談社KK文庫)小説 ブルーピリオド 1 (講談社KK文庫)感想
八虎の心中は漫画でも大分掘られているので、新鮮味を感じなかった。まだ、漫画読んでない人におすすめですかね。
読了日:10月30日 著者:時海 結以
【Amazon.co.jp 限定】47歳、まだまだボウヤ(特典:故郷・愛知県岡崎市での撮り下ろし写真 データ配信)【Amazon.co.jp 限定】47歳、まだまだボウヤ(特典:故郷・愛知県岡崎市での撮り下ろし写真 データ配信)感想
好きな声優の1人である櫻井孝宏さんのエッセイ。櫻井さんの柔軟な考え方や物事の捉え方に感心するしかなく、素晴らしい1冊になっている。声優界の活動範囲が広がる中、自分の足元を見つめて歩き続けていく櫻井さんの姿勢は見習いたいなと思いました。
読了日:10月29日 著者:櫻井 孝宏
ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
非常に面白かった。作品の中心にある連続殺人の方法や規則性はグロいものがありました。その事件を起こすに至った経緯もモヤモヤするものでしたが、最後の主人公・ポーが下した決断に救われる想いでした。捜査していくポーのやり方や許せない気持ちは強引でしたが、不思議と好きになりました。続編も期待したいです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/11/03/210000
読了日:10月28日 著者:M W クレイヴン
冷たい密室と博士たち (講談社文庫)冷たい密室と博士たち (講談社文庫)感想
密室として、どうやって構築されたのか気になったので犀川先生にあっさり説明された時は唖然としました。そこまで伏線に入っていたのかと。発想の飛躍に破綻なく納得させられるものでした。天晴れ。犀川先生と萌絵の関係が変わっていきそう?でそちらも楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/11/02/210000
読了日:10月27日 著者:森 博嗣
高校事変 (角川文庫)高校事変 (角川文庫)感想
公立高校に首相が訪問することになり、その高校に訪問したら、武装組織が乗り込んでくる。現代の政治家の腐った部分が描かれつつ、現実に迫る危機にもハラハラさせられて、1冊の中に濃厚な話が詰められていました。続きが読みたいです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/30/120000
読了日:10月26日 著者:松岡 圭祐
迷探偵の条件 1 (MF文庫J)迷探偵の条件 1 (MF文庫J)感想
あまり合わなかった。題材は面白いと思ったのだが。
読了日:10月25日 著者:日向夏
ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5 (MF文庫J)ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5 (MF文庫J)感想
クラス全員の意見を一致させる試験。簡単そうに見えて、問いによってはドツボにハマる試験でした。Aクラス以外は揉めて、その様子が見えたのは良かった。個人的にBクラスの神崎の諦めは印象深かった。もう一ノ瀬のクラスとしては先がないな。清隆が牙を出し始めて、冷酷に振る舞うことで試験は収まったが、今後に響きそうな結末でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/25/210000
読了日:10月25日 著者:衣笠彰梧
とらドラ・スピンオフ!〈3〉―俺の弁当を見てくれ (電撃文庫)とらドラ・スピンオフ!〈3〉―俺の弁当を見てくれ (電撃文庫)感想
むちゃくちゃな設定がありつつ、現実的な話もあり、独特の読み口。本編のその後の話が読みたかったです。
読了日:10月24日 著者:竹宮 ゆゆこ
灰と幻想のグリムガル level.18 わたしは世界に嫌われている (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.18 わたしは世界に嫌われている (オーバーラップ文庫)感想
おいおいマジかよ… 嘘だと言ってくれと願いたくなる惨劇が起こる終盤に心がボロボロだよ。メリィの身体の謎が遂に明らかになり、ハルヒロ達はこれ以上ないくらい揺さぶられることに。もうバットエンドしか見えないのだが。中盤まで明るい雰囲気だったのはそういうことか。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/24/210000
読了日:10月24日 著者:十文字 青
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ (GA文庫)感想
フレイヤの神としての振る舞いにも、理由があって。それは周りを振り回すこととは釣り合ってないように見えていたが、しっかりファミリアの団員の心を掴んでいるのだなと。フレイヤの魅了は無敵過ぎる。また、フレイヤファミリアの団員のあり方や考えも見えて良かったです。シルさんは… ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/27/130000
読了日:10月23日 著者:大森 藤ノ
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する (角川スニーカー文庫)世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する (角川スニーカー文庫)感想
暗殺者として生きて、暗殺者として死ぬ。その後に異世界でも暗殺者になるとは。異世界ということでスキルやらなんやらがあり、神の思惑で自分に合ったスキルが選べるとはチートだな。まだ基盤を固めたところなので、次巻からは暗殺が増えるのか楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/26/210000
読了日:10月22日 著者:月夜 涙
凜として弓を引く (講談社文庫)凜として弓を引く (講談社文庫)感想
内気な少女がある日弓道と出会い、これまでとは違う経験をしていくうちに成長していく青春弓道小説。主人公の楓が周りの友人や家族に遠慮して生きていたが、弓道を通じて武道を学んで変わっていく姿に胸が熱くなりました。よくまとまっているが、シリーズ化してほしいくらい好きな作品でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/21/210000
読了日:10月21日 著者:碧野 圭
こんな小説、書かなければよかった。 (ガガガ文庫 ゆ)こんな小説、書かなければよかった。 (ガガガ文庫 ゆ)感想
タイトルに強く惹かれて読みました。タイトルのように思ってしまうのは仕方ないかもしれないが、そこの先まで考えて、歩き出せたのは良かったです。病気に苦しむつむぎと寄り添うしおりの葛藤が繊細に描かれていて、2人が向かい合って掴んだ未来には希望があって良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/20/210000
読了日:10月20日 著者:悠木 りん
変人のサラダボウル (ガガガ文庫 ひ 4-15)変人のサラダボウル (ガガガ文庫 ひ 4-15)感想
異種族が現代に迷い込んできて、どう生きていくのか。主人公やその周りにどう影響を与えていくのが気になる始まりでした。キャラクターの顔見せや作品の世界観の紹介で終わったので、次巻からはパンチが効いた展開を期待したい。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/22/210000
読了日:10月20日 著者:平坂 読
名探偵の証明 蜜柑花子の栄光 (創元推理文庫 M い 10-5)名探偵の証明 蜜柑花子の栄光 (創元推理文庫 M い 10-5)感想
名探偵のあり方を探求し続けたシリーズの最終巻。蜜柑の名探偵として試される連続謎解きにカタルシスを感じつつも違和感があり、全てが収拾していく結末は見事としか。最後に明かされた連絡に幸せな気持ちになりました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/19/220000
読了日:10月19日 著者:市川 哲也
すべてがFになる (講談社文庫)すべてがFになる (講談社文庫)感想
森博嗣作品。有名作ですが、理系要素があるのでちょっと敬遠してましたが、かなり面白かったです。確かに理系要素があり、分からないところはあったがそれでも楽しめるように作られていたなと感じました。犀川先生、萌絵の2人の関係や、やりとりは賑やかで良かった。続きも読みます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/28/210000
読了日:10月18日 著者:森 博嗣
京都船岡山アストロロジー (講談社文庫)京都船岡山アストロロジー (講談社文庫)感想
安定しているが、物足りない。主人公があまり好きになれなかったのが原因か。占いがメインになっていて、そこも乗り切れなかったな。
読了日:10月17日 著者:望月 麻衣
中野森高校文芸部のホームズ&ワトソン (星海社FICTIONS)中野森高校文芸部のホームズ&ワトソン (星海社FICTIONS)感想
女子高生2人が探偵と助手になって、謎を解いていく。前半が軽い謎、後半に重めの謎があり、謎を追いかけていくうちに浮かび上がる探偵と助手の考えの違い。悩み、ぶつかり合いながらも同じ道を歩いていくと決意するのは良かったです。
読了日:10月17日 著者:波戸 彼方
虚構推理短編集 岩永琴子の純真 (講談社タイガ)虚構推理短編集 岩永琴子の純真 (講談社タイガ)感想
短編、中編の組み合わせだが面白さは損なわれておらず、どの話も思考を捏ねくり回す琴子の言葉に振り回されて痛快だった。六花さんは少し登場していたが、彼女の思惑は見えず、何だったんだろう。琴子と六花がぶつかるのは怖いな。雪女と人間の関係が築き上がっていくのは良い交流でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/16/210000
読了日:10月16日 著者:城平 京
星詠師の記憶 (光文社文庫)星詠師の記憶 (光文社文庫)感想
むちゃくちゃ面白かった。未来予知をここまで複雑にしてのけるとは恐ろしい。仲の良い兄弟が未来予知というものに運命を振り回されていく様子は悲しくて寂しい。絡み合った事件を解いた刑事・獅童もトラウマを乗り越えられる最後は見事でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/14/211500
読了日:10月14日 著者:阿津川 辰海
密室蒐集家 (文春文庫)密室蒐集家 (文春文庫)感想
密室事件を次々と解いていく密室蒐集家が癖になる。全て密室の事件で一貫していて、短編としての切れ味が冴え渡っているように思う。ただ、ちょっと無理があるかな?という部分があっても、気にさせないくらいの作品でした。続くなら是非とも読みたい。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/23/130000
読了日:10月13日 著者:大山 誠一郎
アルファベット荘事件 (創元推理文庫 M き 7-5)アルファベット荘事件 (創元推理文庫 M き 7-5)感想
正直、解決パートに入るまで身が入りませんでしたが入ってからはトリックや事件の裏側に唸るばかりでした。箱のトリックはありきたりかもしれないが、想像から外してくるもので良かった。犯人の足跡が残らなかった理由はビックリしました。最後の幕引きはなんとも言えない気持ちになりました。
読了日:10月12日 著者:北山 猛邦
亡霊ふたり (創元推理文庫 M よ 5-1)亡霊ふたり (創元推理文庫 M よ 5-1)感想
探偵になりたい少女と殺人をしたい少年の青春。少年が少女を目標にしていたが、結局はやらないと思ってはいたが、最後の最後までひょっとしたら本気で殺すんじゃないかという予感が拭えないので、緊迫感がありました。落とし所が想像出来ない展開でした。読み終えて、納得の最後でした。
読了日:10月12日 著者:詠坂 雄二
ダンデライオン (小学館文庫 な 20-2)ダンデライオン (小学館文庫 な 20-2)感想
タイムリープモノ。29歳の主人公、11歳の主人公が頭への衝撃で中身が入れ替わる。主人公がタイムリープを通じて行う目的や入れ替わることで起こる変化に惹かれました。ヒロインを救おうとする主人公の覚悟が真っ直ぐに感じられて良かったです。青春、SF、ミステリーが絡み合っている展開に胸が躍りました。
読了日:10月11日 著者:中田 永一
名もなき星の哀歌 (新潮文庫)名もなき星の哀歌 (新潮文庫)感想
記憶を売買出来るという設定で、バラバラに配置されたピースが思いもよらない形で繋がっていくのが爽快でした。その背景は苦いものがありましたが… キャラクター、ミステリーと要素を綺麗に合わせていたなと。最後にタイトルの意味が分かるのは良いものですね。
読了日:10月10日 著者:結城 真一郎
ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.3 青い日向で咲いた白の花 (電撃文庫)ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.3 青い日向で咲いた白の花 (電撃文庫)感想
今回は女性キャラ達の出番が多くて、日常要素が多めでした。しかし、このシリーズはホヅミと茉莉の創作への想いが重要。イベントで起きたハプニングも機転の効いた策で乗り越えたのはグッときました。文章、展開の緩急が良い感じでした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/09/210000
読了日:10月09日 著者:葉月 文
フーガはユーガ (実業之日本社文庫)フーガはユーガ (実業之日本社文庫)感想
優我と風我。双子には誕生日にだけ起きることがある。地味で使い道が難しいなと思っていたが最後の最後に最高の使い方をしていて、痺れる。今作は生きるのに苦労している人が登場していて、成長して報われていくのが良い。切なくて、許せない強敵に立ち向かった双子の想いが伝わってくる作品でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/08/210000
読了日:10月07日 著者:伊坂 幸太郎
7.5グラムの奇跡7.5グラムの奇跡感想
視能訓練士が主人公で目にまつわる物語。目が普通に見えて、世界が見えるのはどれだけの奇跡か。主人公・野宮が様々な目の悩みを抱える人と誠実に向き合っていく姿勢は素晴らしかったです。連作短編集で各話の完成度の高くて、最初から最後まで没頭して読み耽る魅力がありました。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/07/210000 
読了日:10月07日 著者:砥上 裕將
スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)感想
下巻。怒涛の畳み掛けで感情がぐらぐら揺さぶらて、疲れるのに読む手が止まらなかった。上巻でん?と思っていた部分や謎だったことも全てひっくるめて描き切っているので、これ以上ないくらいの幸福な締めだったと思います。スロウハイツに住む面々が前に進めるような形で良かったです。ずっと変わらないものなんてないのだ。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/15/210000
読了日:10月06日 著者:辻村 深月
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)感想
上巻。クリエイター達6人が同居生活をしていて、それぞれの目標やそこに至れてない現実が描かれている。また、各々の心情や葛藤を掘り下げていきつつ、徐々に変化していく生活に惹かれていく。何か大きなことを隠している気はする。終盤に訪れた波乱の気配は下巻でどう回収するのか楽しみです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/13/210000
読了日:10月05日 著者:辻村 深月
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)感想
再読。本編に登場するキャラクターにスポットを当てていくクロニクルシリーズ第1巻。リューさんが掘り下げられていて、本編で話は聞いていたギルドから指名手配されてから豊穣の女神で働くようになったきっかけに関しては、リュー自身の変化も読めて良かったが豊穣の女神で働く他の面々とミアさんのことも知れたのも良かったです。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/18/210000
読了日:10月04日 著者:大森 藤ノ
狼と香辛料 (電撃文庫)狼と香辛料 (電撃文庫)感想
有名作品で以前から気になっていたので、読みました。行商人のロレンスが豊穣の神・ホロと出会い商売をしていく。金の流れや商人としての生き方などは知れば知るほど楽しくなっていきました。2人の関係が魅力的で、終盤の波乱の展開の中でも繋がりが途切れなくて良かったです。続きも読んでいきます。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/17/210000
読了日:10月04日 著者:支倉 凍砂
女子高生の放課後アングラーライフ (角川スニーカー文庫)女子高生の放課後アングラーライフ (角川スニーカー文庫)感想
青春小説。いじめられていた過去から周りの顔色を伺うようになった主人公が親の転勤で環境が変わり、新たな場所でやり直そうとする。個性豊かな友達に囲まれて、時には衝突していきながらも、仲を深めていく様子は沁みるものがありました。釣りについては詳しかったらもっと作品に入れたのかもしれないな。作品とイラストがマッチしているのも魅力でした。
読了日:10月03日 著者:井上 かえる
他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた2 (角川スニーカー文庫)他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた2 (角川スニーカー文庫)感想
1巻で明かされなかった江南の抱えている問題と不思議だった大楠に懐いた理由というのが明かされた。思春期の真っ只中にいる2人は傷を負いながらも、話し合って向き合うことができたのは、周りの人のおかげ。大楠と江南がこれから、どう生きていくのか読んでいきたい。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/02/210000
読了日:10月02日 著者:向原 三吉
ペッパーズ・ゴーストペッパーズ・ゴースト感想
伊坂幸太郎先生の集大成ということですが、そういうことは気にせず読んでほしい力作でした。鬱屈とした胸にモヤモヤを抱えている人達が前に進むために、何をすれば良いのか。現代の悩みに沿った内容だったのかなと。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/01/210000
読了日:10月01日 著者:伊坂幸太郎

読書メーター



ブルーピリオド 3

ブルーピリオド(3) (アフタヌーンコミックス)

 

八虎は成長しているが、まだ絵書きの入口だったか。

何かをモチーフにして描くのと、テーマを与えられて創造して描くのは違うのだろう。

落ち込む八虎だが、原点である森先輩や佐伯先生から立ち直るヒントを得て、生き生きして描くことに夢中になるのは良いなぁ。

その後に凹むのだが。

 

壁にぶつかって、悩んで、解消して、その過程がよくまとまっているので、八虎に感情移入して、のめりこめました。

好きなことをやるのは良い面、悪い面があるよな。

経験や知識不足を努力でなんとかする姿勢に惹かれます。

 

八虎が世田介に思いを伝えるところは良いですね。

 

 

成績優秀、世渡り上手なリア充高校男子が絵を描く喜びに目覚め、美大を目指す!受験を目前に控えヒリヒリとした日々を送る八虎は、美大予備校でより受験に実践的な課題を取り組み始める。“対応力”が足りないことを知った八虎は突破口を見つけるため、あることに挑戦するが…!? 各界で話題騒然のアート系スポ根漫画、第3巻!

ストーンサークルの殺人

ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

分厚い1冊だが、読み進めていくうえで必要な分量だったのだなというくらい、情報が詰められているので満足度が高いです。

 

作品の中心にある連続殺人の方法や規則性はグロいものがありました。

その事件を起こすに至った経緯もモヤモヤするものでしたが、最後の主人公・ポーが下した決断に救われる想いでした。

犯人のしたことは決して許されることではないが、その犯行に至るまでの胸中を思うと、やるせない気持ちになります。

犯人とポーが向き合って、明かされる真実には胸をつく想いでした。

 

捜査していくポーのやり方や許せない気持ちは強引でしたが、不思議と好きになりました。

 

ポーとティリーの凸凹コンビの関係の構築の過程が非常に魅力的で、もっと2人の活躍が見たいです。

 

続編も読みます。

 

 

英国カンブリア州に点在するストーンサークルで次々と焼死体が発見された。犯人は死体を損壊しており、三番目の被害者にはなぜか停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」と思しき字が刻み付けられていた。身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし新たに発見された死体はさらなる謎を生み、事件は思いがけない展開へ……英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。